季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

命は素材と縮絨率

2015-09-08 22:11:11 | 工房working place
朝、名残のゴーヤを収穫。もう実が小さくなって来ています。
それでも夏中たくさんの実をつけてくれて、毎日の我が家のビタミンミネラルの元になっていた。夏バテもなかったな。
ゴーヤありがとう!
今日はこれを全部チャンプルーにして弁当と工房での昼ごはんに。

       

工房にて。

この前試作したピアノのペダルカバーを作って行きます。
型を大きめに作ってたくさん縮めています。それでしっかりと丈夫なものが出来る。

ここが私たちの作品の特徴。縮絨率の高さ。
フェルトは羊毛に石鹸水をかけて擦ると出来ます。石鹸水とかけなくても両手で揉むようにすると少しフェルト化したりする。
摩擦すればするほどどんどん縮んで行く。
その加減をどれくらいにするのか?それがそれぞれの作り手にゆだねられている。

私も長年いろいろな作家さんや先生の作品をたくさん観て来た。そして作って来た。
その中で市場で値札を付けて売っているものにも羊毛からフェルトになりきっていない作品がある事を知っています。
縮絨が甘いものとしっかりと縮んだものはパッと見ただけだとわからない。
ふわっとしているので甘いものほど羊らしく良いと思う人も居るかもしれない。

それでもそれがカバンや帽子などとして使われていくにつれ、違いが歴然としてきます。
使用目的に適しない縮絨率の作品は、使うにつれ形が崩れ、毛玉が出て、穴も開きやすく。長く使えません。
使用目的に適した率で縮めているものはまるで革製品のように使い込むにつれ良さが出て、型崩れや生地の減りも少なく、美しく長く使えます。

私たちの作品は長年の経験と多くの師匠たちから学んだ技術で、その作品の用途に合った縮絨で作り上げています。
素材の使い方や選び方にも細やかな区別があります。

そして仕上げ。同じ縮絨率のフェルトでも、最後の仕上げによってまったく様子が変わります。
その仕上げに時間も力もかけてしっかりと仕上げる。

ですから私は私たちが作っている作品の品質には自信があります。
私自身もフェルト作品を長年使ってきたからこそ分かる。

このピアノのペダルカバーは「踏まれるのが仕事」ですからしっかりと強く緩まない生地である事が求められます。
それに叶ったものになっていると思います。

今日は4つ出来ました。

       

どんな色が良いのかなあ?と考えながら。
またこれから続きを作って行こう。
素材と作品の両方を作るので時間がとてもかかるけれど、それも私たちの味。
頑張ろう!
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