■MAYA,令和時代のイージス艦
令和時代最初の護衛艦竣工、まや就役は世界覆うコロナウィルス禍下での久々の明るい話題となりました。
イージス艦まや。海上自衛隊イージス艦は元来、護衛艦隊の艦隊防空を担うミサイル護衛艦として導入されましたが、1993年以降断続的に日本周辺海域へ弾道ミサイル実験を行う北朝鮮、そして大量の弾道ミサイルを装備する中国軍第二砲兵の存在から、弾道ミサイル防衛にも対応する海上自衛隊イージス艦は国家戦略防衛の重責を担うに至っています。
日本周辺への弾道ミサイル開発はロシアの中距離核戦力全廃条約無効化によるミサイル脅威増大の懸念が増大、北朝鮮は去る29日日曜日にも大型ロケット弾乃至戦術弾道弾と思われる飛翔体発射を実施、三月では四度目となる飛翔体情報があり、90年代後半にはミニイージス艦で充分等の論もありましたがまだまだイージス艦の重要性は小さくありません。
まや型護衛艦、前型である護衛艦あたご型からの進化は動力がCOGLAG方式としてガスタービン二機と発電器及びディーゼル発電器二機及び電動機方式を採用していまして、あたご型がCOGAG方式としてガスタービン4基を搭載した設計と比較し、速力をそのままに巡航性能を強化、これにより煙突形状が小型化、全長も5m延伸、精悍な艦容となりました。
IAMD統合防空ミサイル防衛対処能力の付与。あたご型ミサイル護衛艦、こんごう型ミサイル護衛艦も順次改良されることとなりますが、まや型は従来のイージス艦が艦隊防空とミサイル防衛を同時に実施することが難しく、宇宙空間へのミサイル防衛任務中に海面すれすれからの対艦ミサイルなどによる攻撃を受けた場合の防空への脆弱性があったのです。
あきづき型護衛艦。僚艦防空能力を有する汎用護衛艦として数十km圏内の艦艇防空という限定的な艦隊防空を担う独特の仕様で建造された背景には、弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦を援護する目的があったのですが、まや型は新造時から掩護を受けずともこの二つの能力を同時に遂行することが可能、既存のイージス艦も順次この能力が付与されます。
スタンダードSM-6、イージス艦より運用する対航空機及び巡航ミサイル迎撃用のミサイルですが、射程は370kmから迎撃高度によっては450km先を迎撃可能という新装備です。従来はこの任務に射程110kmのスタンダードSM-2が用いられており、スタンダードSM-6の長射程は、いうなれば極論で九州から沖縄を防空出来る、非常に優れたものとなります。
F-35B,航空自衛隊が導入する新しい戦闘機も、イージス艦と併せて運用することにより極めて高い能力を発揮します。F-35Bはアメリカ海兵隊が岩国へ配備しており、イタリア海軍やイギリス海軍などが艦上運用する垂直離着陸が可能という特色を持つ第五世代戦闘機ですが、そのままイージス艦とデータリンクが可能であり、ニフカへの高い連接性を持つ。
いずも型護衛艦、いずも、かが、での艦上運用が方針として画定しているF-35Bは、先進的なAPG-82レーダーやEO-DAS複合光学情報システムにより捕捉した目標をそのままイージス艦に伝送、この目標情報をスタンダードSM-6の誘導に用いる事が可能です。これは即ち、電波は直進するために水平線以遠は見れませんが、その目の役割をF-35Bが担う。
まや竣工は、建造が進む護衛艦はぐろ、とともに海上防衛の新しい、しかし長期を要した防衛力整備事業のまさに王手、という段階を示します。ただ、残念ながら本年は大規模な祝典とともにイージス艦を祝うことは新型コロナウィルスCOVID-19感染拡大により出来ませんが、東日本大震災五日後に竣工した護衛艦いせ、という似た事例がありました。
いせ。東日本大震災の五日後に竣工し、建造されたのは同じジャパンマリンユナイテッド横浜工場、時はまさに津波被害を受けた福島第一原発が危機的状況にあり、そして首都圏では計画停電が行われているさなかの竣工でした。しかし、いせ、新時代の海上自衛隊主力としてフィリピン巨大台風災害人道支援始め、災害から警戒、各方面で活躍が続きます。
はたかぜ。海上自衛隊がイージス艦の前まで整備していましたターターDシステム搭載のミサイル護衛艦は、まや竣工をもって護衛艦から練習艦へ移籍し、練習艦隊へ配備、今年一月の時点で横浜にて整備中でした。はぐろ竣工とともに二番艦しまかぜ、も同様の改修を受け、はたかぜ型は2隻揃って練習艦隊での練習艦としての運用が開始されましょう。
まや。上記の通り、イージス艦の任務は冷戦後と今日まで増加し続けており、海上防衛に防空の強力な盾を供する事で専守防衛の我が国、そのシーレーン防衛を通じ海洋自由原則の国際公序を守る重責があります。令和時代を担う新しい護衛艦として、特に令和時代で初めて完成した護衛艦として、環太平洋地域の平和と安全へ、活躍を期待したいですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
令和時代最初の護衛艦竣工、まや就役は世界覆うコロナウィルス禍下での久々の明るい話題となりました。
イージス艦まや。海上自衛隊イージス艦は元来、護衛艦隊の艦隊防空を担うミサイル護衛艦として導入されましたが、1993年以降断続的に日本周辺海域へ弾道ミサイル実験を行う北朝鮮、そして大量の弾道ミサイルを装備する中国軍第二砲兵の存在から、弾道ミサイル防衛にも対応する海上自衛隊イージス艦は国家戦略防衛の重責を担うに至っています。
日本周辺への弾道ミサイル開発はロシアの中距離核戦力全廃条約無効化によるミサイル脅威増大の懸念が増大、北朝鮮は去る29日日曜日にも大型ロケット弾乃至戦術弾道弾と思われる飛翔体発射を実施、三月では四度目となる飛翔体情報があり、90年代後半にはミニイージス艦で充分等の論もありましたがまだまだイージス艦の重要性は小さくありません。
まや型護衛艦、前型である護衛艦あたご型からの進化は動力がCOGLAG方式としてガスタービン二機と発電器及びディーゼル発電器二機及び電動機方式を採用していまして、あたご型がCOGAG方式としてガスタービン4基を搭載した設計と比較し、速力をそのままに巡航性能を強化、これにより煙突形状が小型化、全長も5m延伸、精悍な艦容となりました。
IAMD統合防空ミサイル防衛対処能力の付与。あたご型ミサイル護衛艦、こんごう型ミサイル護衛艦も順次改良されることとなりますが、まや型は従来のイージス艦が艦隊防空とミサイル防衛を同時に実施することが難しく、宇宙空間へのミサイル防衛任務中に海面すれすれからの対艦ミサイルなどによる攻撃を受けた場合の防空への脆弱性があったのです。
あきづき型護衛艦。僚艦防空能力を有する汎用護衛艦として数十km圏内の艦艇防空という限定的な艦隊防空を担う独特の仕様で建造された背景には、弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦を援護する目的があったのですが、まや型は新造時から掩護を受けずともこの二つの能力を同時に遂行することが可能、既存のイージス艦も順次この能力が付与されます。
スタンダードSM-6、イージス艦より運用する対航空機及び巡航ミサイル迎撃用のミサイルですが、射程は370kmから迎撃高度によっては450km先を迎撃可能という新装備です。従来はこの任務に射程110kmのスタンダードSM-2が用いられており、スタンダードSM-6の長射程は、いうなれば極論で九州から沖縄を防空出来る、非常に優れたものとなります。
F-35B,航空自衛隊が導入する新しい戦闘機も、イージス艦と併せて運用することにより極めて高い能力を発揮します。F-35Bはアメリカ海兵隊が岩国へ配備しており、イタリア海軍やイギリス海軍などが艦上運用する垂直離着陸が可能という特色を持つ第五世代戦闘機ですが、そのままイージス艦とデータリンクが可能であり、ニフカへの高い連接性を持つ。
いずも型護衛艦、いずも、かが、での艦上運用が方針として画定しているF-35Bは、先進的なAPG-82レーダーやEO-DAS複合光学情報システムにより捕捉した目標をそのままイージス艦に伝送、この目標情報をスタンダードSM-6の誘導に用いる事が可能です。これは即ち、電波は直進するために水平線以遠は見れませんが、その目の役割をF-35Bが担う。
まや竣工は、建造が進む護衛艦はぐろ、とともに海上防衛の新しい、しかし長期を要した防衛力整備事業のまさに王手、という段階を示します。ただ、残念ながら本年は大規模な祝典とともにイージス艦を祝うことは新型コロナウィルスCOVID-19感染拡大により出来ませんが、東日本大震災五日後に竣工した護衛艦いせ、という似た事例がありました。
いせ。東日本大震災の五日後に竣工し、建造されたのは同じジャパンマリンユナイテッド横浜工場、時はまさに津波被害を受けた福島第一原発が危機的状況にあり、そして首都圏では計画停電が行われているさなかの竣工でした。しかし、いせ、新時代の海上自衛隊主力としてフィリピン巨大台風災害人道支援始め、災害から警戒、各方面で活躍が続きます。
はたかぜ。海上自衛隊がイージス艦の前まで整備していましたターターDシステム搭載のミサイル護衛艦は、まや竣工をもって護衛艦から練習艦へ移籍し、練習艦隊へ配備、今年一月の時点で横浜にて整備中でした。はぐろ竣工とともに二番艦しまかぜ、も同様の改修を受け、はたかぜ型は2隻揃って練習艦隊での練習艦としての運用が開始されましょう。
まや。上記の通り、イージス艦の任務は冷戦後と今日まで増加し続けており、海上防衛に防空の強力な盾を供する事で専守防衛の我が国、そのシーレーン防衛を通じ海洋自由原則の国際公序を守る重責があります。令和時代を担う新しい護衛艦として、特に令和時代で初めて完成した護衛艦として、環太平洋地域の平和と安全へ、活躍を期待したいですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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すなわち、日本憲法で禁止されている集団的自衛権の行使につながるということです。このイージス艦の保有を認めることはきでません。