北大路機関

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モスクワ撃沈-黒海艦隊封じるウクライナ軍電子戦能力と続報の無いアドミラルマカロフへの攻撃情報

2022-05-09 07:01:48 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 アメリカの情報支援が在ったとされる巡洋艦モスクワ撃沈についてアメリカ当局は否定しウクライナ軍能力の高さを強調しました、今回は自衛隊も重視しているこれら対艦攻撃能力について情報を纏めました。

 ウクライナのネプチューン対艦ミサイルが撃破したとされるロシア海軍フリゲイトアドミラルマカロフについて、撃沈の第一報から三日を経ましたがロシア海軍からは発表がありません、また、海上の何らかの目標が炎上する水平線上の黒煙という写真が出ていますが、フリゲイトアドミラルマカロフのものであるか、まだ未確認情報のままとなっている。

 フリゲイトアドミラルマカロフ撃沈という報道も幾つかありますが、今のところウクライナメディアの引用というかたちで、確定情報ではりません。ロシアは5月9日の祝日対独戦勝記念日に備え厭戦機運をまねきかねない艦隊損耗の情報を伏せているとの見方もできますが、フリゲイトアドミラルマカロフの現状については、まだなんともいえないもよう。

 ネプチューン対艦ミサイルは、しかしロシア海軍の黒海による運用をかなり制限している事は事実のようです。他方、アメリカメディアが報じた、ウクライナが撃沈した巡洋艦モスクワの位置について、アメリカがウクライナへ情報提供したとの報道をアメリカ国防総省は否定しました。この件についての関与をアメリカが明確に否定したのは意外といえる。

 モスクワ。アメリカ国防総省はロシア海軍黒海艦隊旗艦モスクワ撃沈について、ウクライナ軍の電子戦部隊能力であれば能力的に黒海洋上のモスクワに関してその位置標定は可能であるとの見解を示しました。洋上の水上戦闘艦、ウクライナ軍地対艦ミサイル部隊はどのようにして位置を標定したのでしょうか、その方策として自衛隊の地対艦ミサイル運用が参考に。

 電子戦装置4型、陸上自衛隊の第1電子隊に大量に装備されているもので、ネットワーク型電子戦システムNEWSにはこの改良型である電子戦装置4型Aと4型Bが配備されている、これは電波を発信するのではなく受信するもので、複数の電子戦装置4型を地上に碁盤の目が如く配置する事で洋上の通信やレーダー等電波発信源を標定する事が可能です。

 黒海の面積は43万6400㎢、これは日本海面積の97万8000㎢やオホーツク海面積の158万3000㎢よりもかなり狭く、電波発信源を探知し方向などを複数の受信装置により逆算する事で大まかな位置を標定可能です、恐らくウクライナ軍は決して広くは無い国会の洋上で位置概算を標定、地対艦ミサイルを発射、ミサイルのレーダーが探知したのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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