■3.11東日本大震災
訓練展示は災害派遣展示です。
春日井駐屯地上空にUH-1J多用途ヘリコプターが展開します、明野駐屯地の第10飛行隊の所属だ。今回の訓練展示は災害派遣展示、ここからレンジャーが展開するわけでは無く、情報収集任務にあたる。一昔では被災地情報収集はOH-6が担っていた。
UH-1J,既にOH-6D観測ヘリコプターは全廃されていますがもともと師団飛行隊には10機程度OH-6が配備され、逆にUH-1は方面航空隊の装備であった、このOH-6が1:1でUH-1に置き換えられれば良かったのだけれども、そう甘い話は無くUH-1も減っている。
OH-6は、方面隊単位であれば映像伝送装置を搭載したUH-1を充てるのですが師団には映像伝送装置は回ってこない、だからOH-6が活躍しUH-1は輸送任務に充てられたのだけれども、UH-1だけとなると、輸送か情報収集を選択することとなります。
災害派遣展示ということで、まず無人航空機を運用します。これ、普通科連隊や施設大隊単位でスキャンイーグルくらいが配備されるならば、駐屯地から被災地を情報収集できるのですが、なにしろ連隊といっても我が国の連隊は規模に限界があるので。
オートバイ斥候を施設大隊本部が情報小隊より派遣します、昨年までならばここ春日井には第10偵察隊が駐屯していましたのでお手の物の情報収集なのですが、いまは豊川駐屯地にて第10偵察戦闘大隊へ改編されているため、春日井では自前の情報収集が。
第35普通科連隊、守山駐屯地から支援に派遣です。どうやら倒壊家屋があったらしい、ということで。腕章に第35普通科連隊のパッチが鮮やかに描かれている、守山駐屯地は春日井駐屯地の春日井市はお隣の名古屋市、自動車で40分ほどの場所にあります。
アナフィ無人機が情報収集をおこなう。フランスのパロット社製のもの。この規模の無人機は中国製のものが値段でも数でも性能でさえも圧倒しているのですが、バックドアがあることがロシアウクライナ戦争で判明しており、さすがに自衛隊では使えない。
バックドア、というのは無人機の操縦士の位置座標がメーカーに通知され、一時期はウクライナ軍ドローンオペレータの位置がロシア側で閲覧できる状況に、ウクライナ政府の中国メーカーへの抗議によりこの状況は解除されましたが、防衛上の厳しい現実だ。
第10施設大隊が掩体掘削装置やダンプなどを駆使して倒壊家屋の除去を開始します、実際には民間資産と謂うことで取り除くには行政上の様々な問題がありますが、災害派遣展示ではそこまで再現されない、災害という有事にも憲法上緊急条項がないゆえ。
3.11東日本大震災、実はその二日前が日曜日で春日井駐屯地祭が行われていまして、その際の展示がこうした災害派遣展示でした、まさにその数日後にマグニチュード9、当時の隊員さんも印象深く一生忘れられない駐屯地祭であった、と語ってくれたことが。
衛生隊の救急車が負傷者収容に出動します。自衛隊では漸く装甲救急車のよさんがつきましたが、第一線に回ってくるのはいつなのだろうか。個人的には82式指揮通信車を再生産できれば、車内容積と天井の高さから装甲救急車に最適だ、とおもうのですけれど。
倒壊家屋に下敷きとなったよう救助者を発見し救出したところで状況終了となりました。一軒の家屋が何も無いところで倒壊してもこれだけの部隊が出動しなければならない、という災害、この二ヶ月後には能登半島豪雨もあり、考えさせられた展示でしたね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
訓練展示は災害派遣展示です。
春日井駐屯地上空にUH-1J多用途ヘリコプターが展開します、明野駐屯地の第10飛行隊の所属だ。今回の訓練展示は災害派遣展示、ここからレンジャーが展開するわけでは無く、情報収集任務にあたる。一昔では被災地情報収集はOH-6が担っていた。
UH-1J,既にOH-6D観測ヘリコプターは全廃されていますがもともと師団飛行隊には10機程度OH-6が配備され、逆にUH-1は方面航空隊の装備であった、このOH-6が1:1でUH-1に置き換えられれば良かったのだけれども、そう甘い話は無くUH-1も減っている。
OH-6は、方面隊単位であれば映像伝送装置を搭載したUH-1を充てるのですが師団には映像伝送装置は回ってこない、だからOH-6が活躍しUH-1は輸送任務に充てられたのだけれども、UH-1だけとなると、輸送か情報収集を選択することとなります。
災害派遣展示ということで、まず無人航空機を運用します。これ、普通科連隊や施設大隊単位でスキャンイーグルくらいが配備されるならば、駐屯地から被災地を情報収集できるのですが、なにしろ連隊といっても我が国の連隊は規模に限界があるので。
オートバイ斥候を施設大隊本部が情報小隊より派遣します、昨年までならばここ春日井には第10偵察隊が駐屯していましたのでお手の物の情報収集なのですが、いまは豊川駐屯地にて第10偵察戦闘大隊へ改編されているため、春日井では自前の情報収集が。
第35普通科連隊、守山駐屯地から支援に派遣です。どうやら倒壊家屋があったらしい、ということで。腕章に第35普通科連隊のパッチが鮮やかに描かれている、守山駐屯地は春日井駐屯地の春日井市はお隣の名古屋市、自動車で40分ほどの場所にあります。
アナフィ無人機が情報収集をおこなう。フランスのパロット社製のもの。この規模の無人機は中国製のものが値段でも数でも性能でさえも圧倒しているのですが、バックドアがあることがロシアウクライナ戦争で判明しており、さすがに自衛隊では使えない。
バックドア、というのは無人機の操縦士の位置座標がメーカーに通知され、一時期はウクライナ軍ドローンオペレータの位置がロシア側で閲覧できる状況に、ウクライナ政府の中国メーカーへの抗議によりこの状況は解除されましたが、防衛上の厳しい現実だ。
第10施設大隊が掩体掘削装置やダンプなどを駆使して倒壊家屋の除去を開始します、実際には民間資産と謂うことで取り除くには行政上の様々な問題がありますが、災害派遣展示ではそこまで再現されない、災害という有事にも憲法上緊急条項がないゆえ。
3.11東日本大震災、実はその二日前が日曜日で春日井駐屯地祭が行われていまして、その際の展示がこうした災害派遣展示でした、まさにその数日後にマグニチュード9、当時の隊員さんも印象深く一生忘れられない駐屯地祭であった、と語ってくれたことが。
衛生隊の救急車が負傷者収容に出動します。自衛隊では漸く装甲救急車のよさんがつきましたが、第一線に回ってくるのはいつなのだろうか。個人的には82式指揮通信車を再生産できれば、車内容積と天井の高さから装甲救急車に最適だ、とおもうのですけれど。
倒壊家屋に下敷きとなったよう救助者を発見し救出したところで状況終了となりました。一軒の家屋が何も無いところで倒壊してもこれだけの部隊が出動しなければならない、という災害、この二ヶ月後には能登半島豪雨もあり、考えさせられた展示でしたね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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