■横浜,巨大クルーズ船検疫留
日本国内感染爆発は幸い回避されていますが、中国武漢において発生した肺炎は僅か一ヶ月で感染者は八千倍となってしまいました。
新型コロナウィルス被害が湖北省を中心に広がる中国政府は、延長を続けていた旧正月春節の連休について10日から通常操業に戻るとの指針を示していますが、世界の工場として世界に部品を供給する中国各地の工場が、果たして10日から操業再開が出来るのか、この施策が再度の感染拡大を誘発しないのか、世界は中国の動向を見極めようとしています。
中国当局が本日8日に発表したところによれば、新型のコロナウイルスによる死者数は81名増加し、中国国内の死者数は合わせて717名となりました。感染者数は3万1000名を越えており、致死率は3%となっていますが感染力はインフルエンザ並であり、しかし一方で、致死率は季節性インフルエンザの30倍以上という懸念すべき数値となっています。
武漢からの邦人救出は、全日空の尽力により自衛隊機に依存する事無く全て運行され、ただ、手続き上の日中交渉が長引くと共に郊外居留の邦人集合手段整備に時間を要した事から、第三便から時間を空けて第四便が昨日7日に羽田空港へ到着、第四便を利用した198名の内、12名が入院措置となりました。これが最終便となるのかについては、現在未定だ。
邦人患者死亡。武漢において感染し簡易検査により新型コロナウィルスが検出された60歳代の邦人が、一時小康状態が発表されたものの容体が悪化し本日死亡したとの発表があり、今回の新型コロナウィルスにおいて初の邦人死者が出る事となりました。同じ本日、武漢で隔離治療されていたアメリカ人感染者も死亡、在留外国人罹患死者が相次ぐ状況です。
クルーズ船での感染拡大。現在のところ新しい課題は横浜港に入港した巨大クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号において感染者乗船の記録が在り、検査の結果、乗客乗員3700名のうち、邦人28名を含む61名が感染確認され、政府は14日間の検疫隔離を実施しています。これを受け香港を経由したウエステルダム号など別の客船も寄港拒否となっています。
ダイヤモンドプリンセス号では多数のアメリカ人旅行者が乗船している事から、アメリカ政府はアメリカ市民権を有する乗客だけでも下船させ、在日米軍基地を経由しアメリカ国内へ帰国させる検討を行っている旨の報道もありますが、基本的にアメリカ国務省は現在実施している客船内の検疫隔離が最適であるとして、日本政府の方針を支持しています。
中国新型肺炎は止まるところを知りませんが、武漢封鎖措置、1月23日に実施した措置が逆に致死率の異常な上昇を招いたように危惧します。武漢市内の罹患者致死率は5.5%、中国政府が公表した数字で周辺地域と比較し異常な数値を示しており、これは疾病予防を支えるインフラ、健康インフラを封鎖が無理矢理に途絶したためと非難せねばなりません。
1000万都市封鎖、WHOのテドロス事務局長はこの施策を今後の疾病対策の手本となるとして、PHEIC発動に際し、措置を正当化しました。しかし妥当なのでしょうか、武漢市街は生活物資枯渇と電力水力下水道を残し物流が瓦解、物資不足が衛生関連資材の不足を生み、逆に市民を本来閉鎖すべき密集地域に追いやったといえまして、妥当なのでしょうか。
PHEIC発動に際するテドロス局長の中国支持に関する発言は、中国の習主席との会談に際しPHEIC発動を抑制する圧力があったと類推できうるとはいえ、人権無視、湖北省以外での武漢本籍者に対する迫害や首都北京郊外での村落物理封鎖、少々といいますか度を超して人権を疾病対策の美名とともに無視していると、非難すべき点があるかもしれません。
いわば、責任の押しつけ合いにも。武漢に200名の感染者が確認された翌日に1000万都市を予告無く封鎖した中国方式の施策、要するに200名の感染とともに999万9800名の人権を蹂躙した構図は、必要性を力説されたとしても理解が難しい。この施策をWHOが追認した構図、例えば疾病を理由に少数民族へ抑圧手的な施策に悪用される懸念があります。
特に感染していない市民への国家規模での抑圧構造を醸成したことは、妥当なのか、と。新型コロナウィルスは、しかしどの程度で感染を抑止できるかが未知数です。武漢封鎖を皮切りに武漢市内の感染者が増大した事はパニックを誘発した証左そのものですが、逆にいえば爆発的感染増大を念頭において未然に封鎖した、と反論されれば、どうでしょうか。
この命題への再反論の道程に不可欠な情報を中国政府が握っており、情報開示が行われない以上は人権無視こそ王道、という誤った認識を定着させかねません。封鎖がかえって感染者を増大させたパニックの要因となった、特に今回実施されたのは人の移動を制限することではなく、本質は予告なしの封鎖措置を突如実施し、都市にパニックを誘発しました。
発熱が若干でもあれば医療機関に殺到し、食料なども高騰、配給制度などの代替案を示さず唐突に緞帳を落としたことで、生活物資確保への混乱を誘発しました、テレワーク強化や休暇延長、できる無難な施策のほうが混乱を抑止できなかったでしょうか。中国方式を称賛するWHO、しかし大量感染を生じさせた中国からの渡航制限に難色を示している。
過度に恐れる必要はない、として致死率は3%未満、という数字が示されていますが、実のところ3%と驚異的な罹患率、感染性は脅威ではないのでしょうか。武漢市内では致死率が5%と高い水準となっている現状は、膨大な感染者に対しての医療飽和状態が背景にあると考えられますが、中国全土の平均値と比して大都市である武漢の医療水準は高いという。
過度に恐れる必要があるのは、実のところ潜伏期間の長さと発症前であっても感染する、ステルス感染というべき状況であり、低い致死率をあげられたとしても発症前の感染は高い感染率と罹患率を示しており、いわば都市や地域単位での隔離を行い、その上で感染率と致死率を総合した場合、安易に過度に恐れるなとの指摘は無理であるように考えます。
中国の政治体制、もう一つ懸念すべき点は二月に入り中国共産党指導部は発生当初の危機管理について不備を認めましたが、いわば党中央の指針に対し疑義を示すことのできない硬直した情報共有と省単位での危機管理冗長性の低さ、そして危機管理への党中央への情報共有とは別の負要素情報への党中央に対する隠蔽と忖度、ここは将来に繋がる問題です。
経済的問題、新型コロナウィルスにおいてここまで論理が飛躍することは一種の複合要素ではあるのですが、危機管理が初動で手間取る国であるとともに、基本的に情報開示を行わない、いわば2003年SARS感染爆発に際しての中国と、少なくとも情報開示の部分では同じ実状があり、これは中国へ世界の工場としてのサプライチェーンを置く事への不安が。
東南アジアや南アジアを含めたクラウド化を進める背景となる可能性があります。クラウド化はリスク分散の意義があり、しかし、中国からみた場合は逃避に他なりません。いわば、今後は世界の工場を脱皮し、知的財産権の集約拠点として製造業から技術開発へ脱皮する一つの契機として受け止められるならば僥倖ですが、逆に更に情報統制強化の懸念も。
情報統制強化という道をすすみ、同床異夢、世界の求める成果と中国が求める結果が同じ物であっても対処法が真逆となる懸念があるのですね。2003年と2020年とでは17年間で大きくなった中国、大きくなるとともに大らかとなるべき分野の未整備が、今回の疾病に伴う混乱の一要素を醸成している懸念があるでしょう。少なくとも現状懸念が具現化した。
中国といえば過度な統制国家、社会主義国が有する負の印象を地で行く国ではあるのですが、この点で社会不安の醸成や疾病一つとっても共産党への批判に繋がりかねない要素を隠蔽する施策、中国の将来を左右する懸念があります。過度な監視の時点で世界からは批判される中国ですが、世界第二の経済大国が尊敬を勝ち得るかは、今後施策如何でしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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日本国内感染爆発は幸い回避されていますが、中国武漢において発生した肺炎は僅か一ヶ月で感染者は八千倍となってしまいました。
新型コロナウィルス被害が湖北省を中心に広がる中国政府は、延長を続けていた旧正月春節の連休について10日から通常操業に戻るとの指針を示していますが、世界の工場として世界に部品を供給する中国各地の工場が、果たして10日から操業再開が出来るのか、この施策が再度の感染拡大を誘発しないのか、世界は中国の動向を見極めようとしています。
中国当局が本日8日に発表したところによれば、新型のコロナウイルスによる死者数は81名増加し、中国国内の死者数は合わせて717名となりました。感染者数は3万1000名を越えており、致死率は3%となっていますが感染力はインフルエンザ並であり、しかし一方で、致死率は季節性インフルエンザの30倍以上という懸念すべき数値となっています。
武漢からの邦人救出は、全日空の尽力により自衛隊機に依存する事無く全て運行され、ただ、手続き上の日中交渉が長引くと共に郊外居留の邦人集合手段整備に時間を要した事から、第三便から時間を空けて第四便が昨日7日に羽田空港へ到着、第四便を利用した198名の内、12名が入院措置となりました。これが最終便となるのかについては、現在未定だ。
邦人患者死亡。武漢において感染し簡易検査により新型コロナウィルスが検出された60歳代の邦人が、一時小康状態が発表されたものの容体が悪化し本日死亡したとの発表があり、今回の新型コロナウィルスにおいて初の邦人死者が出る事となりました。同じ本日、武漢で隔離治療されていたアメリカ人感染者も死亡、在留外国人罹患死者が相次ぐ状況です。
クルーズ船での感染拡大。現在のところ新しい課題は横浜港に入港した巨大クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号において感染者乗船の記録が在り、検査の結果、乗客乗員3700名のうち、邦人28名を含む61名が感染確認され、政府は14日間の検疫隔離を実施しています。これを受け香港を経由したウエステルダム号など別の客船も寄港拒否となっています。
ダイヤモンドプリンセス号では多数のアメリカ人旅行者が乗船している事から、アメリカ政府はアメリカ市民権を有する乗客だけでも下船させ、在日米軍基地を経由しアメリカ国内へ帰国させる検討を行っている旨の報道もありますが、基本的にアメリカ国務省は現在実施している客船内の検疫隔離が最適であるとして、日本政府の方針を支持しています。
中国新型肺炎は止まるところを知りませんが、武漢封鎖措置、1月23日に実施した措置が逆に致死率の異常な上昇を招いたように危惧します。武漢市内の罹患者致死率は5.5%、中国政府が公表した数字で周辺地域と比較し異常な数値を示しており、これは疾病予防を支えるインフラ、健康インフラを封鎖が無理矢理に途絶したためと非難せねばなりません。
1000万都市封鎖、WHOのテドロス事務局長はこの施策を今後の疾病対策の手本となるとして、PHEIC発動に際し、措置を正当化しました。しかし妥当なのでしょうか、武漢市街は生活物資枯渇と電力水力下水道を残し物流が瓦解、物資不足が衛生関連資材の不足を生み、逆に市民を本来閉鎖すべき密集地域に追いやったといえまして、妥当なのでしょうか。
PHEIC発動に際するテドロス局長の中国支持に関する発言は、中国の習主席との会談に際しPHEIC発動を抑制する圧力があったと類推できうるとはいえ、人権無視、湖北省以外での武漢本籍者に対する迫害や首都北京郊外での村落物理封鎖、少々といいますか度を超して人権を疾病対策の美名とともに無視していると、非難すべき点があるかもしれません。
いわば、責任の押しつけ合いにも。武漢に200名の感染者が確認された翌日に1000万都市を予告無く封鎖した中国方式の施策、要するに200名の感染とともに999万9800名の人権を蹂躙した構図は、必要性を力説されたとしても理解が難しい。この施策をWHOが追認した構図、例えば疾病を理由に少数民族へ抑圧手的な施策に悪用される懸念があります。
特に感染していない市民への国家規模での抑圧構造を醸成したことは、妥当なのか、と。新型コロナウィルスは、しかしどの程度で感染を抑止できるかが未知数です。武漢封鎖を皮切りに武漢市内の感染者が増大した事はパニックを誘発した証左そのものですが、逆にいえば爆発的感染増大を念頭において未然に封鎖した、と反論されれば、どうでしょうか。
この命題への再反論の道程に不可欠な情報を中国政府が握っており、情報開示が行われない以上は人権無視こそ王道、という誤った認識を定着させかねません。封鎖がかえって感染者を増大させたパニックの要因となった、特に今回実施されたのは人の移動を制限することではなく、本質は予告なしの封鎖措置を突如実施し、都市にパニックを誘発しました。
発熱が若干でもあれば医療機関に殺到し、食料なども高騰、配給制度などの代替案を示さず唐突に緞帳を落としたことで、生活物資確保への混乱を誘発しました、テレワーク強化や休暇延長、できる無難な施策のほうが混乱を抑止できなかったでしょうか。中国方式を称賛するWHO、しかし大量感染を生じさせた中国からの渡航制限に難色を示している。
過度に恐れる必要はない、として致死率は3%未満、という数字が示されていますが、実のところ3%と驚異的な罹患率、感染性は脅威ではないのでしょうか。武漢市内では致死率が5%と高い水準となっている現状は、膨大な感染者に対しての医療飽和状態が背景にあると考えられますが、中国全土の平均値と比して大都市である武漢の医療水準は高いという。
過度に恐れる必要があるのは、実のところ潜伏期間の長さと発症前であっても感染する、ステルス感染というべき状況であり、低い致死率をあげられたとしても発症前の感染は高い感染率と罹患率を示しており、いわば都市や地域単位での隔離を行い、その上で感染率と致死率を総合した場合、安易に過度に恐れるなとの指摘は無理であるように考えます。
中国の政治体制、もう一つ懸念すべき点は二月に入り中国共産党指導部は発生当初の危機管理について不備を認めましたが、いわば党中央の指針に対し疑義を示すことのできない硬直した情報共有と省単位での危機管理冗長性の低さ、そして危機管理への党中央への情報共有とは別の負要素情報への党中央に対する隠蔽と忖度、ここは将来に繋がる問題です。
経済的問題、新型コロナウィルスにおいてここまで論理が飛躍することは一種の複合要素ではあるのですが、危機管理が初動で手間取る国であるとともに、基本的に情報開示を行わない、いわば2003年SARS感染爆発に際しての中国と、少なくとも情報開示の部分では同じ実状があり、これは中国へ世界の工場としてのサプライチェーンを置く事への不安が。
東南アジアや南アジアを含めたクラウド化を進める背景となる可能性があります。クラウド化はリスク分散の意義があり、しかし、中国からみた場合は逃避に他なりません。いわば、今後は世界の工場を脱皮し、知的財産権の集約拠点として製造業から技術開発へ脱皮する一つの契機として受け止められるならば僥倖ですが、逆に更に情報統制強化の懸念も。
情報統制強化という道をすすみ、同床異夢、世界の求める成果と中国が求める結果が同じ物であっても対処法が真逆となる懸念があるのですね。2003年と2020年とでは17年間で大きくなった中国、大きくなるとともに大らかとなるべき分野の未整備が、今回の疾病に伴う混乱の一要素を醸成している懸念があるでしょう。少なくとも現状懸念が具現化した。
中国といえば過度な統制国家、社会主義国が有する負の印象を地で行く国ではあるのですが、この点で社会不安の醸成や疾病一つとっても共産党への批判に繋がりかねない要素を隠蔽する施策、中国の将来を左右する懸念があります。過度な監視の時点で世界からは批判される中国ですが、世界第二の経済大国が尊敬を勝ち得るかは、今後施策如何でしょう。
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