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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

日本のシンデレラ物語、落窪物語!

2008-11-08 | 第一章「意識と知覚」

 源氏物語が千年紀ということもあり、最近話題になっている。私も今年になり、この世界最古と言われる本格的小説に興味を持ち、いろいろ勉強してきた。さて、最近たまたま源氏物語の殆ど同時期に作られた物語、落窪物語に触れる機会があった。

 そして驚いたのだが、これが継子いじめ物語であるという点である。シンデレラ物語やグリム童話の灰かぶり物語、中国やポルトガルの昔の物語にも同種の物語があり、その原型は南方熊楠や中沢新一氏の研究で、大昔に及ぶのではと言われている。

 落窪物語は、源氏物語とほぼ同年代の時代背景となっているが、物語の構造は確かにあの継子いじめ物語である。そして、シンデレラの靴とは違うが、少将の君が三日夜の儀式を行う大切な日に、雨が降る悪天候の中を裸足で馬糞を踏んだりしながら、落窪の君のところを訪ねる。この場面、どこか太古の記憶が隠されているように感じた。

 さて、継子いじめ物語は、継母に対するちょっと残酷なまでの復讐が共通している。落窪物語も日本的に優しくなっているが、それでもこれでもか、これでもかという復讐が描かれている。

 悪を行うことへの怖れを強調するかのように。

 罪悪感の基底にも、原初感情の「怖い怖くない」とう感情があるように思う。

 私たちの祖先達は、こうした話を代々伝えながら、怖れることを伝えていったのだろう。それは心理的な成長とどう関係するのだろうか。

 日本の古典を勉強すること。心理学とは無縁と思っていたが、大切なことだと最近つくづく思う。

<罪悪感2/4>

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