源氏物語が千年紀ということもあり、最近話題になっている。私も今年になり、この世界最古と言われる本格的小説に興味を持ち、いろいろ勉強してきた。さて、最近たまたま源氏物語の殆ど同時期に作られた物語、落窪物語に触れる機会があった。
そして驚いたのだが、これが継子いじめ物語であるという点である。シンデレラ物語やグリム童話の灰かぶり物語、中国やポルトガルの昔の物語にも同種の物語があり、その原型は南方熊楠や中沢新一氏の研究で、大昔に及ぶのではと言われている。
落窪物語は、源氏物語とほぼ同年代の時代背景となっているが、物語の構造は確かにあの継子いじめ物語である。そして、シンデレラの靴とは違うが、少将の君が三日夜の儀式を行う大切な日に、雨が降る悪天候の中を裸足で馬糞を踏んだりしながら、落窪の君のところを訪ねる。この場面、どこか太古の記憶が隠されているように感じた。
さて、継子いじめ物語は、継母に対するちょっと残酷なまでの復讐が共通している。落窪物語も日本的に優しくなっているが、それでもこれでもか、これでもかという復讐が描かれている。
悪を行うことへの怖れを強調するかのように。
罪悪感の基底にも、原初感情の「怖い怖くない」とう感情があるように思う。
私たちの祖先達は、こうした話を代々伝えながら、怖れることを伝えていったのだろう。それは心理的な成長とどう関係するのだろうか。
日本の古典を勉強すること。心理学とは無縁と思っていたが、大切なことだと最近つくづく思う。
<罪悪感2/4>
人気blogランキングへ <- 1クリックに感謝しています!