「男はつらいよ」、寅さん映画は、若い頃から盆暮れに映画館で観てきた。残念ながら、渥美清さんが亡くなってからは、「釣りバカ日誌」を継続して観ている。
毎年、世の中は急速に変化していても、帰るべきところといっては変だが、基本的に変わらない世界は安心できる場所のようだ。そして何よりも笑って楽しめる映画は良い。健康のためにもよいかもしれない。
さて、先日のカウンセリング勉強会の中で、寅さんとマドンナの関係について楽しく語り合った。
人間を、身体、生育史からなるこころ、そして宗教の世界と関係のある魂の3つから成り立つものと仮定してみる。
人間を因数分解するようで、恐縮ではあるが、この3つの観点から寅さん映画を味わうとどうだろうか。人間の3つの要素が織りなす微妙な機微が理解できるようでもある。
寅さんの生まれは、訳ありのようである。父と芸者の菊との間の子として、妹のさくらとも異母兄弟のようである。そんな生育史を生き抜いている寅さんの楽しい性格。あるいは、魂の領域として柴又を考えてみるのも楽しい。柴又の午前様は、なにか深い落ち着きを感じさせる。
生育史から親密な関係を避けてしまうという深層の心理についても考えさせられる。寅さんの恋愛が成就しないのはそれゆえなのだろうか。
親密さとその反対の孤独。これから4回考えてみたい。
<親密と孤独 1/4>
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