11月3日(木) 曇り 生温かな 霞がかった一日
早めの昼飯を摂りおわったところでMが戻って来た。入れ替わりに俺が出かけると言う、一家を挙げてバザーのボランティア。
毎年この時期には社会福祉協議会主催のバザーがあり、販売品の受け入れは29日から始まっていた。バザー当日は5日の一日だけだが持ち込まれた商品を並べたり値札を付けたりの作業が大凡一週間続く。
持ち込まれるものは新品同様のモノと但し書きがされているが、新品に近いとは云うもの使っていた人のイメージなので受け入れ側とはズレがでるのは仕方がないだろう。どう言う経緯で持ち込まれたのかは定かでないが、針運びが多様な手縫いの雑巾は確かに未使用のものだった。他にも石鹸など昭和の香のする物など持ち込まれるものはいろいろある。
バザーだからとイラナイモノを持ってくるのではなく、人が欲しがるもの、代金が福祉に役立つためにと云うことで持って来てくれる。大切に飾ってあったのか金襴緞子が描かれた羽子板まで登場するとは驚いた。イラナイ物か欲しい人が絶対いると信念で提供して暮れたものだろう。
俺の作業としては専ら値札付けで一つづつ値踏みしながら金額を書き込んだシールを貼っていく。俺的な価値観と世間の主婦や小さな子どもがいるお母さんの感覚とどの位違いがあるのか確認してみたい。大した作業でもないが3時間の開場を行ったり来たりキタリイッタリで作業がおわった。
作業の後はしばし、ボランティアコーディネートのことで仲間と話をしたが、確かに横の連携が難しい。明日はバザーの最後の準備さてどうなることだろう。
一日中無表情に霞の中にいた浅間の峰々、俺が家に向かう頃、僅かに空が色香を見せた。