物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

基幹物理学

2010-04-19 12:43:30 | 物理学

「基幹物理学」は物理学者の故星崎憲夫さんと町田茂さんが書いた本である。

この本で初歩の力学からかなり高級な場の量子論まで学べそうなのだが、この本の値段は1万円を越していて、ポケットマネーの少ない私は購入をまだ控えている。

この「基幹物理学」のことが先日あった大学の研究室の同窓会の2次会で話題になった。Hさんは星崎さんへの香典代わりにこの本を買ったと言って、「君も買いなさい」と勧められた。この本は星崎さんが亡くなられてから出版されたのだと思う。

原稿の大部分は星崎さんの逝去以前にすでに出来上がっていたらしい。葬儀の機会にそのことを知らされた、町田さんがその本の監修をしたのだという。

町田さんがまったく書き加えなかったのかどうかは知らないが、二人の共著の本となっている。すぐには私には買えないが、いつかは買わなければならないだろう。別に香典代わりとは思わっていないが、奇妙に気にかかる本なのである。

そういえば、最後に星崎さんに会ったのは私たちの先生の小川さんの葬儀後であった。そのときに私には星崎さんをわからなくて、どなたですかと尋ねたら、先輩のMさんから「お前が星崎さんを知らないのは失礼だ」と言われた。

そうかもしれないが、地方大学の工学部に長年勤めた私には素粒子論研究者とか核力研究者は遠い存在であった。

私と同学年のHさんが星崎さんの研究室に勤めていたから、その昔に何かの機会で少なくとも一回は星崎さんに会ったことがあるが、核力研究には短期間しか関係しなかった私にはまったくの白髪の星崎さんは私の知っていた星崎さんと同一人物とは思えなかった。

その後、雑誌「素粒子論研究」へ投稿した武谷の業績リストや著作リストの別刷等を送ったら、星崎さんから丁寧な返事をもらった。それについてはいつかまた「素粒子研究」の放談室に投稿した方がいいかなと思っていたが、それから間もなく星崎さんが亡くなるとは思ってもいなかった。

私の出たH大学はかなり長い期間この核子間に働く核力研究をやってきた、日本では数少ない研究室の一つであった。私も初期の研究はこの核力研究に関係していたが、私はその後あまりこの研究には関わらなかった。

(2011.11.21付記) 11月始めの上京のときに丸の内の丸善本店でこの物理関係の書籍の書棚の一番上に「基幹物理学」があったので、ステップを使って手に取り、少し眺めてみたが、この本が町田茂さんが序に書いておられるのとは違って、買うに値する書かどうかの判定はちらった本屋で見たくらいではできなかった。

もっと落ち着いて読んでみないとその真価は分からないのであろうか。量子力学から以降は町田さんが書き加えたようであった。もっとも私の友人のHさんがいうように香典代わりに購入すべきものかもしれない。


悪魔の飽食コンサート

2010-04-19 11:32:22 | 音楽

昨日松山市民会館で「悪魔の飽食コンサート」があった。この合唱に妻が参加していたので、聞きに行った。ただ、音楽の方はあまり感銘を与えられなかった。しかし、作家森村誠一氏と作曲家池辺晋一郎氏のトークは興味深かった。

14時に始まったこのコンサートは16時過ぎには終わったが、その後夕方だったか、夜に妻がコンサートに来てくれた知人に電話をしていた。この方も音楽はあまり感銘を受けなかったらしく、それどころか音楽だとか、その作曲をした池辺さんの発言、「悲惨なものでも芸術に高められる」とかいうに憤慨していたらしい。

それはともかくとして知人として付き合いのある、この人との意見交換ができてよかったらしい。なかなかつき合いがある人でも自分の意見を率直に言う機会は少ないものだからである。だから、そういう機会がもてただけでもこのコンサートの意味があったというのが妻の感想である。