アルコールといえば、小学生か中学生の頃の理科の実験でのアルコールランプを思い出す人はほとんどいなくて、多分お酒のことであろう。昔、フライブルクのゲーテインスティテュートで2ヶ月ドイツ語を学んでいた頃、出会った、ある学生はポリリンガルであるとうわさが高かったが、彼はアルコールはアラビア語から来ていると言っているのを聞いた。
それはともかくとして私はあまりビールが好きではない。先日のテニスクラブの花見会で一人に二缶づつのビールが用意されていた。用意してくださった方には申し訳ないのだが、一口飲んでこんなにビールってまずかったのかと思ってしまった。それでもそれを飲んだ後にもう一缶飲んだのだから、自分でも訳がわからない。
それで思い出したのだが、数学者の森毅さんも、哲学者の鶴見さんもアルコールを飲まない。特に鶴見さんはビールが一番の苦手だと聞いた。二人が朝日新聞の書評委員を勤めていたときにはホテルで二人してコーヒーを飲みながら長時間話し込んだというから、うまがあったのだろう。
それぞれ世間的にも成功した方々であるから、それぞれ一つぐらい弱点があってもどういうこともない。それにアルコールに弱かったとしても、それは個性ではあって別に悪いことではない。そういうことを思い出しながら、ビールを飲んだわけではないが、少なくとも一缶目は耐えがたかった。二缶目にはそういうことをあまり感じなかったから、舌がある程度麻痺してきていたのであろうか。
そういえば、このごろはワインはときどき飲んでも、ウィスキーを飲むことはまったくないが、若い頃にはその一杯目が辛くてたまらなかった。それが2杯、3杯と飲んでいくとアルコールの甘さを感じるようになる。これは誰でもそうであるのかそれとも私だけのことなのかは知らない。
花見に参加されたMさんはビール好きで何缶もビールをおいしそうに飲んでおられた。うらやましい限りである。