フランス語はNHKのラジオやテレビでも勉強している。1977年4月に一年のドイツ滞在から帰ってきてから、ラジオでの勉強を始めた。それまではテレビでは勉強していたが、ラジオを聞いていなかった。数年経ったときにようやく動詞の半過去の時制になじんできた。それまで現在形は慣れていたが、半過去には慣れていなかった。
私の勉強法はただ20分か15分のラジオの放送を聞くということでそれ以外の勉強はほとんどしない。だから、半過去になれるのに数年がかかったという訳である。
学生の頃に英語を専攻した友人がいたが、彼は口癖に作家の大江健三郎氏はフランス語を3ヶ月でマスターしたと言っていた。もちろん大江氏は仏文科の出身だから当然かもしれないが、それに比べるとなんと悠長なことだろうか。でも、凡人にはこんなものである。
その後、未来形に慣れるのにまた数年かかった。はじめは条件法の現在形と未来とがごっちゃになってしまうのだ。そのうちにようやく区別ができるようになるまでに20年以上かかっている。まだ身についたとはいうことができない。
接続法にいたってはおよそ30年以上初級のフランス語文法を年に2回づつ繰り返して聞いているのにまだ身につかない。生きているうちにこれが身につくかどうかはわからない。それでも接続法はある特定に言い方と関係して現れるらしいと見当がついてきた。
単純過去は主に書き言葉でしか現れないので今もってまったく見当がついていない。
フランス語で身を立てるわけでもないので、こんなに悠長でもいい訳である。私の物理の先生のOさんなどはカルタンのスピノールの本を読むのに「フランス語一週間」かなにかで一週間ほど勉強して読んだというのをよく話されていた。
それもはじめはそれがフランス語であることを知らなくてなんだか読めないなと思ったとか。それで友人に聞いたら、それはフランス語であると知ってフランス語を促成で勉強して読んだという。それに比べると私のフランス語など使い物にならない。