ねがはくは花のしたに<wbr></wbr>て春死なんそのきさら<wbr></wbr>ぎの望月の頃
如月とは睦月、如月、弥生というから2月のことであるが、この如月は旧暦のことであるから、現在の暦では3月下旬から4月上旬のことだという。この短歌が有名なのはやはり桜が日本人に愛されるからであろうか。私には西行はこの短歌でなくて、
心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ
の作者として記憶に残っている歌人であった。多分冒頭の短歌は精神病理学者の島崎敏樹さんの岩波新書に書かれた書で知った短歌だと思う。
これは島崎さんの奥様が花の鉢植えを動かしながら、花のところにいたかまきりか何かをそっとつまんで庭に放してやりながらだったかに「花のしたにて春死なん」とかつぶやいていたというのが島崎さんの本にあったと思う。もっともこれは記憶が確かではないので、私の勝手につくりあげたイメージかもしれない。
望月というのはなんだろうと思ってさっき広辞苑を引いて見たら、太陰暦の満月のことだとあった。今日仕事場に来る途中の車の中で望月とは何だろうなと思っていた。