物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

二項定理の導出法

2010-05-04 16:06:04 | 数学

「二項定理の導出法」をいろいろ考えている。いつも私が書いている数学エッセイの一環である。

昨日エッセイを書き上げて自宅に帰って、文章を見直したら、数箇所の修正をしたいところが見つかった。それだけではなく、1乗、2乗、3乗、4乗等の展開式から、n乗のときの一般の係数を導けないかと思い出した。

そう思い出したので、ホグベンの「百万人の数学」上下(筑摩書房)や「カジョリ初等数学史」を取り出してきてヒントがないかと調べたが、どうもヒントはでていない。それで、遠山啓の「数学の広場」のシリーズの「覆面の数学II」を取り出して読んで見た。

彼はやはり工夫をして説明をしており、その説明は懇切丁寧だが、それでも私の直接の疑問に答えるものではなかった。それでもうやりようがないのかと思って、W. W. ソーヤーの「代数の発見II」(ブルバックス)を取り出して見たら、どうもこれに答えがありそうである。

この本は昨年だかにネットの古本で買ってもっていたのだが、さすがはソーヤーである。

これはたとえばx^{2}の係数が(1+x)^{0}, (1+x)^{1}, (1+x)^{2}, (1+x)^{3}, (1+x)^{4},・・・でどう変わっていくかを調べて、一般の場合の(1+x)^{n}のx^{2}の係数を求めるという。同様にしてx^{3}の係数等も求められそうである。

今日で二項定理のエッセイはもう出来上がりかと思っていたが、ソーヤーの本の該当箇所を読んでエッセイに付け加える必要ができた。

はじめの予想ではこの一番ナイーブな考えでは一般の二項定理の係数がうまく求められないと書かなくてはならないかなと思っていたが、そうではないらしいことがわかってようやくほっとしている。

(2012.6.13付記) 二項定理の導出法としては、2つの数学エッセイを私の発行しているミニサーキュラー「数学・物理通信」にすでに発表しているので、関心のある方はそれを読んでほしい。

「数学・物理通信」のバックナンバーはインターネットで検索すれば、名古屋大学の谷村さんのサイトにリンクされてある。