松山地方では祭りの季節である。子どもたちが法被を着て神輿を担いで歩いている。このごろは平和な時代であるので、子どもにいい思い出をという親心であろうか。子ども会の世話役の親御さんが二人三人とついて歩いている。
いま太鼓の音が下の方から聞こえている。「どん、どん、どん・・・」それに「たん、たん・・・」とか音が混ざっている。多分神輿もでているのだろう。
私の出身地である I 市では最近は商店街が商売の振興を意図してつくった秋祭りもあるが、基本的には春祭りであり、それは5月10日ころであった。
このころは来島海峡辺りの海で取れた鯛とかの刺身が祭りの食卓に出るのが慣例であった。来島海峡の速い潮流にもまれた鯛は身が引き締まっているが、私はこの鯛の刺身があまり好きではなかった。それはいまでも変らない。知り合いの物理学者のHさんなどからは「なんとぜいたくなことをいうか」と叱られたことがあるが、仕方がない。
これも瀬戸内海に面したH市でなんだったか忘れたが、大学卒業後だったと思うが、物理屋の小さな集まりがあって、Sさんがその席上でお前たちは「こんな美味なものをいつも食べているのか」と東京からたまたやってきた物理屋に非難がましく、うらやましがられてとかもらしていた。
もちろん、地元の人でもそういう、うまいものを毎日食べている訳ではないが、それでもその気になればいつでも食べることができるというのはやっかまれても仕方がないのかもしれない。
今朝仕事場にやってきたときに見たら、駐車場のところに子ども神輿が来たときに子どもたちに渡す飲物やお菓子とか食物とかが準備してあった。子ども神輿が来たときに、ふるまうのであろう。
道後では神輿同士の鉢合わせが今日か明日にでもあるようだが、道後温泉までここから電車で10分とはかからないのに一度も見にいったことはない。いつもテレビのニュースで見るだけである。
5月5日の子どもの日に行われる、南予の内子町五十崎の凧合戦なんかもいつもテレビでしか見たことがなかったが、こちらの方は数年前に五十崎町の方から招待を受けてテレビではなく、現場で見る機会があった。そのうちに道後の神輿の鉢合わせも現場で見る機会があるかもしれない。