以下に書くことはもうすでに書いたことがあるかもしれないが、自分でも忘れるくらいであればまた書いてもいいであろう。
外国語と言ってもいまの場合にはドイツ語のことだが、Das ist mein Bierといえば、「これは私のビールだ」と訳してしまいそうだが、これは傍から何か言われて「お節介だ」という意味である。
先日のドイツ語のクラスでKさんがこの表現を使っていて、感心をしてしまった。私は知識としてはそういうことを知っていても自分で使うということは思いもよらない。
やはり、この日のクラスで出てきた用例だった思うが、例えばein alter Mannとein alterer Mannという表現が出た。altは英語で言うとoldであるから、ein alter Mannは老人ということになる。
alterはaltの比較級だから、ein alterer Mannは「老人よりももっと年をとった人」かと思いきやこの場合は「中年の男」という意味だという。文法用語では絶対比較級とかいうらしい。
(因みにalterの後ろの-erは形容詞の語尾変化である。このことを知らなかったころドイツ語はどうなっているんだろうと思ったものである)。
この絶対比較級のことを始めて知ったのは東京都立大学のドイツ語の先生だった中島ゆうじ(名前の漢字は失念した)先生のNHKの中級講座だった。もっとも彼の採用したテクストのドイツ語の訳文はこのようには訳されていなかったから訳文は中島先生が訳をしたのではないということがすぐわかった。
「ドイツ語はすばらしい言語だが、形容詞まで語尾変化があってわずらわしい」と小塩 節先生が昔のテレビ講座で話しておられたが、これは小塩先生の実感なのか、それとも視聴者の気持を慮っての発言であるだろう。多分後者であると思う。
もっともこのころはドイツ語の教え方も発達していて、あまり難しくは教えないで徐々にこの形容詞の語尾変化に慣れていくという方針で教えられているし、それに語尾がわからなければ-eか-enをつければ大抵あっているのである。
もちろん、いわゆる強変化語尾で、-erとか-esがつくこともあるが、大抵は-eか-enですむ。