ダイソーという百円ショップで妻が「漢字クイズ」の小冊子を買って帰ったとは先日このブログで書いた。その内容に関して感じたことと私の推測をここで述べる。楽しんで頂けたらよいのだが。
昨日クイズの中にどうも「法音」という語が入りそうなのだが、三省堂の新明解国語辞典を調べてもこの語は載ってなかった。それでもう一つそれが正しい答えかどうかわからなかったのだが、妻がとうとう根負けして解答をみたら、やはり「法音」が正しい答えだとわかった。ただ、法音などという語は私も70年以上生きてきて、使ったことも聞いたこともなかった。
妻は新明解には載っていないので、そんな言葉はないのではないかというから、「そうではないだろう」、辞書にはスペースの限界があるから、載っていないだけで他の辞書を見ればのっているのではないかと私は言った。
言ったことの責任をとるために広辞苑を引いてみると確かに法音は載っていた。ちなみに法音とは「説法または読経の声」だという。なかなか言葉を知っている人でないとこういう語は知らないと思う。
今朝も妻が一つ漢字クイズをやっていて、完成しなかったらしくこれはできるかと尋ねてきた。その中に「空談」というのがあった。しかし、空談という語は知らない。また「空集合なんて語があるかね」とも言われたが、こちらの方は知っていた。
「空集合」は数学用語で集合のメンバーが何もないのをいう。集合のメンバーが何もないときにもそれを集合の中に入れるなどとは数学者が考えそうなことである。
そういう漢字クイズに出された語を見ていると、このクイズの作者はなかなかの学のある方々であることがわかる。それで、私はこういう想像をした。
百円ショップの商品に漢字クイズを入れたいと思ったダイソーの社員がどこかの大学のある国語学の権威の先生のところを訪れて漢字クイズの作成をお願いした。先生は快く引き受けて自分が指導をしている大学院学生のアルバイトとしてその課題を与えた。
この想像が当たっているかどうかは本当のところはわからないが、なかなか知的な設問というか漢字がこのクイズに出てくる。私の推測は当たらずとも遠からずではなかろうか。
なお、ちなみに広辞苑によれば、空談とは「無駄話とか実現の可能性のない話」をいうとあった。一つここで賢くなったわけだが、今私たちがもっている漢字クイズは段階3で一番やさしい部類だそうである。もっと難しい漢字クイズになったら、もうお手上げであろう。