数学「超」勉強法、そういうものがあったら知りたい。
これは数学があまり得意ではない私のような者の不届きな考えであろう。それを野口悠紀雄さんが『「超」勉強法』(講談社、1995)で書いている。
数学を神聖なものと思っている方には、不届きな考えとは思うが、世の大多数の方は私と同じような考えと思うので、ここに書いておこう。
まず、どの数学の先生も強調される、「基礎が重要だ。基礎から順に理解しつつ先に進む。わからなくなったら基礎にもどる」という考えがそもそも問題だという。これが数学を必要としている多くの人を数学から遠ざけると言う。
上に述べたモットーは普遍的なものであってうそではないが、それがもし数学を気嫌いする傾向を助長しているとすれば、私のような気の弱い者にはこのモットーの否定は勇気づけられる。
山の頂上に到達することが目的ならば、別に登山電車でも、ケーブルカーでもロープウエイでもいい。はたまたヘリコプターでもいいではないか。これが野口さんの主張である。
特に数学の成果を使う立場にあれば、その観点はうなづける。
これは数学者が数学の研究をするのとは同じである必要はない。そのために百科事典を使えという。途中の過程を省略してもよい。
上のような途中を省略した勉強法をパラシュート勉強法と呼んでいる。
このパラシュート勉強法がなぜよいか。いくつかの理由が考えられる。
1.基礎は退屈である
2.基礎は難しい
3.厳密さを気にするな
4.進んだ段階からみれば、それまでのところがよくわかる
大学受験数学に関しては3つのことをアドバイスしている。
1.受験数学は暗記である
2.計算力をつける
3.公式は導き方を覚える
ビジネスマンの数学に関してはつぎの4つを述べている。
1.数学アレルギーになるな
2.統計的な考え方が重要である
3.パソコンは恐くない
4.パソコンを用いたデータ処理が重要である
詳しいことを知りたい人は『「超」勉強法』(講談社)を古本屋ででも買って読んでほしい。ブックオフならこの本を100円前後で売っている。