大学院生の頃だったかN教授のところへ、石原明先生だったか統計力学の専門の先生が来られて、そのときに簡単なBoltzmann 因子の導き方についてのそれほど長くはない話を聞いた気がする。
しかし、その頃Boltzmann因子などにまったく関心がなかったので、まったくどのような話だったかは覚えていない。ノートをとっておくべきだったかと今ごろになって思っているが、もう遅すぎる。
その後、Feynmanの講義録でBoltzmann因子とかBoltzmann分布に感心した覚えがある。そしてそのFeynmanの知見を私の講義のネタの一つにしていたとはこのブログで書いたことがある。
昨日、インターネットで検索してみたら、日本語のサイトではBoltzmann因子という項目では検索にはかからなかったが、Boltzmann分布ではかなりの数のサイトがあった。だが、英語ではさすがにBoltzmann Factorという語が検索にかかった。
私はこのfactorとか因子という語とか概念が大切であるという気がしている。普通にBoltzmann分布となるには正規化の定数が必要になるが、これは後から計算で決めてやればよい。大切なのはこのBoltzmann因子である。
もちろん、この正規化定数を決めるためには積分するとか和をとることが必要であるが、それはある数学的な手続き(*)をとれば、比較的簡単に決められるというようなことをエッセイに書こうと思っている。
(*) 被積分関数中に現れるパラメーターで微分して積分値を求める方法
定年退職の前の数年、熱力学を教えることになって、それを担当したが、そのときに「Boltzmann因子が大事なのだよ」と講義した。そのことをノートに書いてあるので、それをエッセイを書いておこうとしているが、そのためにはまたFeynmanの講義録を読み返したい。
だが、その気持ちがそのうちにその気が失せてしまうかもしれない。