パスカルとデカルトなどと題すると、とても哲学的な談義のようだが、そうではない。単に個人的な先入観をここで披露するだけである。
私はデカルトが先入観として好きである。それに反してあまりパスカルを好きではない。パスカルは直観派の天才なのであろうが、どうもそういう頭のいい人は自分とはまったく違う人種として尊敬する気になれない。
パスカルは平面上の三角形の内角の和が180度になると3歳(?)のときに大人の人から聞いてそれを独自に証明できたとか言われている。それも幾何学がどういうものかということを聞いただけだというのに。
また、16歳のときには円錐曲線論(現代的にいうと2次曲線論であろう)とかの数学の本を出したともいう。私がパスカルの名を知ったのは中学校の理科でのパスカルの原理が最初であったと思う。また現在では圧力の単位としてのパスカルは日常用語としてテレビの天気予報によく出てて来る。
今日、朝日新聞に「パンセを読む」という話題が載っていて、その中の有名な箴言「クレオパトラの鼻。それがもっと短かったら、大地の全表面は変っていただろう」というのが出ていた。
これは原文はLe nez de Cl'eopatre: s'il eut ’et’e plus court, toute la face de la terre aurait chang'e.(ル ネ デュ クレオぺートル: シィル ュ エテ プリュ クール,トュト ラ ファス デュ ラ テール オレー シャンジェ. フランス語の音をカタカナで無理矢理表記したからおかしいのは許してほしい)
だと新聞のイラストにあった。
フランス語を解さない方でも英語のわかる人にはわかる言葉がある。terreとかfaceとかchangerとか。ちなみにフランス語に特有のアクサンはここではほとんど再現できていない。
デカルトの方は解析幾何学という座標を使った幾何学の創始者として知られており、光の屈折による虹の研究をしたとか言われているが、あまり物理の方での業績ははかばかしくはないような気がする。
しかし、どうも科学をするときの方法を考えたりしたという点で私の好みにあっている。二人とも虚弱体質であったが、パスカルの方が若くして亡くなった。それに比べていうとデカルトは50数歳まで生きたというから今から考えるととても若いが、当時としては結構な年まで生きたことになる。
好きな朝寝が晩年はできなくなって、肺炎を起こして亡くなったという。70歳をすぎても朝寝を楽しんでいる私などと比べたら、気の毒であった。