今朝新聞を見たら、三谷幸喜さんが閉所恐怖症であることをカミングアウトされていた。かく申す私も同病である。
先日の夜もMRIの検査を受けたことがないのに、そのことを考えただけで閉所恐怖症に襲われた。これではたまらんと思って隣で寝ていた妻を起こして気を紛らわす話をしようかと思ったが、そのうちにその恐怖はおさまっていつか眠りについた。
この閉所恐怖症は私に小さいときからあったようだが、それが顕著に現れたのはMRIではないが、やはり脳のCTスキャンで5分ぐらい動けないという検査を受けたときである。
このときは仕方がないから、5分間ほど眼をつぶってひたすら300ほど数を数えて5分が過ぎるのを待った。検査のために顔の上の5センチくらいのところにシンチレーションカウンターのボードが置かれたときであった。
この経験をかかりつけの医師に話したら、彼はMRIならお棺にはいるようですよと言われた。この医師は兄の中学校、高校時代の友人であるので、私を脅かすつもりでいったわけではない。だが、それ以来どうしてもMRIの検査を受けるのならば、鎮静剤が必要だと思っている。
飛行機の座席でも以前は窓際に座って窓の外を眺めるのを楽しみにしていたのが、これにこのごろは耐えられなくなりいまでは通路側に座ることにしている。閉所恐怖症もここまでくると笑えない。
閉所恐怖症ではないが、高所恐怖症というのもあり、こちらはヒッチコックの映画の「めまい」の大きなテーマがこの高所恐怖症であった。高所恐怖症の男、ジェームス・スチュアート扮する主人公をキム・ノバック扮する女性がそれをタネにして、たくらみに誘い込むという筋であったと思う。
教会の高い塔の上に駆け上がり、キム・ノバック扮する女性がそこから身を投げて自殺をする。しかし、実は塔から身を投げた(むしろ突き落とされたというべきか)のは別の女性であった。筋はもう忘れてしまったが、そこの部分だけは覚えているから不思議である。もちろん、そのたくらみはジェームス・スチュアートによって暴かれて行くのだが。
めまいをvertigeとかすかに覚えていたので、いま英和辞典を引いてみたら、vertigoとあった。vertiginesはこのvertigoの複数であった。ちなみによく似ている語でまったく違った語にVirgo(おとめ座)がある。こちらは友人の物理学者Y君が私に教えてくれた語である。