今日の朝日新聞の書評に「魚は痛みを感じるか」という題の本のことを福岡伸一さんが書評で取り上げていた。そういう発想をする研究者がいるということがおもしろいと思う。なんでも研究対象にできるのならば、したらいいと思う。
それでその答えを知りたいのが一般の人の人情というものであろう。研究結果は「魚は痛みを感じている」というのである。それが本当かどうかはその研究者のいうところを私には信じるしかないが。
そういえば、武谷三男の書いたものに、人間よりも知性とかの優れた能力をもった地球外生物等が地球にやって来て人間を家畜として食用するということになるとどうするかというような話がある。
これは本当は地球外生命の問題というよりは人間と人間以外の動物とを峻別してあるものを家畜として飼い、あるいは食用にしている人間のある種のエゴイズムをすごく抉った論理である。また人間自身はそういった動物をもたんぱく質として摂取することによってしか生きられないという現実を直視させる話である。
そういう動物や植物に食べることによってしか人間は生きられないから、仏教ではそのことに感謝をこめて食事をするという。
こういう私たちが生きて行くための現実を変えることはできないが、その現実をときどきは疑ってみて、反省をして見るのは悪いことではない。いや、それが一種の悟りなのであろうか。なんでも徹底した思考がほしい。