Wann kommt die Maschine aus Tokyo an ?(いつ東京からの飛行機は着きますか)という意味のドイツ語である。
wannは英語で言うなら、whenである。kommtは英語のcomeにあたる語の3人称単数の場合の定動詞である。定動詞というのは主語に応じて変化した形ということである。主語に応じて変化する前の形は不定詞または不定形という。
もっともここではkommtは単独ではなく、ankommenという形の分離動詞(trennbar Verb)と言われるものであり、「到着する」を意味する。この場合のankommenはanのところに強調のアクセントがあり、その前綴りが分離して文末に残る(注)。
aus Tokyoは東京からという意味である。英語ならfrom Tokyoとでもなろうか。
ところで残りはdie Maschineであるが、これは飛行機を意味する。もっとも飛行機というドイツ語は普通das Flugzeugという語がある。だが、ここではdie Maschineという語が使われている。
普通英語を知っている人なら、die Maschineは機械のことではないのかと思うであろう。その通りである。だが、こういう使い方もするのである。
こういう飛行機の意味があるとようやく知ったのはもう数十年も前のことではあるが、偶然のことであった。そのいきさつをわすれてしまったが、多分十分にドイツ語が話せないと自分で思ったためだろうか、そのころ滞在していた大学の秘書のお嬢さんに頼んで飛行機の発着の時間か何かを空港に聞いてもらったことがあった。
そのときにそのHolly嬢が言ったのが、上のような表現であった。そのときはじめてdie Maschineという語を飛行機の意味に使うということを知ったのであった。
先週のドイツ語のクラスでK夫人がR氏にバイクの数え方を質問していた。その答えがたとえば、Ich habe eine Suzukiといった答え方をするという話であった。K夫人の疑問はバイクはdas Motorradと中性名詞だから、なぜIch habe ein Kawasakiではなく、eine Kawasakiなのかという疑問であった。
R氏はこのときバイクはdie Maschineとドイツ人の頭のどこかに捉えられているからだろうということだった。それに反して車の場合はIch habe einen MercedesとかIch habe einen Toyotaという風にいうとのことであった。
これは車はder Wagenと男性名詞として捉えられているからだろうということであった。ちなみに車として外来語系の言葉としてAutoもあるが、こちらはdas Autoで中性名詞である。
ちなみに祇園祭りのときとかのお祭りのときに出る山車とかもWagenという。
(注) die Maschine ankommenが不定詞である。ankommenは主語のdie Maschineに応じてankommtと変化するが、主語がdie Maschine であるから、そのすぐ後ろにdie Mascihe kommtとなり、anは文末に残る。die Maschine が主語となっているから、die Maschine kommt aus Tokyo anという文ができる。
いまは疑問詞を用いた文章なので、Wannという疑問詞が文の先頭に来て、その後ろに定動詞の変化する部分が来る。そうするとWann (kommt) die Maschine aus Tokyo (an) ?という文章ができる。いま(kommt)と(an)と( )で囲んだのはこの二つのかっこでドイツ語の特徴である、枠構造が構成されていることを示すためでそれ以外に意味はない。