物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

カフカは精神病だったか?

2014-07-21 11:20:30 | 健康・病気

7月19日にカフカについての講演は多くの一般の人の関心を引いたらしく、愛媛日独協会の会員以外と思われる方々が話を聞きに来られていた。

Y先生の講演の後で質問がたくさん出た。最後に極め付きの質問は結局カフカは精神病であり、そのためにいい文学作品を残したのではないかという質問があった。

Y先生がそれにどう答えたかは覚えていないのだが、私の結論は精神病的な感覚があり、それをモチーフにして優れた小説を書かれたのだが、私は「カフカが常態的な精神病者ではなかった」と思っている。

総会の後の懇親会の席上でそういうことでしょうねと話したら、居合わせた皆さんも同意見であった。

もちろん、もし私なら、たとえ気が狂ってもそれでいい文学作品を残せるのなら、それでいいと思うが、たぶん本当に気が狂えば、いい文学作品は残せないであろう。

詩人のヘルダーリンだったかも晩年には精神を病んで塔内に閉じ込められて暮らしたとかいい、チュービンゲンの市中を流れる河の側のヘルダーリンが晩年暮らしたその塔はヘルダーリン塔といわれている。1997年に機会があってチュービンゲンを訪れたときにここへ寄ってみたことがある。

通りがかりの若い女子学生さんだったかに尋ねたら場所はすぐに分かった。

しかし、いずれにしても、いい詩を作品として残したころはまだ精神を病んではいなかったと思う。

ゴッホの場合は統合失調症だといわれているらしい。それはしかし、絵画は文学と違って表現方式が異なるので、わからない。

もっともゴッホのスケッチを若いときに京都で見たことがあるが、大雑把なゴッホという私のそれまで持っていたゴッホのイメージはそのスケッチの詳細さ、丹念さから改めなければならないと思った。