物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

新井紀子さん

2014-07-30 12:38:09 | 数学

新井紀子さんは数学者で、国立情報学研究所の教授である。

コンピューターが東京大学の入試問題を解いて、入学資格を得ることができるかという大きなプロジェクトの代表責任者である。ということが先日の朝日新聞の土曜版に出ていた。

私がおもしろく思ったのはコンピュータが数学の問題を解く能力がないのではなく、出題された日本文を正しく理解するというところにむしろネックがあるという記述であった。

最近は数式処理で面倒な計算もたちどころにコンピュータでできる。ところが入試問題で出てきた文章を正しく理解してそれで問題を解くように仕向けるというところにむしろ問題点が残っているというところがおもしろいと感じた。

新井紀子さんについては、このブログでもとりあげたことがあると思うが、それは『7歳からの微分積分』(ブルーバックス)講談社の訳者としてである。

いまこの書を見ようと書棚を探したのだが、どこかに紛れ込んですぐには見つけられなかった。

計算嫌いのかつての高校生が数学者になるなどというのはちょっと信じられないが、彼女の場合はそれが本当のことである。

私も計算間違いがいつも多くて、計算のない数学があったらいいのにと思ったものだが、私はそのうちに計算もそこそこにはするようになった。しかし、本質的に計算が下手であることは自覚している。

新井さんはコンピュータがどこまでできるかの限界を知るために東大入試問題を解かせるプロジェクトをしているという。

コンピュータの不得意な分野を人間がするべきであり、コンピュータの得意なことを人間ができても将来はコンピュータに職を奪われるのがオチだというのが、新井紀子さんの主張である。


たぬき

2014-07-30 11:31:06 | 日記・エッセイ・コラム

先日、何のテレビ放送か覚えていないが、マレーシアかシンガポールの動物園と日本の動物園が動物の交換をして、日本では珍しいある種の河馬か何かの珍獣を手に入れたという。

そのときに交換された動物は日本ではさほど珍しくはない狸であった。その国では狸を初めて見たとインタビューで動物園の訪問者が言っていた。

日本ではお腹の丸い狸の像は幸福を呼び込むという言い伝えがある。そういう説明が訪問者にもされていた。

そういう狸像で思い出したのは私の郷里、今治市の銘菓、「他抜きモナカ」である。お腹の丸いところに餡がいっぱい詰まったモナカである。

もう40年以上も前のことである。当時人気俳優の森繁久彌がつぶやいたというCMは「だまされて食うてみぃ」であった。これは日本では狸が人間をたぶらかすという伝説にもとづいたCMのキャッチフレーズである。

今治のちょっと年配の人なら知っている本町と広小路の角に権太という菓子舗があって、「他抜きモナカ」はそこの銘菓であった。いまでもそこに菓子舗があるのかどうか私は知らない。

その後この菓子舗は松山にも進出して、また銘菓ポエム(母恵夢)を売り出して、いまではポエムは東京のデパートでも売られているほど有名な松山銘菓ということで知られている。

そしていつしか菓子舗「権太」はポエムという名に変えたのではないかと思われる。

いまはないようだが、松山市の勝山通(電車通り)にmon poemeという名前のポエムのお店があった。

20年以上昔のことであるが、その当時勤めておられた、E大学のあるフランス語の先生がmon poemeはまちがいでma poemeとすべきであろうという文章をどこかに書かれていた。

ところがいま仏和辞書を調べてみると、poemeは男性名詞であるから、mon poemeで間違いがないように思われる。

いくら日本人でもフランス語の先生がpoemeの性を間違えるとは思えないので、これはどういう私の記憶違いでもあろうか。謎である。