年を取ると退屈するか。
幸いなことにそういう退屈とかを知らないでここ数十年を生きている。幸せなことだ。これは結局どこか体が痛いことがないとか調子がわるいこととかがないことに大きな理由があろうか。
すなわち、一人でしたいことをしている退職後の生活なのである。ドイツ語のクラスで先生のR氏から大学にいたときのほうが楽しかったのではないかと聞かれたことがあったが、私は断じてちがう。今の方が楽しいと答えた。
これは人によってちがうだろう。人を支配するのが好きなタイプの人には退職後はつまらない人生かもしらないが、自分でつつましく自分の関心事を調べてきた者には絶対いまのほうが楽しい。
だから、時間が足らないとかいう感じはないでもないが、それはやりたいことを生きているうちにやることがすべてできるだろうかという予想との関係だけであって、人生としてはどこかで終わっても不思議ではない。