私の気持(意欲と言ってもいいかもしれない)の持続は数か月のことも、または数日のこともある。
ベクトル解析のことを調べていた時期もあった。それでいくつかのベクトル解析のテクストを購入したり、図書館で借りてコピーをとったりして、自分で納得できるベクトル解析のテクストを書いてみたいという気持を数か月持ち続けたが、なかなか自分では納得に至らず、この計画は実現にはいまも程遠い。
いや、ベクトル解析のテクストなど日本語で書かれたものでも掃いて捨てるほどある。それらも全部を読んだわけではなく、ちらっと見ただけだが、やはり私の納得できたと感じたものはない。納得に近いものは一つ二つはあったかもしれないが、それがどれだったかも覚えていない。
志賀浩二先生の『ベクトル解析』(朝倉書店)をかなりベクトル解析に関心をもちはじめた、初期に読んだ覚えがある。そして、そのときにはあまり納得しなかった気がするが、今もう一度読んだら、もっとなっとくできるかも知れない。
というのは私の現在の見解は、ベクトル解析のテクストは微分形式で展開するのが一番すっきりするのではなかろうかという、気持がしているからである。こう思い始めたのは最近になって、金子晃さんの『関数論講義』(サイエンス社)の一部を拾い読みしたからである。
ベクトル解析のテクストについては、いくつかの構想をもってはいるが、十分にそれを展開することができるようには、まだなっていない。