本への書き込みを最近するようになった。どの本にでも書き込みをしているわけではもちろんないが、数学の本を読んで書き込みをすることが多いような気がする。
その本を読んでいるうちに、どうしても好奇心が抑えられなくなって、本の余白にちょっとした計算をしてみたりとか、またはその書かれたことに触発された考えとかを書き込んだりする。
はじめはインターネットからプリントしたレポートを読んで書き込みをしたり、計算を書いたりしていたのだが、それが普通の本の場合にもするようになったのかもしれない。
要するに著者とはちがった感覚をもったりしたときとか、その記述に関して自分の関心が広がる方向を書き留めたかったり、ということだ。
これにはこすって消せるボールペンである、フリクションボールの一般化に負うところが多い。もっともシャープペンシルで高木貞治『解析概論』(岩波書店)の無限級数の章にかなりたくさんの書き込みをしているという前科はある。
(2022.1.10付記) 本の書き込みで思い出したのだが、在野の思想家で小児科の医師であった松田道雄さんが、自分はどこかの研究機関に属しているわけではないから、自前で本を買うのでその費用が大変だが、その分自分の本への書き込みが自由にできていいとかいうような趣旨のエッセイを書かれていたと記憶する。
私も松田さんの思想に啓発された一人である。もっとも啓発されたのは松田さんだけにではなく、その後には作家の小田実さんとか、いろいろな人の影響を受けていることは当然であるけれども。