物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『無限と連続』(岩波新書)

2022-04-22 12:40:35 | 数学
遠山啓『無限と連続』(岩波新書)という本がある。初版は1952年である。

なかなか難しい本であり、実は私も1回しか読み通したことがない。それも大学生だったころで、確か2年から3年になる春休みにインフルエンザにかかり、2週間ほど下宿の部屋で臥せっていたときに、暇にあかせて読んだ。これくらい長期間病床に臥せっていると、背中が痛くて困った。

読んだことは確かであるが、その内容がよく分かったとは思えない。どうしてこの書のことを思い起こしたかといえば、分離量から連続量への飛躍について書いてあったのではないかと思ったからである。

第1章がそれにあたる記述がある箇所かと思うが、今ちらっと見ただけではその辺があまり定かではない。

私の記憶でも無限を数えるという操作の印象は残っているが、連続数の存在の印象はあまり残っていない。

同じ無限でも可算(可付番)無限の話は頭に残っている。無限でも連続無限というものもあるということは知っているが、あまり頭には残っていない。
連続無限は可算無限よりは濃度が濃いいことはわかっているが、その数を数えることはできない(注)。

この辺をうまく書いた書はあるのだろうか。こういう分野を開いたカントールの悲劇的な生涯とも重なってくるのだが。

(注)無限には、分数の数のような「可算無限」であるものと、実数全体のような「連続無限」と言われるものがある。