物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

(E, H) 対応か、(E, B) 対応か

2022-04-29 14:59:21 | 物理学
(E, H) 対応か、(E, B) 対応かの論争は決着がついていて(E, B) 対応がいい。

要するに、磁性のオリジンをどう考えるかであるが、昔は磁極というものがあると考えていたが、そういう磁石の基になる磁極というものがあるのではなく、微小なサイズの閉じた電流が磁石の基になっているという考えが一般的になってきた。

そういうと磁石というのが現にあるではないかといわれるだろうが、それらも微小な閉電流が磁石の基になっているという風に現在では考えられている。

私たちが電極と磁極との対応をつけて電磁気学を学んでいたころからすでに微小閉電流が少し遠くから見れば、磁気双極子とみなされるということはわかっていたが、それがもう一歩踏み込んで、磁気双極子はすべて磁荷とかではなくて、むしろ微小閉電流が起源であると考えるのが一般的である。

それで、(E, H) 対応ではなくて、(E, B) 対応の電磁気学が教えられるようになった。だから、古いテキストはあまり読まれなくなっている。

私が学生のころにもマグネティック・モノポール(磁気単極子)を実験的に探すという研究を行っていた方もおられたが、結局は実験的にモノポールはみつからなかった。将来的にはどうかわからないが、たぶんモノポールを必要とはしないであろうから、いまの電磁気学(E, B) 対応が一般的に認められている。

私の友人に磁性の専門家がいるが、彼がどのように考えているか、いつか聞いてみたい。

少なくともdiv B=0は電磁気学の基本方程式である、Maxwell方程式の中にあるので、磁極はダイポール(双極子)としてしか存在しないことはわかっていた。

磁気モノポールは磁石を2つに切ると、その小さくなった磁石の両端にN極とS極が生じる。それをまた2つにより小さくしても、やはりその両端にN極とS極が生じるということでN極だけの物質とか、S極だけの物質は現れない。

もしN極だけの物質とか、S極だけの物質があれば、それを磁気モノポールというのだが、少なくとも実験的にはそういうものは見つかっていない。

これは電気の源である、荷電粒子があるのと対照的である。電気にはプラスの電荷をもった粒子とかマイナスの電荷をもった粒子が存在するのに磁性の方にはそういうものがない。
 
だから、電気と磁気とは似た側面もあるが、やはりちがっているものだと認識がある。だが、電流が流れるとその周りの空間が磁場をもったり、磁場が変化すると起電力が生じて、電流が流れたりするので、関連があるのは確かである。

そして磁場の変化によって電流をつくるのが発電機の仕組みでもある。

ともかくも電気の現象と磁気の現象の間に関連性がみとめられてそれがMaxwell方程式にまとめ上げられた。

その後の大きな発展は現在使われているような電波の利用である。テレビとかラジオやさらに衛星中継の電話だとか、携帯電話とかスマホの利用はすべて電磁気学にその起源がある。







昨夜は眠れなかった

2022-04-29 10:12:29 | 本と雑誌
昨夜は眠れなかった。だいたいこの年齢になっても不眠ということをあまり経験しない私だが、昨夜は眠れなかった。

12時半くらいには床に就いたのだが、眠れないので起き出して、三角関数の加法定理を一般の角について証明してあるかどうかを、私のもっている三角法のほぼすべての書籍を見てみた。

答えしようとしている本が多いが、やはり論理が完全ではない書籍がおおいと感じた。

知人の I さんから彼が加法定理の一般角での証明に努力した証のあるレポートを最近送ってもらったので、それの検討もしなくてはいけない。

そのうちに私が十分に納得できる加法定理の一般角での証明のレポートを書くことができるだろうと思っているが、まだイメージは十分でき上がっていない。

それで余分のこととして、前から考えていた、還元公式について三角関数のグラフからどう考えるのかを考えてみた。そして、それについて自分での納得できる考えにたどり着いた。

以前に、「三角関数の還元公式1,2」はレポートしたが、3がようやく書けそうになってきた。もっともいまは「一般二項定理の発見」のレポートの入力で忙しい。

「還元公式」についていえば、\sin (n\pi +x), \cos (n\pi +x)でnが整数ならば、\sin (n\pi +x)は符号を除いて\sin xとなり、\cos (n\pi +x)も符号を除いて\sin x
となる。あとは(n\pi +x)が第何象限の角かを知れば、その角のsin とかcos とかの角がわかるので、符号が決まる。これでこの場合は符号も込めて決定できる。

sin 関数とcos 関数の偏角がn(\pi /2)+x, n=奇数の場合はsinはcosxにcosはになるsin xになる。符号はそれぞれのn(\pi /2)+xがどの象限にあるかで、その象限の符号をつければよい。

know-howとしてはこれだけ知っていれば、十分なのだが、因果なことにそういうknow-howだけでは満足できないという性癖をもっている。