物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

獲得形質の遺伝

2019-08-08 10:56:19 | 科学・技術

「獲得形質の遺伝」があるなどという遺伝学を学んだことのある人はもう相当のお年にちがいない。

私が高校1年で生物学を教わったのは1955年であり、まだそのころはメンデルの遺伝学とルイセンコの遺伝学とはどちらが正しいかの決着がついてはいなかった。そのあと数年でメンデルの遺伝学に軍配があがった(注)。

だが、その常識がまた一部でひっくり返ろうとしていると、生物学者の福岡伸一さんの今日の朝日新聞のコラムに書かれていた。

だからといって、獲得形質の遺伝学が正しいとかいうのは時期尚早であろう。要するに遺伝環境(直接的にはDNAとかRNA)に外界から、影響を与える可能性のあるような場合ならば、いわゆる獲得形質の遺伝も起こる可能性もあるが、そうでないような場合には、たとえば、母親または父親がいかにピアノ演奏の名手でもそのことが直接に遺伝するわけではない。

そういう考えの分類が、できてきたということであろう。

(注)もっともそういう歴史を知ったのは意外に最近のことである。とはいっても20年以上まえのことだが。それに生物学を学んだのは、正確には64年も前のことだ。


AIの研究には数学と・・・

2019-08-08 10:45:00 | 科学・技術

昨日の朝日新聞に言語学者の川添愛さんが、自分はAI研究者として15年ほど過ごしてきたが、このAI研究にも流行があり、数年ごとにその流行が変わると書いていた。

川添さんは文系のAI研究者なので、そのときどきの技術を理解しないうちに別の技術に変わられると書いてあり、大多数の理系出身のAI研究者はその流れについていけると書いてあった。

すなわち、AI人材を育てるならば、数学と情報科学の基礎的な学習が欠かせないという。いやAI分野は知らないが、物理でもそういう流行があった。

物わかりの悪い私などはその流行の一つにものることができなかったが、普通には若いときにその分野を習得したものはその流行の分野ですくなくとも一時期は脚光を浴びることができる。

そういう事情を思い出したことであった。

事情はいつでもそんなに変わってはいないようである。


日曜日のアクセス順位

2019-08-07 16:03:31 | 日記

日曜日のアクセス順位が1800番代になっていた。こんなに順位があがることはなく、3000から4000の間の順位が普通である。

なにか特異なことを書いた覚えもないので、急に順位が上昇したのはなぜなんだろうか。今日はすでに水曜日であるので、どうしてだったのかはわからない。

別にこのブログは人気ブログではないので、そんなことを気にしてもしょうがないが、気になるところではある。


数学の学びの資料館への寄贈書

2019-08-07 15:34:46 | 数学

数学の学びの資料館の館長さんの和田博さんから、数学の書籍を頂けることとなった。

その代わりに私の方も自著『数学散歩』『物理数学散歩』(国土社)を差し上げることとなった。和田さんから署名となにか言葉をという要請があったので、しばらく考えてつぎのような文章にした。

 

「数学を発見的に学ぶ」ことはとても難しい。

それはほとんどの本が、数学を発見的に学ぶようには書かれていないからだ。

それでもその数学を発見した人と同じように、凡人である、あなたが、私が

数学を理解できるようになることを目指したい。

 

そんな願いを込めて

 

この気持ちをどのくらいの人々に共感してもらえるか、わからない。

 これは別の機会に、ある方に自著を差し上げたときに、「はじめて発見法的に書かれた数学書を読んだ」と言われた。それで、そういう気持ちの人が少ないのだということを知った(注)。

(注)発見法的な考え方というのは中学校3年のときに数学の野間先生が数学者ポーヤの『いかにして問題をとくか』(丸善)という本が出たという話から知ったと思う。ポーヤはそのころポリヤPolyaと書かれていたが、最近はポーヤと呼ばれることが多くなった。つい先日もこの本の訳本の広告が朝日新聞に出ていた。


世界の原発

2019-08-06 11:59:32 | 科学・技術

世界の原発がどうなっているのかよく知らない。しかし、朝日新聞のgolobe(2019.8.4)によると中国とロシアが原発をつくっており、それもロシアはインドに輸出しているとかである。

日本でも総理大臣が原発の外国輸出に一役を買うというようなことがあったらしいが、それでも日本国内の有識者からはそれは理不尽だとの感想がある。

ところがそういう批判の通らない、中国だとかロシアでは原発は電力の供給源として、いまなお有力視されているというから驚く。

これらの国も中国のような社会主義の国でもかなり市場経済化が激しいことを意味しているのであろう。現在のところ、人類全体で見れば、原発の未来はないのは残念ながら真実であろう。

放射性廃棄物の処理の先進国である、ノルウェーiイなどでも岩塩かなにかの鉱山跡に何万年も放射性廃棄物をおいて、観測し続けることの困難さは指摘されている。

高放射性廃棄物の場合には高温で焼結させてガラス状の固体として、それを鉱山跡の地下深く貯蔵すると言われている。しかし、それでもそれが地下水を汚染して、その地下水が地上近くにでて来ないとは保証できないというのが、地質学者の言い分である。それを否定することなどできない。それは将来にわたることであるのだから。

何万年たぶん2万年くらい、人類がそれまで地上に生きることができるか怪しいが、それでもそれが可能であったとしても、ちゃんと言い伝えて将来の環境を保存する努力がされるのかどうかそれは気の遠くなる話である。

福島第一原発の事故で、こちらは東京電力は企業として国の後ろ盾がなければ、もう破産していたところである。電力の供給はある種の公共事業であるから、かろうじて生き延びた。しかし、それは津波の怖れを過少評価した当時の幹部のミスであった。

企業収支は少し厳しくなるとしても、津波に備えた十分な高さの堤防をつくっておれば、東京電力のような優良の大企業がここまで追い込まれることはなかったはずだ。

いかにそのときどきの判断が目先の利益にのみ依存していたのではないかといわれても言い訳のしようがあるまい。

だが、国内のことはそう批判できても、中国やロシアのこととなるとその批判はもう私たちの届く範囲ではないような気がする。

 


マイクロソフトのOSの変更

2019-08-05 15:32:04 | 日記

2019というOSに変えろとの要請が来たが、これを変えようとしたが、変わらない。

途中でどこかでつっかえてしまう。これで天下のマイクロソフトなどとは言ってほしくはない。作業がたぶん多量になるのではあろうが、それらをクリアしてこそ天下のマイクロソフトと豪語してもよいが。

なんだかintelのなんとかか言うソフトと2109のOSとが適合しないとか教示がでるのが、そのソフトをもともとインストールはしていない。だのにそれが表示に出るのはおかしい。

問題がなかなか解決しない。


日韓外交のトラブル

2019-08-03 15:50:16 | 日記

最近では日本と韓国の間に外交上のトラブルが生じている。

妻などは韓国がなんだか、うじうじと昔の問題をいつまでも掘り返して、解決しないのがわるいという考えらしいが、私は日本はやはり世界第3位のGDPを誇る国なので、日本人がもっと大人の振る舞いをする必要があるという考えである。

もっとも私みたいな考えの人はもうあまり日本人にはいないかのもしれない。別に日本の国が威張る必要はないけれども、やはり世界第3位のGDPを誇る国として、他国の外交上のある意味での理不尽と思える、仕打ちに対して忍耐強くふるまうことが必要だということを感じている。

これはある種の自分の国に対する自尊心であるから、みんなすべての日本人がそういう心をもつのは難しくなっているのかもしれない。だが、結局そういう忍耐が後になって外交上の難題をも解決するのではないかとひそかに思っている。

自国の国益を直ちに求めるというのが本当にいいのかわからないという気持ちからであり、すべての外交上の措置はやはり自国の不利益に跳ね返ってくると思うのである。それくらい外国と自国とは切り離されない時代が今到来しているのではなかろうか。

まあ、しかし、この点については人がちがえば、まだ別の観点がありえるだろうか。

 

 


Pauli行列の導出3

2019-08-03 09:55:00 | 日記

前にちらっと書いた「Pauli行列の導出」のことだが、朝永の『角運動量とスピン』(みすず書房)の該当箇所をここ数日かけて夜の就寝前に読んでいる。

Pauli行列の導出にかかる前の方の部分を飛ばして読んでいるので、はっきりとは言えないが、およそ読んだと思う。しかし、まだそのノートをつくる気にはならない。

このノートができれば、「数学・物理通信」の投稿原稿となるのだが、それにはまだほど遠い。

小著『四元数の発見』(海鳴社)を読んだ方の感想で、行列やPauli行列のことを知っていたので、味気ない気がしたという方がおられた。それでもいくつかので自分の知らないことを知ったと最後には肯定的に書かれてあった。

この本にはしかし、Pauli行列は有名なものであるから、その導出を述べるまでもあるまいと書いて、3つほど参考文献を挙げおいた。それがブログ「Pauli行列の導出」にも上げた参考文献である。

しかし、最近になってやはりその導出を挙げておかないのは怠慢だったと思い出している。


『量と数』2

2019-08-02 10:50:35 | 日記

80ページに満たない故矢野 寛(ゆたか)先生の『量と数』(愛媛県数学教育協議会)をほぼ読み終えた。

この本を書棚からぴっぱり出してきたのは、「内包量の加法」について述べた数少ない書であると思って、それをもう少し深く理解したいと思ったのが、きっかけである。

この書は普通に書籍として市販して売れるかどうかはわからないが、名著だと言っていいと思う。どこか出版してくれる出版社はないものだろうか。

これにやはり故矢野 寛(ゆたか)先生の『中学・高校における水道方式』(愛媛県数学教育協議会)は教育系の数学教師のための必読書となるのはまちがいがないのだが。

ということは、まだまだこういう数学の教え方が一般化はしていないということである。

(2019.8.7付記) 数学教育協議会にかかわる数学者の著書としては銀林浩著『量の世界』(むぎ書房)があり、これも名著だが、「内包量の加法」についての言及はあまり見た記憶がない。

 

 

 

 

 

 

 


「科学」の論文リスト

2019-08-01 16:43:22 | 日記

武谷三男の雑誌「科学」の寄稿論文リストをようやくつくった。月曜日から今日までかかった。

なんでもきちんと仕事をしようとすると手間がかかるものだ。

E大学の付属図書館に午前中でかけて書庫に入り、雑誌「科学」の古いバックナンバーにあたった。農学部の図書館でわからなかったところが、3つか4つあったので、それをなんとか埋めることができた。

今度は「技術と人間」への寄稿論文を調べようとしている。これはYさんのつくられたリストがあるのだが、それは大部分を尽くしているのだが、それに2つほど追加をしなくてはいけないこともわかっている。

できたら、最後には武谷三男の全論文とエッセイのリストをつくりたいと考えている。これにはまずNさんのつくったリストが役立つであろう。私の今回作った論文・エッセイのリストもNさんのリストをもとにしている。