最近聞いた話だが、電磁気学を学びたいなら岩波書店から訳書が出版されているファインマンの『ファインマン 物理学 』III, IVを学ぶのがよいとか。
これは京都大学の名誉教授であった Y 先生のご意見だったという。そしてその高弟の私の友人 N さんもこの2冊の本を読んで電磁気学をわかったといわれていた。
私などはそこまで行く前にベクトル解析のストークスの定理とガウスの定理の理解が十分でないと感じてしまい、電磁気学にとりかかれない。
もっとも Y 先生も N さんも訳書で5冊のシリーズになっているファインマンの他の訳書は読む必要がないとのご意見である。これらの5冊の訳書を読むほどには私たちの人生は長くはないとのこと。Genau(その通り)とドイツ語で答えたくなる。ちなみにN さんは化学科の出身で熱力学や統計力学の理解が深い方である。
ファインマンは物理に造詣の深い方であることを認めたうえでの話だが、どちらかといえば、熱統計力学等の面ですこし他の分野と比べて弱いのではないかという意見を N さんから伺ったこともある。