前から書いてみたいと思っていた話題は日常生活に現れることが多いフランス語である。とはいっても大したことではない。
我が家のトイレに行って便座に腰を下ろすと床のマットに目が行く。そこに書かれたのはvie priv'eeである。これは辞書を引いてから書かないといけないのだが、英語で言えば、private life(私的生活)であろうか。
また別のマットではrouge de roseとある。これは「バラの赤」とでも訳せようか。
物理学者の武谷三男が2000年に亡くなった後で鶴見俊輔さんが追悼の文を朝日新聞に書いていたのだが、1999年の秋に東京の清瀬市にあった施設ラビアンローズに武谷を見舞いに行ったとあった。このラヴィアンローズもフランス語である。La vie en roseとでも書くのだろうか。ラヴィ アン ローズと分けて書いたり、発音するのはよくない。
まるで一語のようにラヴィアンローズ(意味はバラ色の人生)と発音するのだ(注)。これはフランス語で有名なリエゾンだとかアンシェヌマンとか言われるものである。リエゾンは連音とかアンシェヌマンは連読とか訳されている。
もう耳にタコができるくらい聞いた言葉だが、いまもあまり区別がわからない。リエゾンは本来は語末の発音しない音をつぎの語と連なるときには発音するということらしいし、アンシェヌマンは前の語の発音する音を次の言葉とづつけて発音することだという。
(2023.11.15 注)ラヴィアンローズ(バラ色の人生)はフランスの有名な国民的シャンソン歌手(エディット・ピアフだったか?)の歌った歌のタイトルでもある。有名な女性歌手であるが、名前は今思い出せない。これだから老人は困るのだ。もちろん私のことである。