以前の数学エッセイを読み直してすこしづつ改訂をしている。すこし程度の高い話題についても書いたこともあるのだが、いまは中学や高校程度の数学に焦点を絞っている。
そうはいっても中学校と高校の数学の話題になかなか限定できないのが実状である。
たとえば、「文字の置換」というテーマのエッセイはある好評なインターネットのサイトの記事を取りあげている。このテーマ自身は実は統計力学に出てくるボルツマン分布の話である(注1)。
文字の置換ということでは実は私が高校時代に学んでいた数学の受験参考書の中にあった分数方程式を解くことができなかったが、ごく最近になってその分数方程式を文字の置換で解いたという経験もあるのだが。これは数学・物理通信にすでに「分数方程式を解く」というタイトルで発表している(注2)。
スーパームーンの話題のエッセイに一つも図が入っていないことに気がついたり、ピタゴラスの定理の証明について今読んでみて生じた私の疑点を埋めたりしている。
こういうエッセイの数は中学校と高校程度に限ると100を越えるほど多くはないが、数十はあるので、なかなか終わらない。
大学程度の数学までレベルをあげると数学エッセイの数は100を超えるであろうが、正確な数は数えてみたことがないので、いくらくらいあるのかわからない。修正したエッセイの数も重複を許して数えれば、その数は200以上となっている。
(注1:2023.11.25付記)ボルツマンの分布はGibbs流の導き方もあると思うが、私になじみのある導き方は『ファインマン物理学』第2巻(岩波書店)のファインマンの説明である。
もっとも友人のNさんから、ファインマンの一番の弱点は統計力学の箇所にあったのではないかという見解を聞いたことがある。
私などから見れば、ファインマンは神様のつぎに偉い人だが、そういう人を批判的に見ることがことのできる人がいるなんて。すごいではありませんか。
(注2)「数学・物理通信」のすべてのバックナンバーはすでに名古屋大学の谷村先生のご尽力で彼のサイトにアップされているので、検索してみてほしい。