物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

幸せとは

2023-10-24 20:04:08 | 本と雑誌
幸せとは有名大学に入ることではないような気がしている。

もちろん、有名大学を出て、活躍する人も多いのだろう。だが、昨日の同窓会の後で考えたことは必ずしもそうではない友人たちの後世があったような気がしたからである。

私よりも有名大学に入った人は多くいたのだが、いまの私より幸せだった人は少ないのだろうと思っている。これは家庭的な幸せのことではない。それは人それぞれ幸せだったのであろう。

だが、84歳の現在、自分が十分に幸せであると感じるからである。これは大学在職中には感じることのできなかったことである。だから、地位とか名誉の問題ではない。やはり自分の生き方とか性(しょう)に現在の自分があっていると感じているからだ。

久しぶりに何人かの友人にあってこの人たちも幸せであるだろうと想像できた。その一人は S 君である。彼は演劇に凝って自分の劇団をもっているはずだ。それに有名な詩人で劇作家の寺山修司の全集の3人の編集委員の一人である。

若いときには映画に凝って高校の授業をさぼって映画を見に行くほどの映画好きであった。しかし、どこかの映画の撮影所で助監督か助手になったのだが、映画を諦めて出版社をはじめた。

あるとき寺山修司とつきあいができて演劇に熱中するようになり、出版社を他人に譲って演劇にのめり込むようになった。脚本を書いたり、または、劇の演出もしているだろう。そういう人はやはり幸せだろうと思う。

私もそれには劣らず自分の好きなことをしている。こんな幸せなことがあろうか。

森ダイアグラムに基づいた数学のテクスト

2023-10-24 13:32:03 | 数学
「森ダイアグラム」に基づいた数学テクストをつくる必要があると声を大にして言っておきたい。

「森ダイアグラム」とはなんだ、ということになるが、それの説明はわざとしないでおく。

これは「森ダイアグラム」とはなんだ、ということを知ることから始めてもらった方がいいと思うからである。倉田令二朗『数学と物理学の交流』(森北出版)のp.16に「森ダイアグラム」の図が出ている。森毅さんの『ベクトル解析』(日本評論社)にも説明があるだろうか。

森ダイアグラムにしたがった数学テキストできちんとしたものがあってほしいと思っているが、それに私の納得のいった書はまだないように思う。

瀬山士郎さんの『正比例の数学』(東京図書)や松田信行、宮本敏雄『微分と積分』(講談社)とかがこの森ダイアグラムを考慮した現存のテクストであろうか。

だが、もっとつっ込んだテクストがいるのではないかと思っている。私自身もこれに関与できたらとは思っているが、それだけではなくもっと一般に若い方に関心をもってそういうテクストを書く人が出てほしいと思っている。

実はここに書いたほど熱烈ではないが、ある方にこういう趣旨のメールを最近送ったことからこのブログにも書いておいた方がいいのではないかと思った次第である。

というのは最近「遠山啓博士の著作目録」を数学・物理通信号外号に発表して同人に送ったら、初めて遠山のことを知ったというような便りをもらったからである。

一方では隣国の中国では遠山さんの思想に触れて彼の著書を中国語に訳して出版する出版社ができているとも聞く。森ダイアグラムがもっと世間に知られた方がいいのではないかと思い始めている。