首相「危機管理」に懸命、政権発足後初の大地震(読売新聞) - goo ニュース
政府は14日、岩手・宮城内陸地震の発生直後に首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置、泉防災相を現地に派遣して被害の把握と被災者の救助に努めた。
政権発足後、初めて直面した大地震に対し、福田首相は2度危機管理センターを訪れ、夜間も救助活動を続けるよう指示するなど懸命に対応した。
首相は地震発生7分後の午前8時50分、官邸に隣接する首相公邸で首相秘書官から一報を受けると、「被災状況の早期把握、迅速な広報、被災者などがある場合は救助に全力を挙げるように」と指示。その9分後に陸上自衛隊のヘリが情報収集のため八戸駐屯地を飛び立った。午前11時ごろには岩手、宮城両県知事からの災害派遣要請に基づき自衛隊が救援活動を開始した。
首相自身は午後1時に公邸から官邸に移り、官邸対策室で陣頭指揮にあたった。公邸に戻っても断続的に報告を受け、午後3時過ぎ、伊藤哲朗内閣危機管理監に「現地では日没が迫っている。警察、自衛隊などのヘリコプターを効果的に運用し、状況把握に努め、救出活動に全力を挙げてほしい」と指示を重ねた。
首相は夜には、再び官邸対策室を訪れ、泉防災相に電話で状況を聞いた。15日には冬柴国土交通相も被災地に派遣する予定だ。
昨年7月の新潟県中越沖地震では、当時の安倍首相が発生当日に被災地を視察した。福田首相は被災地視察について、「今のところ(予定は)ない」と記者団に語り、慎重な姿勢を示した。「首相が発生直後に行けば、現場が首相への対応に人手を割かなければいけなくなり、行っても混乱するだけだ」(首相周辺)との判断からだ。
政府は今後、被害状況を把握して、岩手・宮城内陸地震の激甚災害指定の検討に入る方針だ。