【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「時代が仙谷由人を求めるなら」民主党代表選出馬に意欲

2008年06月29日 22時26分59秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 NHKは午後9時前の全国ニュースで「民主党の仙谷元政策調査会長が9月の代表選の出馬に意欲をにじませた」と報じました。

NHKの報道によると、仙谷さんは、
「(代表選までの)数週間、時代が仙谷由人を求めるかどうか、じっくりと判断をし」、「(立候補のあかつきには)さらなるご迷惑をおかけすることを(後援会に)お願いに(徳島に)来ることも十分ありうる」と述べました。





 仙谷さん、いい顔してますね。

 仙谷由人(せんごく・よしと)さんは1946年1月15日生まれの62歳。衆院徳島1区、当選5回。東大法学部に進学、弁護士になりました。

 1990年の第39回総選挙で初当選。1996年の第41回総選挙以降は小選挙区の徳島1区では4連勝。「自民党王国」と言われる四国で、民主党でただ1人勝ったこともありました。

 NHKが報じた映像はそれを支える「“鉄”の後援会」の皆さんの前でのスピーチだったようです。

 振り出しは日本社会党ですが、新人として「ニューウェーブの会」を筒井ネクスト農相らとつくり、政権交代の礎をつくりました。民主党では政調会長、ネクスト厚労相を務めました。胃癌を克服した苦労人です。「凌雲会」(通称・前原グループ)所属。

 第169通常国会では、衆院議院運営委員会の理事として、同国会の「民主党完勝」を実現した功労者の1人。国会同意人事に関する党内プロジェクト・チーム(通称・仙谷委員会)の責任者として注目されました。

 ◇

 日経新聞の日曜の名物コラム「風見鶏」29日付は「無投票なら無難だが・・・」と題して、西田睦美編集委員が執筆。
 「今回の代表選の最大の特徴は、民主党史上初めて、首相候補に誰がふさわしいかを選ぶ場になるということだろう」と意義づけました。そのうえで、

 「代表選は次代のスターを育てる舞台でもあり、メッセージの発進力や政策提言力を競い合ってもらいたいものだ」とし、「小沢氏と堂々と渡り合う挑戦者が現れることを期待したい」と結びました。

 とはいえ、9月に選ばれる民主党代表が第45回総選挙後の首相となるのでしょか?



 画像はけさ発表のFNN産経のトレンド調査ですが、

 「次期総選挙で民主党に投票する」と答えた人は、わずか30・4%に止まっています。このように言うと、中には、
 「未定と答えた42・4%が棄権に回ると想定すれば、投票率57・6%(前々回並み)で、民主党の得票率は52・6%になる。そうすると、前回の自公の得票率を上回っているじゃないか!」と反論する人がいるでしょうが、そのような分析は全くのナンセンスです。

 なぜなら新人が多い民主党の候補者は知名度が圧倒的に不足していますので、小選挙区では最後の踏ん張りがきかずに僅差で及ばない人が続出するでしょう。
 社民党、国民新党との選挙協力が不調になる場合もあるでしょうし、日本共産党との票の食い合いもあるかもしれません。

 そもそも福田自民党内閣がサミットに成功し、内閣を改造したり、総裁を変えたりすれば、まだまだ「第45回総選挙は自公が過半数を維持する」というシナリオが現実的でしょう。

 さて「ニューウェーブ」の仙谷さんも62歳なんですね。これだけの素晴らしい後援会があって小選挙区4連勝なら、民主党代表・ネクスト総理選挙に打って出ようとする心意気は当然です。

「代表選立候補 7月中にも判断」NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015565981000.html
(リンク先に動画があります。リンクは数日で切れると思います

 民主党の仙谷元政策調査会長は徳島市で開かれた会合であいさつし、ことし9月に予定されている党の代表選挙をめぐって、党内から、複数の候補者による選挙を行うべきだという意見が出ていることに関連して、みずからが立候補するかどうかは世論の動向などを見極め、7月中にも判断したいという考えを示しました。

 民主党の代表選挙をめぐっては、小沢代表が、党内の大勢が続投を支持するのであれば3選を目指して立候補する考えを示す一方、党内で活発な政策論争を行うためにも複数の候補者による選挙を行うべきだという意見も出ています。こうした中で、小沢氏の党運営に批判的な仙谷元政策調査会長は徳島市で開かれた会合であいさつし「皆さん方から大変なお励ましと、尻をたたかれてるような気持ちだ。そのことも重い事実として受け止めながら、あと数週間、時代が仙谷由人を求めるかどうか、じっくりと判断をしたい」と述べ、代表選挙に立候補するかどうかは、世論の動向や党内の情勢などを見極めて、7月中にも判断したいという考えを示しました。(了)


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タグ 仙谷由人 せんごくよしと 「仙石由人」 民主党代表選 徳島 胃癌 胃ガン 胃がん 克服 告白 

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それからの“第二の故郷” デモクラシーの川上で

2008年06月29日 22時00分00秒 | ルポ)最年少町長さんの誕生(2008年2月)

 今週は旅行の予定があるんで、インターネットでいろいろ調べごとをしています。

 そうすると、何となく前回2月の旅行先のことが頭に浮かびました。

 2月、和歌山県印南町(いなみちょう)に現役最年少町長さん(市区町村長を含めた最年少首長)が誕生してから、もうすぐ半年。読売新聞のデータベースを見ていたら、選挙の1週間後にこんな出来事があったと分かってビックリしました。

(引用はじめ)
2008. 03. 08
 「印南町選管委員4人が辞職」
 
 印南町選挙管理委員会の委員3人が、「一身上の都合」を理由に2日付で辞職願を提出し、6日夜の臨時委員会で認められた。これを受けて、滝口茂昭委員長(61)も辞職した。
 後任は6月の町議会で選任される見通しで、それまでは補充員3人が委員として同選管の業務に当たる。滝口委員長ら4人は、昨年12月に選任されたばかりだった。
(引用おわり)

 改革を訴えた前町議(34)が、前町長の後継者である前教育長(64)に116票差で当選し、町長に就いた2月24日のちょうど1週間後の3月2日付で、選管委員全員が辞表を提出したのです。在任わずか3ヶ月間。これには驚きました。

 地方自治法は、選管委員の任期は4年で、人格が高潔で政治及び選挙に関し公正な識見を有するもののうちから、自治体議会が選挙する、と定めています。

 1年半以内に衆院選、1年半後には町会選が予定されているのに、デモクラシーの正統性を保障する選管委員がこのようなことでは困ります。

 次に6月には次のような記事が出ました。紙面の扱いは「3段見出し、40~50行、写真付き」だったようです。「町」としては大きな扱いです。
 インターネット上には出ていないようですから、長文ですが全文引用させていただきます。

(引用はじめ)
 2008. 06. 03
 印南町、住民票を自宅にお届け 印鑑証明も 高齢、障害者世帯など=和歌山

 印南町は2日、高齢者世帯などを対象に、住民票や印鑑証明を宅配で交付するサービスを始めた。町役場まで出かけるのが困難な高齢者や障害者の家庭に、職員が届ける。県内で初めての試みという。
 印南町の高齢化率は29・3%(3月末現在)で、65歳以上だけの世帯が全体の4分の1以上を占める。役場まで車で40分以上かかる地域もあり、車の運転免許を持たない人も多い。「役場まで出かけるのがひと苦労だ」との声があり、宅配制度を導入することになった。
 対象は、65歳以上だけの世帯、要介護認定を受けた人、障害者、療育手帳を持っている人などで、電話やファクスで受け付ける。申し込みが午前中ならその日のうち、午後なら翌日の午前中に職員が自宅へ届ける。交付手数料(200円)は必要だが、配達料金はかからない。将来的には、戸籍謄本の宅配も検討する。
 町住民課は「宅配は年間約40件と見られ、職員の大きな負担にはならない。お年寄りらの家を訪ね、話が出来る方のメリットが大きい」としている。
 
 写真=住民票の交付などを受け付ける印南町役場の窓口。高齢者世帯や障害者を対象に宅配も始めた 

(引用おわり)

 そういえば、うっかり書き忘れていました。

 選挙から一週間か十日ほどした頃でしたでしょうか。印南町在住の「Kさん」と名乗る老紳士からお電話をいただきました。
 「名前だけ言っても、私のこと思い出せないでしょう?」というKさん。
 お顔を拝見すれば分かるんでしょうが(^^;) 選挙事務所は出入りが激しいので、分かりません<(_ _)>

 で、そのKさんは「あれからTVに取り上げられたり、印南もだいぶ変わってきましたよ」と選挙後しばらくの町の変化を教えてくださいました。

 Kさんは「どうですか?東京に戻って。印南より東京の方がずっといいでしょう?」と難しい質問をしてきました。
 「私の場合は東京は故郷ですから。誰だって故郷が一番良いでしょう」と答えると、Kさんは「それでは、印南町を第二の故郷だと思ってくださいね」とおっしゃってくれました。

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