[写真]妊娠5ヶ月の民主党衆院議員の山尾志桜里(山尾しおり)さん=2010年8月23日(筆者撮影)
二十四節気の「処暑」とは名ばかりの猛暑日でしたが、良いことがありました。けさの散歩中に、霞のむこうに「東京スカイツリー」を見つけました。そして、帰宅後、ベランダからも、部屋の窓からも、スカイツリーを見つけました。ホームページによると、きょうの時点で428メートルで、完成するまで、もう206メートルニョキニョキ伸びていきます。完成までに、僕自身も成長できればいいなと感じました。
民主党衆院議員(愛知7区)の山尾志桜里さんは23日、当ブログの取材に応じ、現在妊娠5ヶ月で、来年1月に第一子を誕生する予定であることを明らかにしました。
現在36歳の山尾さんは、ことしも、子どもたちに一生忘れ得ぬかけがえのない思い出をプレゼントし続けている、ブロードウェイ・東京をはじめとする世界的でロングランのミュージカル『アニー』の初代アニー役です。旧姓・菅野志桜里さん。
初代アニーという素晴らしいデビューでしたが、すぐに、芸能界からは離れ、東大法学部に進学。司法試験に受かって、検察官になりました。そして、民主党総支部長になり、第45回衆院選で、「61・1%(18万票)」といういくら愛知とはいえ、あまりに驚異的な得票率で、初当選しました。
衆院法務委員会の理事、財務金融委員会の委員をやっています。1回生が常任委員をかけ持ちするのはフツーですが、法務委理事と、処理案件が多く与野党が激する財金委員のかけ持ちは、他の1回生より重い負担だと、私は考えます。さらに、この秋には、「事業仕分け」第3弾「再仕分け」で、仕分け人も務める予定で、すでに、ヒアリング作業に入っています。
「これまでの年末は、雪の中、神社でごあいさつしながら新年を迎えました」。でも、今度の年末年始の忘年会・新年会などは、「今回はさすがに抑えます。地元の方にもご理解いただけると思います。その分、“仕分け”など東京での仕事でみなさんのご期待にこたえていって、それをメッセージとして地元に伝えたい」という山尾さん。当ブログからも愛知7区のみなさまのご理解を心よりよろしくお願い申し上げます。
また召集日によっては通常国会冒頭に重なる可能性があります。たいていの場合、予算委員会からスタートしますので、日程のやりくりで、“産休”する予定です。特段、「宣言」をするわけではないとのこと。
山尾さんは、「後に続く人のためにも」、産休を、とくに産前の検査や体調面の変化にあわせて、柔軟にスケジュールを調整し、“産休”を取る予定。日程を柔軟に組めるので、「その辺は、サラリーマンの方に比べて、国会議員(の仕事)は恵まれています」としながらも、国会議員特有の「地元と国会を行き来する二重生活」という面では、不安もあったそうです。でも、その不安を払拭したのが、子育て中の男性議員、いわゆる“イクメン議員”の存在。どういうわけかこの1年間、民主党は夜の懇談会が多いのですが、「じゃあ、俺、そろそろ、子どもを風呂に入れる時間なので帰ります!」とひょうひょうと帰宅する同期のイクメン議員の姿を見て、山尾さんは「子育てを“義務”というよりも“仕事の励み”にしているように見えて、いいな!、と思っていました」。旦那さんはイクメンになりそうですか?との問いには、「そうなると期待してますけど(笑)」と幸せそうな苦笑い。
9月1日、新・衆院第2議員会館内に保育園「キッズスクウェア永田町」がオープンします。山尾さんは、その利用も検討しており、見学も済ませました。民主党国会対策委員会に事情を話して、以前の旧・第1議員会館から新・第2議員会館に引っ越しました。ヤッパ、東大出の人って、要領いいよね(*^_^*)
【追記 2016年3月9日】
山尾さんはけっきょく、上記の保育園を使っていません。
【追記終わり】
山尾さんは「職場に保育所があるというのは、今、非常に恵まれた立場だと思うんですね。ホントウはこれが当たり前になっていかないといけないと思うんですが、(大多数の親にとって現状は)そうではありません。
それを自分でもしっかりと踏まえて、出産、子育て、それと社会と関わっていく領域において、みなさんと(悩みを)共有しながら、問題点を解決していくことで、(社会に)お返ししていきたい。
政治家というのは、その問題点を解決する術(すべ)をいただいているわけですから」。
育児と仕事の両立だけでなく、PTA・NPO活動など報酬以外での“社会との関わり”にも関心がある山尾さん。「選挙区では、『保育所が病児、病後児を預かってくれない』との声をよく聞きます。それを預かってもらわないと両立は難しい。でも、保育所経営者には責任とリスクがあります。そこを調整していく。それが政治家の仕事だと思います」とのこと。司法試験の実力がこのあたりでいきてきそうですね。
若い議員たちの新しい発想は、民主党最大の“埋蔵金”であります。しっかりと活用することで、民主党政権が前に進む力になります。
アニー、東大、司法修習、検察官、国会議員、そしてママ。山尾さんはこれからも、私たちにどんな成長の姿を見せてくれるでしょうか。
【追記あり 2016年1月13日 午後10時過ぎ】
その後の山尾さんは、2011年1月、第一子を出産。
山尾志桜里さん(36)が男児出産
その後、2012年11月から2014年12月まで、「落選による育児休暇」(苦笑)となってしまいました。が、2014年12月小選挙区勝ち上がりで国政復帰。「野党のママさん」では、295選挙区小選挙区勝ち上がりのただ一人の代議士。第47回衆議院(任期は2018年12月まで)にのぞんでいます。
【追記おわり】
[画像]連合会長の古賀伸明さん(BSフジ)
僕は政局は好きではありません。が、今週25日(水)午後1時の「代表選立候補者説明会」を分水嶺に、民主党内政局が慌ただしくなりそうです。代表選告示は9月1日(来週水曜日)ですが、何とか今週半ばには、「菅・仙谷・岡田政権」続投の流れをつくってしまいたい、というのが僕の考えです。
6月4日の両院議員総会で、民主党は「脱小沢」すなわち、①政治とカネの問題がないクリーンな政治、②党と内閣の一元化、政調復活、という「民主党らしさ」路線へと舵を取りました。そして、7月11日の第22回参院選(反省の夏)で、比例第一党となり、44議席という首の皮一枚で、「国民から最後のチャンス」をもらいました。
9月13日党員・サポーター郵便投票締め切り、14日(火)代表選出集会(臨時党大会)を経て、代表・総理は向こう2年間の任期を得て、2013年夏の衆院議員・参院議員の任期満了まで、フリーハンドを握ります。
これが最後の政局だ、と思って、2009年8月30日の「政権交代の夏」のキツイ反動を乗り切らねばなりません。名指ししますが、山岡賢次さん、小平忠正さんが入閣したいようで、こういったベテランの入閣待望組への対応がカギになります。新進党時代は、当選回数と年齢、すわわちあるいは想定される引退までの残り年数に対応して、野党・新進党を去り、与党・自民党に復党・入党していきました。
「国民の生活が第一。」という名の下に、党内非主流派となった小鳩連合が軽井沢の別荘でバーベキューに興じる「軽井沢事件」を引き起こしました。私は最終的な菅続投に楽観的な見通しをもっていますが、概算要求などに取り組む政務三役ら主流派にも不安が広がっており、仕事に影響が出ているような感じがしています。
「前に進むために、考えを曲げる」--政権の重荷を背負って、初めて分かった財源問題とねじれ国会への対応から、菅直人内閣は「マニフェスト修正路線」をとっています。もちろん菅総理の消費税増税発言は、謝罪しても謝罪しても謝罪しきれません。これからのマニフェスト修正には、ある程度の党内合意と、支持者・有権者への十分な説明が必要です。しかしそれを反省したうえで、マニフェスト修正路線を突き進むのが、菅内閣と民主党主流派の考えです。
これに対して、2009マニフェストを一字一句変えずに予算化すべきだ、という対立軸を掲げているのが、非主流派・小鳩連合による、いわば“マニフェスト原理主義”です。
代表的な政策では、子ども手当を今年の1・3万円から、来年は例えば2万円とかにして、残りは現物(保育サービス)給付にしようというのが、「マニフェスト修正路線」で、何が何でも2万6000円出せ、と迫るのが「マニフェスト原理主義」です。
この中道をいくように、会員数が5000人を超える「民社協会」は「党綱領の策定」を掲げており、民社協会が代表選のカギを握ろうとしているし、実際にカギを握るでしょう。
前置きが長くなりました。
連合会長の古賀伸明さんが20日付日経新聞1面のインタビューに答え、民主党はマニフェストを「見直してしかるべきだ」、09マニフェストは「一部の人がつくった印象もある」と述べ、マニフェスト修正路線を支持しました。
古賀さんは代表選で特定の候補者を支援しないことにしていますが、事実上、菅続投を支持した発言と思われます。
[画像]2010年8月20日付日経新聞1面
[画像]2010年8月20日付日経新聞1面
古賀さんは、
「与党と野党では情報量が違う。見直してしかるべきだ。『この政策はどうだ』と国民的な議論をしながら見直す。それが民主党らしさではないか。昨年の衆院選マニフェストは一部の人がつくった印象もある」
「基本的な考え方が変わってはならない。たとえば社会全体で子育てを支えるという子ども手当の思想は変えるべきではない。ただ支給方法はいろいろある。今年の参院選マニフェストは、子ども手当の上乗せ分を現物で支給してもいいという考え方を示した。これは適切な変更だと思う」
と語りました。
連合は野党・民主党の応援団長の時代から、日本唯一のナショナルセンターとして、自民党政府と「政労会見」などで直接やりとりしてきました。「サラリーマンの確定申告選択制」を含む政策要望も直接、官邸に提出してきました。
ですから、政権運営の厳しさは、民主党国会議員よりも連合の方がずっとよく知っているのです。
古賀さんのインタビューにあたった日経記者は次のような感想を記しています。
「連合会長に就任したのは昨年10月。支持政党である民主党の政権が誕生した直後だ。『昔は連合の提言が実現しなくても、政府・与党が悪いといえばよかったが、いまはそうはいかない』。言いっ放しではすまないという責任感を感じると話す。連合の提言が現実の政策に反映される機会は増えた。それだけに新成長戦略の前倒しを求める古賀氏の発言は重い。今回のインタビューで訴えた若年層の雇用対策などは、経済対策の柱になる可能性もある」
政権を担う責任。
マスコミでは、東京新聞が7月12日付1面トップで「政策が前進するなら考えを曲げろ」とする「高田論文」が発表されており、一つの指針となります。
マニフェスト修正路線とマニフェスト原理主義。
「国民の生活が第一。」とホントウに考えているのはどっちの陣営でしょうか?
それが2010年9月の民主党代表(総理)選挙の選択肢です。