ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

小沢一郎さんは名誉ある撤退を 党員サポーターポイント地滑り的敗北も

2010年08月29日 23時43分40秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]小沢一郎さん(宮崎信行撮影)

 民主党代表選(9月1日告示)まで、あと2日間あります。

 小沢一郎さんに名誉ある撤退を求めます。

 共同通信は27・28両日に全国の有権者1450件にRDDで電話し、1029人から回答を得た世論調査結果を発表しました。

 問5「9月に行われる民主党代表選は事実上、次期首相を選ぶ選挙となります。代表選には菅直人首相と小沢一郎前民主党幹事長が立候補表明しています。あなたは民主党代表に誰がなればよいと思いますか。(敬称略、五十音順)

 小沢一郎      15・6%
 菅直人        69・9%
 その他の人      3・3%
 分からない・無回答 11・2%

 となり、菅直人が69・9%と圧倒しました。

  
[画像]2010年8月29日付東京新聞1面

 私は、昨年3月のエントリーで、共同通信が世論調査で、政党党首の進退について、支持政党を分けないで一緒くたに問うていることを統計的に有為でない、無為であると指摘しました。
 http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/930cb388f1c4a08a8834e0de0d038a35

 今回の世論調査では、民主党支持層に限ると、「菅直人 82・0%、小沢一郎13・4%」となっていると報じました。

 
[画像]東京新聞2面

 それから1年半、共同通信が世論調査で、民主党代表の進退について、全回答者と民主党支持者に分けて数字を出したことは、大いに評価します。オピニオン・リーダー層が「小選挙区二大政党アタマ」に慣れてきたことを意味します。

 また主要政策と09マニフェストとの整合性を問うた問8の(ア)から(エ)の4項目では、すべて「マニフェスト修正路線」が「マニフェスト原理主義」よりも高い支持を集めた結果となっています。

 さて、これによって、小沢陣営は300ポイントで争われる党員・サポーター票は極めて厳しい情勢になったといえるでしょう。

 前にも指摘したとおり、300ポイントは、1ポイントずつ、その小選挙区に住民票がある党員・サポーターのハガキ投票の1位者が勝者総取り方式(winner-take-all)で獲得します。ドント配分ではありません。例えば、総支部ごとの獲得党員・サポーターのトップは、岩手3区の黄川田徹総支部でしたが、ここにも、自動車総連全トヨタ労連の「関東自動車工業」の岩手工場があります。ここも参議院総支部だとか、別系統で党員・サポーターが岩手3区内にいるかもしれません。

 ですから「菅支持」が82%でも、党員・サポーター票の300ポイントのゆくえは9割の270ポイントとか、それ以上に地滑り的になるかもしれません。

 そうすると、地方議員票の100ポイントを仮に、五分五分としても、国会議員票(1人2ポイント)で逆転するには、菅100人対小沢300人ぐらいの圧勝が必要になります。

 しかし、それで小沢陣営が勝っても、国会議員と地方組織が「ねじれ民主党」になります。来年4月の統一地方選はとても戦えません。

 私はだいぶ信用してもらっているようで、統一地方選での身の振り方について、たくさんの人から相談されています。ある小沢系議員の秘書は、他党から出身地近くに落下傘で「お金は出せないけど、公認は出すよ」との誘いを受けています。非連合系で、都市部の自治体議会のある現職(当選1回)は、党公認で出るか、それとも無所属で出るか検討中です。「代表選の結果を見極めたい」と言うので、僕は「地方選にそんなの関係ない。地元をしっかり固めれば勝てるよ」と言ったら、「そういう意味じゃない。組織のメンバーとして、民主党で続けていっていいのか、という問題」とのこと。これは深刻です。たしかに、短い選挙期間中に蓮舫さんが応援弁士で来るわけでもないし、応援弁士の豪華さで勝つような地方議会選ではダメです。

 連合の古賀伸明会長が総理には電話で、小沢氏には口頭で、ガチンコ対決による党分裂への懸念を伝えました。そして、きょう「政権公約を実現する会(鳩山グループ)」会長の大畠章宏さん(茨城5区=日立市など)が鳩山由紀夫さんと話し合いました。古賀さんと大畠さん、そして、前官房長官の平野博文さんは「電機連合」の出身です。これはヒジョーに多い勘違いですが、電機連合は、中立労連であって、同盟系(民社協会)でも総評系(旧社会党)でもなく中立です。だから、鳩山グループに所属しているのでしょう。ですから、連合会長と鳩山グループ会長は、以心伝心。

 党員サポーター票の獲得は、公職選挙法の対象外ですから、テレフォン・アポインターの会社に丸投げしたり、ハガキの回収を人材派遣業者に頼んだりできます。が、そこまでのお金や人件費をかけられないのが実態でしょう。

 小沢さんが負けて、その後に小沢さんが起訴された場合は、そのタイミングで、党を除籍し、野党の証人喚問要請に応じるというのが、菅さんの考えだと、私は推測します。小沢さんは条件闘争なしに、せめて会計監査の一人に小沢系を入れるぐらいの条件で立候補を辞退すべきです。

 でなきゃ、トコトン戦うしかありません。

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有料ブログがついに銀行振り込みに対応しました!

2010年08月29日 00時37分31秒 | その他
 当ブログの姉妹版で、会員制有料ブログ「下町の太陽プラス1先読み政治日程」
http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65

 ですが、ようやく、配信元の「レジまぐ社」の技術革新で、銀行振り込みでもご購読いただけるようになりました!!

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 現在「先読み政治日程」には、2013年までの政治日程を載せています。すべての政治日程は、「総理はいつ衆議院を解散するか」を予想することから始まります。

 そのために情報を絞って、厳選して載せています。例えば、「話題の○○議員がパーティー」、「世界○○大臣会合」、「○○県知事選」といった日程は、厳選して、ほとんど載せていません。これは、その日程により、衆院が解散され、第46回総選挙になるという重要な政局につながることはないという、私の考えに基づくものです。この「いつ衆議院を解散するか」というキャスティングボートを独占していることが、内閣総理大臣の権力の源泉です。

 2009年の後半国会では、こちらの無料ブログに載せていた「今後の政治日程」がかなり関心を呼び、挙げ句の果てには、共産党員に2ちゃんねるに転載されるという屈辱を浴び、有料ブログ化しました。まずは、来年の前半国会での、当初予算案、と予算関連法案(日切れ法案)に向けて、ねじれ国会、質の高い情報を提供していこうと思います。どうぞよろしくお願いします。
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岡田外相「正々堂々と政策を戦わせて」「結果として正統性高い菅政権になる」

2010年08月29日 00時15分09秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]外相の岡田克也さん(朝日ニュースター)

 外相の岡田克也さんは、菅直人総理と元代表・小沢一郎氏が民主党代表選で激突することについて、「お二人が正々堂々と政策を戦わせて選挙をやり、結果として私はより強力な菅政権が誕生すると思う」「前は国会議員だけの選挙で菅政権が誕生しているので有権者がぐっと広がって求心力が出て、正統性が高まる」と述べました。

 私も全面的に賛成です。キツイ権力闘争ですが、確実に菅さんを再選させ、権力(power)、正統性(legitimacy)を高め、向こう2年間、国政選挙なしの安定した政権を作りましょう。

 代表選のように、定数1(小選挙区)比例復活なしの選挙では、最後の最後まで油断は禁物で、「当選確実で~す!」などと言うバカは陣営からほっぽり出すべきです。「五分五分です」「激しく追い上げられています」「現在2位ですが手が届きそうです」などと答えるものです。しかし、民主党代表選は身内の選挙ですから、様相は違います。菅総理は、選挙中も、選挙活動よりも総理としての公務を優先する意向を示しています。

 私たちの党員・サポーター投票は、登録している総支部に関係なく、それぞれの住民票所在地の小選挙区に仕分けられ、各小選挙区の比較第1位の候補者に全ポイントが行く勝者総取り方式(winner-take-all)方式です。なので、菅さんは300ポイント中200ポイントは取れるのではないか、という見立てをとある民主党国会議員に話したら、「いやもっと獲れるだろう」との意見でした。有権者数からして、普段の国政選挙よりも、一票の重みが大きいですから、猛暑夏バテの時期ですが、党員・サポーターはハガキが届き次第、「菅直人」と書き込んで、すぐに郵便ポストに投票してください。なお、この代表選挙は公職選挙法の適用対象外ですから、当ブログでも、告示前ですが、「菅直人と書いてください」というハッキリした表現を使わせて頂きます。

 小沢一郎さんを落選させましょう。その後は、5人以上の国会議員で新党を結成して政党助成金を自由に使えばいいでしょう。ねじれ国会なので、参院議員は5人以下にしてもらいたいです。とはいえ、現実問題として衆院で40人、参院で10人が離党しても、国会運営に大きな影響はありません。委員長ポストの割り振りの見直しがあるくらいです。民主党公認の衆院小選挙区、参院選挙区の支部長が空いたところには、すみやかに衆院比例単独の「いちもく会」の議員らを割り当てれば、統一地方選の混乱は避けられるでしょう。

 総理補佐官の寺田学さんによると、小沢氏は鳩山由紀夫さんを通じて、菅総理に、「枝野幸男幹事長と仙谷由人内閣官房長官を更迭しろ」と求めたそうです。こういった裏の話も、若い寺田学さんなら、「総理に直接聞いた」とテレビで暴露(ディスクロージャー)してくれます。少しずつ、日本の政治はよくなっています。

 場合によっては、仙谷官房長官は、小沢系議員に報償費を投入してもいいのではないでしょうか。報償費とは、本来そういう風に使うものです。マスコミで報償費を現金で、もらった人なんて聞いたことありません。一部の大手マスコミ社員にコンプレックスを持つフリージャーナリストが妄想で報じているだけです。懇談会費の飲食費折半分に報償費が使われていると思いますが、現金はありません。小沢系の興味は金だけですから、報償費を10万円ぐらい現金で渡して(合法な行為)、小沢系議員に「またもらえるのかな」と思わせておいて、代表選後は相手にしなけりゃいいのです。この段落に書いたことは、あくまでも私の冗談です。

 冗談はさておいて、日本には余裕がありません。小沢一郎さんには内閣総理大臣たる能力はおろか、それ以前に人格がありません。

 とにもかくにも、民主党のためにも、日本のためにも、小沢一郎さんとロンググッドバイしましょう。

民主代表選:岡田外相、菅首相支持を表明 - 毎日jp(毎日新聞)

 【上海・鈴木玲子】岡田克也外相は27日、訪問先の中国・上海で記者団に対し、民主党代表選を巡って改めて菅直人首相支持を表明した。岡田氏は「(小沢一郎前幹事長と菅氏の)お二人が正々堂々と政策を戦わせて選挙をやり、結果として私はより強力な菅政権が誕生すると思う」と期待感を示した。さらに「前は国会議員だけの選挙で菅政権が誕生しているので(代表選によって)有権者がぐっと広がって求心力が出て、正当性が高まる」と強調した。

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