ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

衆院1回生23人が菅総理に続投支持 

2010年08月26日 20時56分21秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]続投支持と政策提言を提出する1回生議員と菅直人首相、首相官邸、2010年8月26日、NHKからキャプチャー

 民主党1回生議員は26日、首相官邸に総理(民主党代表)の菅直人さんをたずね、「我々は、闘うリーダーを望む」との文書を提出し、代表選での菅さん支持を表明しました。

 また、09マニフェストの内容を、具体的に肉付けした法案となる「「政治行政刷新三法案~まず隗より始めよ~」を提言しました。今実行可能なことを「仕分け」した、いわば「マニフェスト修正路線」のお手本となるペーパーです。

 このサブタイトル「まず隗より始めよ」というのはいいですね。また法案化の道筋を示しているというのは、官僚出身をはじめ1年生議員に「与党力」が潜んでいる証拠です。

 賛同者は、

 阿知波吉信さん井戸正枝さん稲富修二さん大西健介さん岡田康裕さん柿沼正明さん金森正さん神山洋介さん櫛渕万里さん後藤祐一さん近藤和也さん斉木武志さん柴橋正直さん高橋昭一さん高邑勉さん玉木雄一郎さん橋本博明さん花咲宏基さん藤田大助さん三村和也さん山崎誠さん山尾志桜里さん湯原俊二さんの23人。

 このなかには、これまで一新会倶楽部に近いとされていた議員(柴橋、高橋、橋本、花咲各議員ら)の名前も見え、1年生議員があの夏から1年が経って、自立と共生の道を歩み出していることがうかがえます。

 小沢元代表を支持する1年生議員も、具体的に法案の提言でもしてほしいもんですねえ(^_-)

 なお、「1回生議員が仲間から候補者を擁立する」ことを期待している方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の代表選では見送ることで今月上旬に合意ができたようです。

 三村和也さんのツイッターによると、23人の賛同議員のうち、出席議員は14人でした。ペーパーは、「実現男」こと後藤祐一さんのホームページや柴橋正直さんブログなどに載っていましたので、引用させていただきます。

(引用はじめ)

「我々は、闘うリーダーを望む」

 国民は怒っている。大いに失望している。裏切られたと思っている。もはや政治には何も期待できないとさえ思っている。民主党政権は、官僚に取り込まれてしまったのではないか、これが昨年民主党政権に未来を託した日本国民の今の率直な気持ちである。

 民主党は危機のただなかにある。「マニフェスト7割は着手した」などいくら言っても強弁にしか聞こえない。議員定数削減や企業団体献金禁止など、財源に関係なく議員の覚悟だけでできる公約を実行しないのだから、当然のことだ。参議院選挙で惨敗したのも当然。ぜひとも国民の気持ち、我が国のおかれた危機的状況を真正面から受け止めていただきたい。

 この難局を乗り越える方法はただ一つ。政局ではなく政策で国民の信頼を回復し、その支持を背に受けてねじれ国会を乗り越えること。国民の冷え切った心に火をつける方法は、総理が情熱を持って「これだけは必ずやる」という政策に絞り、集中突破すること。リーダー自らが率先して既得権と闘う。これしか方法はないと確信している。

 今必要な政策は現下の円高対策と政治行政の刷新にある。以下我々が提言する政策は、最優先に取り組むべき公約だ。我々は日本に新しい政治を創ろうと全てをなげうって民主党の旗のもとに集まった。閣法で駄目なら議員立法ででも国民の声にこたえていく覚悟だ。この公約実現には内外に多くの反対が予想される。しかしそれでも総理におかれては、即刻着手し闘う姿を国民に見せて頂きたい。我々も全力で闘う覚悟である。常に目線は国民にある、闘うリーダーを我々は望んでいる。

平成22年8月26日

衆議院議員一期生有志

阿知波吉信 井戸まさえ 稲富修二 大西健介 岡田康裕 柿沼正明 金森正 神山洋介 櫛渕万里 後藤祐一 近藤和也 斉木武志 柴橋正直 高橋昭一 高邑勉 玉木雄一郎 橋本博明 花咲宏基 藤田大助 三村和也 山崎誠  山尾志桜里 湯原俊二

「政治行政刷新三法案」
~まず隗より始めよ~

 政治家菅直人が既得権と闘い、情熱を持って集中突破を図る具体策として以下の3法案を提案する。
 まず、20世紀型政治を2010年で終わらせる。そして、政治家と官僚が身を切り、消費税を含めた税制抜本改革を堂々と行い、年金・医療・介護・子育てなど安心して生活できる日本を創っていこうではないか。
(1)「政治刷新法」

○企業・団体献金の全面禁止。
○衆院80、参院40の議員定数削減。
○歳費2割カット。完全日割りも当然。
○新規立候補の世襲禁止(法的には、政治団体の相続禁止)。
(2)「公務員総人件費2割削減法」

○人事院勧告どおり(▲0.19%)の給与法では政権がふっとぶ。削減率は深堀りする(基本権付与→労使交渉→賃下げには3年かかりタイムアップ)。
○3年間で総人件費2割カットの工程表を法定。
○地方公務員の総人件費削減についても努力既定で言及。
(3)「新政治主導法」

○経済財政諮問会議類似の新たな司令塔を創設。主要閣僚がオープンに議論し、決定したら文句を言わない。
○予算、人事、マクロ経済、行革という、官僚統治に必要な4手段を押さえる超強力な国家戦略局を設置。
○行政刷新会議を法的に位置付け。
○国会議員を随時政治任用可能に(国会法39条の廃止)。   以上


(引用おわり)

 まだまだ猛暑の日本ですが、1年生議員のフレッシュでさわやかな風が秋の気配を感じさせました。実りの秋はもうすぐです。

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代表選出馬の小沢一郎さんの息の根を止めよう

2010年08月26日 19時43分34秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[画像]小沢一郎さん(2007年の民主党関係の広報文書)

 小沢一郎さんが代表選に立候補する意向を示しました。私は何でも正直に言える日本社会をめざしているので、正直に言いますが、これにはかなり驚きました。

 これに先立ち、鳩山由紀夫さんが菅直人首相と会談。報道を総合すると、鳩山さんは、「今の『脱小沢人事』をやめて、小沢一郎さんにポストを用意する『挙党一致態勢』にすれば、小沢さんは立候補しない」という趣旨の仲介案を、菅総理に示したそうです。しかし、菅さんはこれを拒否したようで、総理の決断を高く評価したいと、私は思います。

 小沢一郎さんは、代表、幹事長、選挙専従代表代行のいずれのポストでも、党資金を自由に使ってきました。多くの新人は、小沢さんから500万円の現金をもらった経験がありますが、これは、小沢さんのお金でも、陸山会のお金でもなく、民主党本部のお金です。こういう現金の見せ方で、若手はビビリます。一方で、現金を見慣れている銀行出身の1年生議員は、「一新会倶楽部」に所属していない傾向がありますから、調べてみたら面白いですよ。

 小沢さんとなると、代表、幹事長に限らず、財務委員長、会計監査、組織委員長や幹事長代理など党本部のポストを与えることは危険です。

 代表選の党員・サポーター投票は、300小選挙区毎に、そこの1位の候補者にポイントが入ることになっています。つまり世論調査で1位の候補者が圧倒的に有利になります。現時点では、ほとんどの小選挙区で「菅直人」が1位になると思います。参院議員が持っているサポーターも、それぞれの住民票所在地の小選挙区の得票にカウントされますから、小沢グループの今の実力(人件費含む)では、100ポイントも取れないのではないか、と現時点では感じます。

 僕の予想通り、民社協会の動向がカギを握ることになりそうです。民社協会が「菅支持」を決めたり、鳩山グループ中堅議員が「菅支持」に寝返った場合は、ぜひ人事面での処遇を菅さんにお願いしたいところです。

 とにもかくにも、小沢一郎さんが出るのなら、最終戦争です。小沢さんが負けた場合、ねじれ国会ですから、参院議員にはできるだけ残って欲しいですが、衆院議員からは5人~10人ほどが小沢新党を結成して、政党助成金を自分たちの思うままに使えばいいのではないでしょうか。奴ら、金だけですからね。

 私は、民主党サポーターである前に、日本国民です。

 小沢反乱軍(マニフェスト原理主義者)は、公明党、みんなの党、自民党よりも敵です。国のためには、自民党さんにもしっかりしてもらわないと困ります。

 小沢一郎さんは新進党を解党し、日本の夜明け(政権交代)を10年遅らせました。失われた10年、20年のA級戦犯です。公明党・創価学会でも、多くの組織員にとっては、仏敵・菅よりも、新進党解党魔・小沢の方が今でも憎いのが現状です。

 日本国民全員の総力を結集して、小沢一郎を倒しましょう。

tag 新進党を解党した小沢一郎を歴史法廷の断頭台に送ろう。

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菅直人首相と1年生議員の懇談会の出席者

2010年08月26日 10時16分02秒 | 第175臨時国会(2010年7月)ねじれ

[写真]菅直人首相(MSN産経)

(このエントリーの初投稿日時は2010年8月26日午前0時半)

 首相で、民主党代表の菅直人さんは、23日(月)~25日(水)の午前・午後の合計6回にわけて、1年生議員と懇談しました。場所は、衆議院第1議員会館の菅事務所内。新しく大きくなった議員会館を活用しました。

 当ブログが事前に入手していた総理の招待状には、次のように書いてあります。

 「前略 昨年8月の総選挙から1年経ちました。初当選された貴方にとって一生記憶に残る1年だったと思います」
 「しかし、1年間をがむしゃらに走り続け、ふと振り返れば、」「直接話す機会をほとんど持つことが出来ませんでした」
 「与党になってからは、日々業務に追われ十分お話する機会がもてなかったと反省しております」と書かれています。

 僕の知る限り、菅さんが「反省しております」と書くのは、政権を目指している段階では無かったと思います。6年前、ワキの甘さから代表を辞任したときも、頭を丸めてお遍路さんに出ましたが、そのときも「反省しています」とはおそらく言わなかったのではないでしょうか。

 ただし、「8月吉日付」のこの招待状、かなり急な案内で、「来週にでも直接お目にかかって意見交換させて頂きたく、ご案内申し上げます」としています。

 そのうえで、6回の会合の対象者を、選挙区の地域ブロックごとに分けています。が、既に、海外出張、地元での日常活動日程、党政調の部門会議(概算要求)、政府の行政刷新会議(再仕分け・特別会計仕分けのヒアリング)が入っており、過密日程のため、対象でない日に出席した議員も多く見られました。

 以下に、日経新聞の報道を参考にさせて頂いて、各回の出席議員のリストを示します。それに加えて、招待状に書かれていた地域ブロック割りを参考まで付けます。仮に地元総支部長が出席していなかったり、違う日に出席していることが気になる方は、それは個別にご確認下さい。

 また、出席議員を「小選挙区当選組」「比例復活組」「比例単独組「参議院」の4つのカテゴリーに分けました。これを見ると、比例選出議員が比較的多い傾向が見て取れると思います。これは、比例選出者は、執行部になびきやすいという傾向を裏打ちするものだと思います。ですから、前の執行部(鳩山由紀夫代表、小沢一郎幹事長)を支持していた人が、現在の主流派(菅直人代表、枝野幸男幹事長、仙谷由人官房長官ら)の支援に回る可能性が高まってきていることを意味している、と私は考えます。ですから、「小沢さん」の支持はこの辺から失速する可能性が高いと考えられる、と僕は思っています。

 出席議員に後から感想を聞いて、「民主党らしさ」の復活を感じました。それに、総理にとっては、勇気とアイディアが湧いてきて、かつリフレッシュもできたようです。ときどき、こういう会合をやったらどうでしょうか。政府外で国会や党の役職についていない当選2~3回生にも広げていいのではないでしょうか。政府への「提言機関」という位置付けを構想している政調と連動させるのもいいかもしれませんね、総務会がありませんから民主党には。

 ① 8月23日(月) 午前9時30分スタート (北海道、東北、北関東)

[小選挙区当選組]斎藤恭紀さん、石山敬貴さん、福島伸享さん、大泉博子さん、宮崎岳志さん、柿沼正明さん、森岡洋一郎さん、櫛渕万里さん、近藤和也さん、長尾敬さん。
[比例復活組]斉木武志さん、高邑勉さん。
[比例単独組]工藤仁美さん、川口浩さん、桑原功さん、川越孝洋さん。
[参議院]石橋通宏さん、江崎孝さん
。 

 ② 8月23日(月) 午後2時45分スタート (南関東、東京)

[小選挙区当選組]川口博さん、谷田川元さん、藤田憲彦さん、江端貴子さん、平山泰朗さん、初鹿明博さん、長島一由さん、後藤祐一さん、神山洋介さん、黒岩宇洋さん、阿知波吉信さん、佐藤夕子さん、瑞慶覧長敏さん。
[比例復活組]勝又恒一郎さん、三村和也さん、横粂勝仁さん、早川久美子さん。
[比例単独組]山口和之さん、玉木朝子さん、斎藤勁さん、、竹田光明さん、金森正さん。
[参議院]安井美沙子さん。

 ③ 8月24日(火) 午前10時スタート (北陸信越、東海)
[小選挙区当選組]奥野総一郎さん、矢崎公二さん、加藤学さん、柴橋正直さん、斉藤進さん、石田芳弘さん、山尾志桜里さん、井戸正枝さん、高橋昭一さん、岡田康裕さん。
[比例復活組]橋本勉さん、藤田大助さん、小原舞さん、高井崇志さん。
[比例単独組]山崎摩耶さん、沓掛哲男さん、磯谷香代子さん、山田良司さん、吉田統彦さん。
 
 ④ 8月24日(火) 午後2時スタート (近畿、中国)

[小選挙区当選組]中島正純さん、石井登志郎さん。
[比例復活組]玉置公良さん、小室寿明さん、湯原俊二さん、打越明司さん。
[比例単独組]浜本宏さん。

 ⑤ 8月25日(水) 午前10時スタート (四国、九州)

[小選挙区当選組]小山展弘さん、玉木雄一郎さん、稲富修二さん、緒方林太郎さん、川村秀三郎さん。
[比例復活組]富岡芳忠さん、今井雅人さん、花咲宏基さん、高橋英行さん、仁木博文さん、永江孝子さん、道休誠一郎さん。
[参議院]小西洋之さん、田城郁さん。

 ⑥ 8月25日(水) 午後2時スタート (第22回参院選初当選)

[小選挙区当選組]橋本博明さん。
[参議院]徳永エリさん、大野元裕さん、斎藤嘉隆さん、有田芳生さん、難波奨二さん、西村正美さん。

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