ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

参院予算委で日曜審議 首相・財務相、「2次復興補正、7月以降」の見通し

2011年05月01日 10時53分31秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

【2011年5月1日(日)参院予算委員会 今年度第1次補正予算に関する基本的質疑】

 新しい月、新しい週が始まりました。戦後はたびたびあった日曜審議ですが、最近では久しぶりで、NHKも9時から午後5時過ぎまで放送しています。

 この中で、自民党の藤井基之さんの質問の中で、アレ?と思うことがありました。

 財務大臣の野田佳彦さんは、6月末にでる「税と社会保障の一体改革」の成案が出た後に、2次補正(復興補正)を編成することを明言しました。この後、菅直人首相も、復興構想会議の第1次提言のあと、2次補正を編成するとしました。1次提言も6月末ですから、編成は7月からということになります。まずは、この1次補正(おそらく明日提出)が、4兆円の政府支出がありますから、補正の執行での影響をしっかりとみる必要が出てきました。

 私は3月11日のエントリーから後藤新平にふれていますが、高校生のころに、東北を一人旅した経験がありますが、東北は、自然の治癒力で再生していくのが基本だと考えます。がれきをどこに埋めるかという大問題があり、これは、水没した津波被害地に埋めるという手がありますが、その上には、宮脇昭先生がすすめている鎮守の森をつくっていく。このくらいが人工的な部分の上限だと思います。

 昨日の復興構想会議では、「阪神」の貝原俊民・元兵庫県知事が被災県が「東北復興機構」を提唱したそうです。私は反対です。これをやるなら宮城、福島、岩手の3県議会の議決で「広域連合」をつくる方がいいでしょう。一方、石原信雄・元官房副長官(事務)は、「復興庁には反対だ」としました。改めて、自治官僚OBの2人でも、優劣があり、後藤田正晴さんの人物眼というのは現在でも健在だという感じがしました。

 なお、補正編成が7月となると、当初会期中の第177通常国会は、まずは平成23年度の赤字国債発行法案、そして、6月30日につなぎが切れる、国税などの改正法案、地方税などの改正法案がゼッタイに仕上げなければならない法案になります。審議のスピードが上がってきましたので、感覚的には、6月22日までに久しぶりに多くの法律を作り上げることができそうな気配が出てきました。いったん閉会して、復興補正の編成に集中し、臨時国会を前倒しして8月ごろ召集し、冒頭に第2次補正予算(案)の提出というスケジュールも出てきそうです。また、9月30日までのつなぎとなっている「子ども・児童手当」の本格的な議論が通常国会でも臨時国会でも必要になってきます。

 第2次補正をあげると、久しぶりに、「臨時特例法案」「つなぎ法案」「特別措置法案」でない、本格的な国づくり、国直しに向けた議論が、ことしの秋ぐらい、クールビズからウォームビズになりかけたころから、来年9月の代表選に向けて、じっくり、きっちりとやっていけそうな気配が出てきました。11月の大阪府知事選・大阪市長選ダブル選挙結果は、どのような格好であれ、地方分権の動きを加速するでしょう。

 ようやくどっしりした熟議の国会が見えてきました。私たちの生活も、豊かでなくても、落ちついたものになっていくのではないでしょうか。

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