宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参議院民主党・新緑風会会長に郡司彰さん 初めての民主党初当選組

2013年08月06日 19時03分29秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]岡田克也候補の応援演説をする郡司彰・民主党参議院議員、2009年5月16日(土)、東京都内ホテルオークラ、民主党ホームページから。
 
 報道によると、民主党の参議院会派である「民主党・新緑風会」の新しい会長に郡司彰さんが決まったようです。2013年8月6日(火)午後5時から、議員総会を開きました。

 民主党・新緑風会の規約や、公開されていませんが、昨年から会長は2年任期となっていましたが、前会長が参議院副議長になったため、郡司さんが来年の通常国会末まで務めることになりました。

 郡司さんは、あの困難な2009年5月16日の民主党代表選で、岡田克也候補の応援弁士になった人ですので、うれしい思いがします。この日はNHKの中継は午後2時からでしたが、その前の時間帯に郡司さんが応援演説しました。参議院農林水産委員長のときに、「委員長招待」という飲食行事を中止したいと、当時の岡田代表に相談したところ、いいんじゃないのかと言われて、実行したら、次の機会には、事務局が初めから「委員長招待はどうしますか?」と聞きに来なくなったというエピソード。その後、岡田代表から経理局長(現在の財務委員長に相当)に指名され、「郡司君、経理局長は人に嫌われなくてはいけないんだぞ」と言われたというエピソード。「岡田代表のもと、手に手をとって政治を変革させるその夢をともに達成したい。一緒に歩き出しましょう」。これは「岡田首相がふさわしい」という応援演説だったのですが、逆の反応をして、「鳩山由紀夫首相」に投票してしまった人もいるようです。

 結党以来、参議院議員会長は、社民連出身の江田五月会長以外は社会党初当選組で、江田さんも含めすべて社会主義政党初当選組でした。

 しかし、郡司さんは1998年民主党公認で初当選しており、やっとベルリンの壁が崩れました。大畠章宏幹事長と同じ茨城県連。昨年の自民党総裁選では、党員数が全国2位、人口比では断然トップの茨城県ですが、民主党も負けてはいられません。

 21世紀になってから、自民党参議院議員会長が正副議長転出の直前にスキャンダルが報じられたりして、会長から正副議長への昇格コースが崩れているのに対して、民主党の会長は正副議長に昇格する順当なコースができています。副総理経験のある久保亘会長は副議長になりませんでした。

 一方、自民党出身の西岡武夫議長や、民社協会の今泉昭副議長、平田健二議長らは、会長経験がないまま正副議長になっています。

 秩序を守りながらも、緩やかに自由主義へとシフトしつつあり、参議院民主党も変わってきました。

 いかんせんサラリーマン政党ですから、会派所属議員は胃の痛くなることもあるでしょうが、それでも郡司会長にはぜひ期待したいところです。しかしまあ、会派規約ぐらいは公開してほしいものです。

 


岡田法案(衆定数5増35減法案)継続審査も、たなざらしの気配 衆・倫理選挙特別委

2013年08月06日 17時02分24秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

【衆院・政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会 2013年8月6日(火)】

 あすで会期末のため、3つの特別委で、会期末処理が行われました。

 保岡興治委員長は、先の通常国会から継続審査(閉会中審査)になっていた3法案について、採決し、起立多数で、閉会中審査にしました。第185回臨時国会に継続します。

 岡田法案こと衆院選挙区で鳥取県を定数1にして5増35減する公職選挙法改正法案(183衆法8号)と園田法案こと衆院定数を3割減(144減)する公職選挙法改正法案(183衆法13号)です。

 このほか、自民党の逢沢一郎さんが提出した「都道府県議会議員選挙で郡の中で区割りができる公職選挙法改正法案(183衆法60号)」も継続しました。

 今後の焦点として、年内に最高裁の第46回衆院選無効に関する決定が注目されます。ただ、岡田法案と園田法案は、先の通常国会で付託されただけで、趣旨説明すらされていないことから、このまま趣旨説明せずに、「黄金の3年間」にわたってたなざらしされ続ける気配が出てきました。

 この件については、国民の関心が薄いのですが、ルール・メイキングにかかわらない日本人の労働生産性の低さがうかがえるようにも感じます。アメリカのように、世界のルールメイキングをしてしまえば、あとは楽して儲けることができます。

 改正公職選挙法の鳥取県の定数を2とする法律は、まったくもって、不公平、不公正な民主政治の根幹にかかわるダムの穴があります。これはなんとか直してほしいところですが、正直、自民党には難しい気がします。

【衆院・消費者問題に関する特別委員会 2013年8月6日(火)】

 消費者の集団被害の回復のための民事裁判特例法案(183閣法60号)が継続しました。もともと民主党政権時代に作成された法案のため、民主党が賛成する見通しで、成立は確実。ぜひ、秋の臨時国会でのスピーディーな審査を衆参とも期待したいところです。


自民党政府、労働者派遣法改正法案を第186通常国会に提出へ 「40条の2」再改正

2013年08月06日 14時11分05秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

 自民党政府が、2014年1月召集の第186回(?)通常国会に、労働者派遣法(改正法案を提出する考えであることがわかりました。

 2013年8月6日朝、NHKと日経新聞が厚労省の審議会が労働者派遣の見直し案を取りまとめていると報じました。

[追記 2013年8月21日 午前6時]

 改正法案の基になるペーパーが出ましたので、新しいエントリーを書きましたので、こちらもご覧ください。

1985年夏の敗戦 タイピスト、翻訳、通訳など労働者派遣法「専門26業種」廃止へ

[追記おわり]

 労働者派遣法第40条の2などで、派遣労働は1年まで、個人によって、会社が労働組合と相談し、1年以上3年以内の期間、としている派遣労働期間について、個人は引き続き3年までですが、人を変えればその職種はずっと派遣労働者のままでかまわないとするアイディアのようです。

 この労働者派遣法40条の2は読みづらく、派遣労働者の多くが読んでも分からない条文になっており、さらなる改正で、派遣労働者の手足を縛るのが政府自民党のねらいのようです。

 2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故から、来年3年間が過ぎることから、引き続き本社正社員ではなく、下請け派遣労働者に原発の仕事を続けさせる狙いもありそうです。

 経団連と本社が隣接する日経新聞1面では「企業は幅広い業務で派遣を活用でき、派遣労働者のキャリアアップにもつながる」「派遣への規制を強めた民主党政権時代の方針を転換する」「正社員の労働組合は反発しそうだ」として、経団連と厚労省を持ち上げ、民主党と労働組合をたたきました。とはいえ、この記事を書いている記者も、新聞労連日経労組の組合員(日経労組は入社後6か月で強制加入)。日本でイチバンむなしい労働者が日経新聞記者なのです。

 通訳、翻訳、タイピストなどの「専門26業種」をなくす案もあると日経新聞は報じています。これは労働者派遣法施行令の4条なので、自民党政府と厚労省官僚の一存で変えることができます。

 改正労働者派遣法はまだ施行11か月目なので、相次ぐ改正で労働者の相談に乗れない体制をつくりたい自民党政府と経団連の思惑もすけてみえます。

 労働者派遣法の正式名称は民主党政権時代に変わり、から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」になっていますが、自民党政権で、派遣労働者の使い捨てがふたたび加速します。

[参考引用はじめ]

労働者派遣法第40条の2

(労働者派遣の役務の提供を受ける期間)

第40条の2 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第3項において同じ。)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。

1.次のイ又はロに該当する業務であつて、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務

イ その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務

ロ その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務

2.前号に掲げるもののほか、次のイ又はロに該当する業務

イ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの

ロ その業務が1箇月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1箇月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、厚生労働大臣の定める日数以下である業務

3.当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法第65条第1項及び第2項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務

4.当該派遣先に雇用される労働者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第2号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務

【令】第4条
【則】第33条、 第33条の2
《追加》平11法084
《改正》平11法160
《改正》平15法082
《改正》平24法027

2 前項の派遣可能期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間とする。

1.次項の規定により労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間が定められている場合 その定められている期間

2.前号に掲げる場合以外の場合 1年

《追加》平15法082

3 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から1年を超え3年以内の期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間を定めなければならない。

【則】第33条の3
《追加》平15法082

4 派遣先は、前項の期間を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合に対し、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に対し、当該期間を通知し、その意見を聴くものとする。

《追加》平15法082

5 派遣先は、労働者派遣契約の締結後に当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る業務について第3項の期間を定め、又はこれを変更したときは、速やかに、当該労働者派遣をする派遣元事業主に対し、当該業務について第1項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。

《追加》平15法082

6 厚生労働大臣は、第1項第1号の政令の制定若しくは改正の立案をし、又は同項第3号若しくは第4号の厚生労働省令の制定若しくは改正をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

[引用おわり]

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