[画像]第184臨時国会へのおことばを述べられた天皇陛下、召集日2013年8月2日(金)の開会式、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
第23回参院選を受けて国会法第2条の3第3項などにより召集となった、第184臨時国会は、衆参のすべての委員長を選び、閉会中審査の手続きをして、きょう2013年8月7日(水)閉会しました。秋の第185臨時国会は2013年10月15日(火)ごろ召集の見通しです。
院の構成をした参議院では、自民党が3人の委員長を民主党から奪い取るために前夜出した解任決議案(184決議1号、2号、3号)を撤回。郡司彰会長率いる民主党・新緑風会は、3つの委員長のうち、2つの委員長を自民党に差し出すことで合意。すべての常任委員長がいったん辞表を出し、山崎正昭議長が選出しました。
これにより、自民党は議院運営委員長、予算委員長に加えて、あらたに日切れ法案を扱う財政金融委員長と、条約を扱う外交防衛委員長を得ました。
召集日に国家基本政策委員長に就任したみんなの党・江口克彦さんが行政監視委員長に回り、国家基本政策委員長には民主党の藤田幸久・財金委員長が回りました。テレビ入りのQT党首討論は、衆院自民党と参院民主党が変わりばんこで合同審査会長として登場する3年間になりそうです。
民主党は参院で理事を指名できませんした。予算委では自民党の三原じゅん子さんが理事になりました。
特別委員会も最終日に設置でき、委員長もそれぞれ互選されました。
東日本大震災復興特別委員長には郡司彰会長 、
沖縄および北方問題に関する特別委員会には、この日朝の議員総会で決まった羽田雄一郎・幹事長、
倫理および選挙制度特別委員長には、同じく榛葉賀津也・国会対策委員長がそれぞれ就任。
閉会中審査の手続きもしましたので、むこう2か月以上、三役がそれぞれ委員長として責任を持つことになりました。民主党全体の「責任逃れ体質」からの脱却。もちろん、参議院民主党の「一人一人が学級委員長さん」という輿石学級の良い面は継承しながら、開かれた参議院へとなりそうです。
[画像]参議院東日本大震災復興特別委員長に就任した、郡司彰・民主党・新緑風会新会長、2013年8月7日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
[画像]参議院沖縄および北方問題特別委員長に就任した、羽田雄一郎・民主党・新緑風会新幹事長、2013年8月7日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
[画像]参議院倫理および選挙制度特別委員長に就任した、榛葉賀津也・民主党・新緑風会新国対委員長、2013年8月7日、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
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衆議院では、第183通常国会から継続になったすべての法案が、第185臨時国会へ継続審査(閉会中審査)となりました。
しかし、決算に関して、召集日の8月2日に16の議案が議運から決算委に付託されていたことがわかりました。
これにより、衆・決算行政監視委員会が閉会中審査にした議案は次の19議案となりました。
平成21年度決算案(176決算1号)
22年度同上(179決算1号)
23年度同上(181決算1号)
平成21年度国有財産の増減計算書=国のバランスシート(176増減1号)
22年度同上(179増減1号)
23年度同上(181増減1号)
平成21年度国有財産無償貸し付け状況計算書(176貸付1号)
22年度同上(179貸付1号)
23年度同上(181貸付1号)
平成23年度一般会計東日本大震災復旧・復興予備費使用調書(183調書1号)
23年度一般会計予備費使用調書(183調書2号)
23年度特別会計予備費使用調書(183調書3号)
23年度特別会計予算総則17条1項による経費増減調書(183調書4号)
平成24年度一般会計経済危機機対応・地域活性化予備費使用調書(183調書5号)
24年度一般会計予備費使用調書(183調書6号)
24年度特別会計予備費使用調書(183調書7号)
24年度特別会計予算総則22条1項により経費増減調書その1(183調書8号)
24年度特別会計予算総則22条1項により経費増減調書その2(183調書9号)
平成24年度一般会計国庫債務負担行為総調書その1(183負担1号)
となりました。このうち、予備費使用調書は他の議案同様に、衆院先議で可決後に参院に送付するものです。
やはり、決算行政監視委員会は閉会中審査で突貫工事をやるべきなのではないでしょうか。自民党の1期生もほとんど質問した経験がない人が多いので、閉会中審査をすべきではないでしょうか。
10月15日までには、消費税引き上げの閣議決定もあるので、衆参予算委の閉会中審査の集中審議は必須でしょう。
まあ、その他は、地域での党組織の足腰強化を図りながらも、英気を養う2か月間になりそうです。
民主党にとって大事な法案としては、何よりも「農業者戸別所得補償法案」(大串博志さんら提出、183衆法26号)が衆議院農林水産委員会で閉会中審査となりました。秋の臨時国会で、与野党の合意で、恒久法制にしましょう。
衆・本会議で伊吹文明議長のあいさつはありませんでしたが、参・本会議では山崎議長があいさつし、「先の通常選挙を経た新しい政治状況での参議院への国民の期待は大きい」としたうえで、「選挙制度について各会派のご検討をいただきたい」と言及。山崎議長の三年間での選挙制度改革に意欲を示したものと考えられます。
さて、2か月以上の閉会中ですが、私としても、ふだんなかなかできないことをしながら、あらたな発信を続けようと考えておりますので、引き続き、当ブログをご愛読くださるようお願い申し上げます。
[写真]首相官邸を門前払いされた高木義明・民主党国対委員長ら野党5党国対委員長、民主党ニュースから。
民主党ニュースによると、野党5党の国対委員長が安倍自民党首相官邸に門前払いされる異例の出来事が、第184臨時国会閉会日の2013年8月7日起こりました。
これは先日、自民党の麻生太郎副総理・財務相・金融相がワイマール憲法から合法的に全権委任法を成立させた戦前ドイツの方法を学んだらどうか、という不適切な発言を講演でしたことから、安倍晋三首相に対して罷免するよう、申し入れた行為。これに先立ち、衆参予算委の集中審議や政府統一見解の提出などを求めましたが、拒まれていました。
民主党ニュースによると、木義明国対委員長は「麻生副総理の発言は、国内のみならず国際的にも大きな問題であり、国際社会に対して誤ったメッセージを与えるもの。しかし昨日の与野党国対委員長会談では本人が発言を撤回しているから(野党側が要請する)予算委員会の集中審議の必要はないということだった。われわれは行政府に対し立法府、そして与党に対し野党がチェックをするのは当然の責務との思いで、今日は自民党を通じてアポイントをとった。しかしまったくののれんに腕押し。このうえはもう、自ら歩いて行政府の扉をたたく以外ないとの思いできた。残念ながら結果はこういうかたちになり誠に遺憾」と語りました。
社民党の照屋寛徳国対委員長は「審議も拒否、野党党首名の声明の受け取りも拒むということではこれはもう民主主義ではない。怒髪天を衝く怒りを覚えている」と語りました。
みんなの党の山内康一国対委員長は「立法府として何もチェック機能を果たしていないというかたちだけはとるべきではない。何らかのかたちで審議をするのは当然」と述べました。
生活の党の小宮山泰子国対委員長は「)、「野党の国対委員長に対し官邸が会わないことはありえない。三権分立、国会軽視することであり、権力の横暴だと感じている」と話しました。