[写真]新進党公認の新人、魚住裕一郎さんの東京選挙区で100万票トップ当選を伝える1995年7月24日付読売新聞。
第23回参院選(2013年7月21日)にともなう第184回臨時国会の召集前日となった2013年8月1日(木)、参議院公明党は議員総会を公明会館で開きました。参議院公明党の会長は1年ごとに改選していますが、実際には、連続して当選することが多くなっています。第23期参議院では、前会長が議員を引退したことから、新しい会長として、魚住裕一郎さん(4期、全国比例=東海重点、60歳)が選びました。
魚住さんは、参院議員である山口那津男代表と東大法学部同級生であることから、長年の「白浜-山口二重権力構造」に終止符がうたれ、山口代表が党本部と参院会派双方をコントロールすることが可能になる見通しが立ちました。
[画像]魚住裕一郎・参議院公明党会長(前列左)、白浜一良・前会長(後列左)、山口党本部代表(中)、草川昭三元会長(右)、先の通常国会のインターネット審議中継からキャプチャ。
私は、学生時代新進党東京第11区総支部から派遣されて、魚住裕一郎さん初当選の選対に詰めたことがあります。事務所の2階の奥で、夜やる選対会議に出席した経験もあります。このときは、新進党内に、東京で2人擁立しても勝てるという見通しがありましたが、新しい党として団結するために、新人の42歳弁護士、魚住候補をみんなでやろうということになりました。そして105万9582票と断然トップ当選となりました。しかし、この3年後には、小沢一郎氏により新進党が解党されてしまい、新進党色の強い魚住さんは、公明党全国比例の東海重点候補に転出することになりましたが、無事4期19年目に入りました。魚住選対は、高橋一郎本部長、西川太一郎事務局長とともに新生党(小沢グループ)の衆院議員がつとめる格好となり、これは第41回衆院選(初の小選挙区)で創価学会票が欲しいという魂胆がみえみえ。小沢グループは今も昔も変わりません。本来ならば、民社系、日本新党系が選対を分け合いみんなで支えるべきだったでしょう。
魚住さんの後は、山口さんが継ぎました。しかし、その後も参院東京選挙区ではトップは100万票取っていますが、1998年は民主党新人の小川敏夫さんが102万票、2001年は自民党前職の保坂三蔵が140万票、2004年は自民党新人の中川雅治さんが101万票、2007年は民主党新人の大河原雅子さんが108万票、2010年は民主党前職の蓮舫さんが171万票、2013年は自民党現職の丸川珠代さんが106万票と二大政党公認候補のうちの1人が100万票トップ当選する傾向が続いています。公明党および創価学会員の首都東京での100万票、あるいはトップ当選は、1995年の魚住会長以降途絶えていることになります。つくづく、私たち新生党羽田系がしっかりとしていればこんなことにならなかったのに、と申し訳ない気持ちでいっぱいです。
これで、参議院公明党は再結集後、すべて新進党勢の会長となりました。
その一方、公明党(New Komeito)初当選のフレッシュな面々が活躍しています。
[写真]テレビ東京開票特番で、池上キャスター(右)からいじわるな質問を受ける佐々木さやか候補(現参院議員、左)、2013年7月21日(日)、民主党開票センター内テレビ東京モニターを筆者撮影。
ごらんのように、神奈川選挙区で早々に当選を決めた、佐々木さやか新参院議員が、テレビ東京の開票特番で、池上キャスターからいじわるな質問をされました。私は、民主党開票センター内で、とっさにこれは何なんだろう?」と思い、画面を撮影してみました。帰宅後に、YouTubeで音声を聞いたら、「あなたは創価学会員ですか?」「政教分離をどう思いますか?」と聞かれていましたが、さやかさんは100点満点の回答で視聴者の納得を得ました。そもそも、日本国憲法の政教分離の原則とは、戦前の治安維持法による宗教団体弾圧を防ぐためのものです。今の「政教分離」の誤った解釈は、新進党時代に自民党の亀井静香広報本部長・野中広務幹事長代理がオウム真理教事件と連想させる格好で、振りまいたデマであり、亀井・野中の罪は万死に値するし、マスコミ・ネットウヨもいい加減目を覚まさないといけません。
それにしても、私、民主党開票センターにいても、とっさに公明党のこと、気になっちゃうんですね(笑)。
今思うと、私たち新生党勢はあまりにも稚拙だったし、公明党のみなさんが怒ったのは無理もないと考えます。しかし、今、平和と福祉の公明党の理念が危うくなっています。庶民のため、労働者のための政党が必要です。
それを思うと、初恋の彼女をいつまでも思い続ける情けない男に思われるかも知れませんが、私たち民主党良識派と公明党の思いは一つです。
いつになってもいいですが、公明党のみなさん、いつでもかえってきてください。
参議院公明党の幹事長には2期の西田実仁さん、国対委員長には1期(衆1期)の長沢広明さんが就任しました。