安倍自民党内閣の平成26年度予算(案)編成で、総務省が地方交付税を大幅カットすることが分かりました。2013年8月27日付日経新聞によると、総務省は概算要求で「16・8兆円」とする方針。政府原案は年末に決まりますが、財務省の査定で、増額されることはありえません。
執行中の平成25年度当初予算では、17・4兆円の地方交付税交付金が歳出の上限として認められています。
次の平成25年度予算書の当初予算の特別会計の29ページをみるとわかります。17.4兆円のうち、0・6兆円は東日本大震災被災自治体向けの特別枠です。
なお、総務省・財務省・内閣府主管(共管)の「交付税および譲与税特別会計」には、33・3兆円の銀行からの借り入れがあります。これは国債とは別枠で、「1000兆円の借金」に含まれる「隠れ借金」であり、きわめて問題です。つまり、2年分の地方交付税を国が銀行から借り入れている現状があります。もちろん銀行は融資先が財務省で、目的が運転資金なら低利でも貸し倒れリスクゼロで確実に儲かりますから大喜びで融資します(財務省の入札方式)。財務省はここにメスを入れたいという考えもあるでしょう。これは支持できます。長期的には、自治体の自主財源を増やすべきとの視点は私も一致するところです。
それはさておき、日経新聞は「当初予算ベースは前年度より3000億円減」の16・8兆円と表現しています。これはどういうことかと、平成24年度第1次補正予算書の特別会計の11ページで「地方交付税交付金が0・4兆円追加補正」されているから、こういう計算になるのですが、私はこのような報道は絶対にあるべきではないと考えています。自民党による世論誘導に新聞記者自らが引っかかっています。
インチキ安倍自民党は平成24年度第1次補正予算を「15か月予算」「2本目の矢」「機動的な財政出動」などと詭弁を弄しています。
神野直彦政府税制調査会長の著書「財政学」の90ページから91ページにかけても、「人間の生活のサイクルとなっている1年間が通常、財政をコントロールするのに適切な期間だとされている」「予算原則は財政民主主義から導き出される」としており、日本国憲法第86条に規定された予算単年度主義は財政民主主義の基本だとしています。
昨秋ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥京大教授も予算単年度主義を批判しましたが、ノーベル賞学者が言おうと、自民党が言おうが、財務省が言おうが、日経新聞が言おうが、予算単年度主義は絶対に守るべき国会による財政民主主義の原則であり、誰が何と言おうが自民党が間違っています。そして、わずか半年後に、それに気づかずに「当初予算ベースは前年度より」と15か月予算だと(おそらく)気づかずに、記事にしているマスコミの情けなさに憤慨いたします。
それはさておき、自民党というと、地方の支持者が多いように思われがちですが、実際には、60歳代では二大政党制のメリットをしった民主党支持者が増え、20歳代ではリクルートを知らない自民党支持者、ソ連を知らない共産党支持者が増えており、年代による支持政党の偏りは減っているようです。まだ具体的な数字はありませんが、参院選の街頭でそれを感じました。
地方交付税をカットしておいて、補正予算で積み増す自民党の伝統伎が出るかもしれませんが、自民党なら地方に手厚い政策をしてくれるというのはもはや幻想です。
安倍自民党による地方切り捨てが本性をあらわしだしました。
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