ジェラルド・カーチス・コロンビア大学教授と安倍晋三首相(自民党総裁)、2014年9月22日、米ニューヨーク、政府インターネットテレビからスクリーンショット。
ジャパンハンドラ―(知日派であり、日本の政策決定に影響力を持つアメリカ人)からも安保特に懸念が示されました。
米コロンビア大学(ニューヨーク)教授のジェラルド・カーチスさんは、平成27年2015年6月7日(日)放送分のTBS「時事放談」で、
「アメリカで話した、指針とだいぶ違う。国会中継を見ていますが、憲法の話ばかりで、安全保障の話になっていない」と語りました。
2015年4月27日の再改定日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)の国内実施法の審議でありながら、米リバランス政策を反映した南シナ海などでの日米協力に関する安全保障の話ではなく、昨年7月1日の閣議決定による解釈改憲を発端とする、憲法論争が国会審議の中心になっていることに苦言を呈しました。
上の映像のように、2014年9月22日、首相はニューヨークを訪れました。
実は、極東有事を削除し、「周辺事態」を新設した改定ガイドラインは1997年9月23日にニューヨークで署名されたので、ガイドライン再改定の最終署名のためにニューヨークを訪れるのではないか、と筆者はたいへん警戒していました。
(2014年9月16日付
◎安倍首相、異例の長期間でニューヨーク訪問、官房長官「関係国首脳と会談」し「国の立場を積極的に発言」
)
(2014年9月17日付
防衛省、防衛審議官(防審)が2014年9月17日から訪米し「米国国防関係者と意見交換」と発表
)
ただ、理由は分かりませんが、ガイドライン再改定は見送られ、ことし4月27日までずれ込んだことになります。
ガイドラインの「Ⅱ(2)のD」は、「指針はいずれの政府にも立法上、予算上、行政上またはその他の措置をとることを義務付けるものではなく、また、指針は、いずれの政府にも法的権利または義務を生じさせるものではない」と明記しています。
民主党ら野党は日本国民の総力を借りて、日本平時に、南シナ海など世界中のシーレーンを哨戒し、武器を輸送し、弾薬を補給するガイドラインの国内実施法制化を拒まないといけません。財政が破たんします。やはり、昨年7月1日の羊頭狗肉の解釈改憲という邪道が、安倍自民党の行く手を険しくしました。
安保特は今週も、10日水曜日に委員会を開く可能性があります。