宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

岡田克也さん「花咲さん、柿沼さんら、人生経験をして一回りも二回りも大きくなって一緒にやりたい」

2015年06月26日 23時59分59秒 | 岡田克也、旅の途中

(このエントリーの初投稿日時は2015年6月27日午後2時で、それからバックデートしました)

 「6・26」から3年が経ちました。

 持続可能な社会保障と税の一体改革法案の衆議院採決。自分を公認した政党の党首である総理大臣に向かって後ろから鉄砲をうち、党内とりまとめの一任を受けた政策調査会長に飛びかかっていった与党議員。

 あの人たちはいったい何がしたかったのでしょうか?いまだに分かりません。

 その一方で、後ろからの鉄砲の雨のなか、総理大臣を守り、「名誉の負傷」を負った人たち。

 岡田克也さんというのは、永田町用語でいう「面倒見の良い人」ではありません。ただ、小沢一郎さんが裏切りの鉄砲隊の生活の面倒をみていることはありえません。

 平成27年2015年6月26日(金)の民主党代表定例記者会見は、そのとき、政調会全体会が開かれた場所で行われました。

 一任をとりつけた政調会長にとびかかろうとする与党議員を体を張って守った、花咲宏基さん(48歳)と阿知波吉信・岐阜5区総支部長。

 花咲さんは今は会社員です。そして、「3・11」後の党1期生をまとめた、柿沼正明さん(49歳)。柿沼さんは今は、会社社長です。花咲さんと柿沼さんは昨年末の衆院選に出ていません。

 それから、小原舞京都府議、永江孝子さん、湯原俊二・鳥取2区総支部長、白石洋一・愛媛3区総支部長。以上7名の名前を挙げて、岡田さんに聞きました。岡田さんは「首長に転出した人もいる」として、超党派で市民につくす、岡田康裕・加古川市長の存在を付け加えました。

 岡田さんは「ちょっと最近、花咲さんや柿沼さんにお会いしていないので、状況は分からない」と岡田節。そのうえで、「非常に能力もあり、政治家として期待されながら、残念ながら違う道を選ばれた。私は、まだ若い方もいらっしゃるし、また一緒に民主党をやりたい人もたくさんいる。首長になった人もいるし、いろいろな人生もあるだろうが、国会議員以外の人生経験をされた方が、一回りも二回りも大きくなって永田町に戻ってきてくれることに期待している」と語りました。

 信頼できる人かどうか、外形的な証拠があるかどうか。2012年6月26日の衆議院本会議は、民自公3党合意にもとづき、民自公、国民新党4党が賛成しています。この議事録は、持続可能な日本国がある限り国会図書館に残ります。

 私も面倒見は悪いですが、「宮崎さん、来夏の参院選に何が何でも女性を立てたいんだけど、うちの県連、県議に女性が一人もいないんだけど、誰かいない?」と聞かれることもあります。そのとき、あの人は6月26日に正しい行動をしましたよ。そして、裏切った人はなじる必要はないけれでも、「ああ、あのときあいつ、自分の党の総理大臣に後ろから鉄砲うちましたよ」と。それだけ覚えていればいい。いまも7名が現職議員をしていますが、通算3~4回当選どまり。それから会社員や会社社長はかえってつらい。

 議事録は次の通りです。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/180/0001/18006260001028c.html

以上
  

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延長国会初の安保特別委は、武力攻撃事態法に書き込む「存立危機事態」が焦点に

2015年06月26日 23時59分58秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年6月27日午後3時で、それから26日付にバックデートしました)

【平成27年2015年6月26日(金) 法律公布】

 「国土交通省の海洋に関する独立行政法人改革法」(189閣法48号)が平成27年6月26日法律48号として公布されました。28年4月1日(金)施行。参議院先議として、共反対、自公民維賛成で成立していました。

 「改正地域再生法」(189閣法53号)は平成27年6月26日法律49号。3か月以内の政令で定める日に施行。共反対、自公民維賛成。

 「第5次地方分権一括法」(189閣法51号)は、平成27年6月26日法律50号。共反対自公民維賛成。

 これで公布法律は50本となりました。遅いペースです。

 なお、地方創生3法のうち、特区法改正案は、参議院では内閣委に付託される見通しですが、マイナンバー法改正案、女性の職業生活の活躍推進法案があり、きわめてていねいな慎重な審議が、延長国会の参・内閣委で行われることになる見通し。

【同日 衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 2015年日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)国内実施のための安全保障2法案(189閣法72号、189閣法73号)が、NHK入り、首相入りで質疑されました。

 安全保障より、憲法になっていますが、このところ、存立危機事態の重要影響事態の問題になっています。

 2003年有事三法の一つ、「武力攻撃事態法(平成15年6月13日法律79号)」には、次のように書いてあります。

 第2条(定義)
 (1)武力攻撃 我が国に対する外部からの武力攻撃をいう。
 (2)武力攻撃事態 武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるにいたった事態をいう。
 (3)武力攻撃予測事態 武力攻撃事態にはいたっていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるにいたった事態をいう。

 この3つが法律に書き込まれています。この3つはすべて「個別的自衛権」です。今次改正法案(189閣法72号)は、これに「存立危機事態」を書き加えようとする案です。

 これとは別に、1997年日米防衛協力のための指針(いわゆるガイドライン)の国内実施法として落とし込んだ、周辺事態法(平成11年5月28日法律60号)に「重要影響事態」を書き加えようという改正案も入っています。

 とくに武力攻撃事態法は、総理大臣の防衛出動命令(待機含む)であり、同9条は官僚文学を翻訳すると、「国会の承認は要らない」としています。

 岡田克也・民主党代表はこれについて、先週の当初会期末前週のQT(6月17日)でも触れています。

 この日の岡田さんの質疑で、安倍晋三首相(自民党総裁)は存立危機事態について、次のような文章を読み上げました。

 「わが国の近隣で武力紛争が差し迫っている状況で、米軍も事態の拡大を抑制し、その収拾を図るために活動をしている。わが国も重要影響事態法の下で対応措置を行っていたが、状況がさらに悪化し、わが国と密接な関係にある国(例えば米国)に対する武力攻撃が発生した。その時点では、わが国に対する武力攻撃が発生したとは認定されないものの、攻撃国はわが国をも射程に捉える相当数の弾道ミサイルを保有しており、その言動などからわが国に対する武力攻撃の発生が差し迫っている状況にある。当該国の弾道ミサイル攻撃からわが国を守りこれに反撃する能力を持つ同盟国である米国への艦艇への武力攻撃を早急に止めずに、わが国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しのつかない甚大な被害を被ることになる明らかな危険がある」(民主党ニュースから引用)。

  まあ、こんな答弁ではまったく認められないですね。

 維新の党の井坂信彦さんも「存立危機事態は、新武力行使の3要件(北側3原則)を満たせば適用できるとのことだが、(法律ではなく)時の政府の判断のように感じる」と語りました。

 岡田さんは冒頭、採決時期について、「審議時間が何時間かではなく、国民がどれくらい理解してくれたかを基準にして、(衆・委員会で)採決すべきだ」と牽制。安倍首相(自民党総裁)は「95日間延長したので十分な審議時間がある。そのなかで、委員会に判断してほしい」とし、明言は避けながらもある一定の審議時間をとる考えを示しました。

 委員会や理事会は今後の日程を全会一致で可決。来週29日(月)一般質疑、7月1日(水)2度目の参考人質疑と一般質疑、7月3日(金)集中審議、7月6日(月)沖縄県での地方公聴会ーーとなりました。

以上
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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