【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

森友文書国会改竄提出事件の説明に納得せず、参・予算委開会せず取りやめ、その一方、衆では全省別委員会で大臣所信聞き終わるが、夕方から審議拒否で、2法案の趣旨説明先送り

2018年03月06日 19時02分54秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]参議院、5年前の2013年8月に筆者・宮崎信行が撮影。

 「森友文書の財務省、国会野党提出文書改竄事件」で、朝の理事会に報告提出。野党は納得せず、午前中の参予算委は開かれませんでした。今国会の予算審議では最も長いストップとなりました。ただし、午後2時前後から理事会を再開し、協議。与党国対の指示で、衆議院側の委員会に出ていた国土交通大臣らは、その委員会を休憩にしてもらって、参議院予算委員会に出ようとして待機しています。午後3時前後に動きがあるかもしれないし、ないかもしれません。

【参議院予算委員会 平成30年2018年3月6日(火)】

 朝の理事会に財務省が提出した「森友文書、国会改竄提示事件」についての報告のA41枚紙に反発が強まり空転。午前中には開会できませんでした。理事会は再開しましたが、午後3時過ぎに取りやめとなりました。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 午後5時10分から一般質疑のみする予定でした。しかし、早い時間に流会が決まりました。財務省の対応を見ていれば、そりゃそうだろ、というところです。きょうはまだ「吊るしがおりていない」ので議題になっていませんでしたが、「関税定率法改正案」(196閣法13号)の審議は遅れそうです。

●衆議院のすべての省別常任委員会で所信聴取が終わる。

 衆議院では、省別に設置されたすべての委員会で所信表明が終わりました。与党からは見れば波静かな衆議院。法案が付託されるのではないかと思われる委員会のうち、所信表明が終わっていないのは、大臣が交代した、消費者問題特別委員会だけなのかなあという気がします。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 先週の国土交通大臣所信表明演説に対する、各党の一般質疑がありました。

 但し、大臣の空転している参議院予算委員会への出席をもくろみ、与党は委員会を休憩。その後、再開。

 一般質疑終了後に再度休憩。

 理事会で、野党が森友学園問題による国会不正常化を理由に、審議拒否となりました。

 議長からは「道路法及び道路財特法改正案」(196閣法3号)が付託されていましたが、きょうの委員会では趣旨説明はされずに、散会しました。

【衆議院環境委員会 同日】

 先週の大臣所信に対する一般質疑がスタート。

 俳優→環境副大臣→俳優→5年ぶりに衆議院議員と、人生を謳歌する、横光克彦さんの質疑。政府参考人として呼ばれた官僚が「横光先生お久しぶりです。私は今経産省に居ます」と答弁するシーンもありました。

 一般質疑終了後に休憩に。理事会で野党は、森友による不正常国会で、審議続行は認められないと主張。議長がこの委員会に付託していた「公害健康被害補償法改正案」(196閣法16号)の趣旨説明は見送られ、不正常なまま、散会しました。同法案の趣旨説明は次回以降。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 梶山弘志・地方創生担当大臣が所信表明。「地方の活力無くして、日本の活力無し」と切り出し、新聞で話題になっている東京の大学新設を規制する「地域における大学振興法案」(196閣法5号)の「東京一極集中の解決に取り組む」「ご審議をお願いしたい」と話しました。この法案は交付金を新設するということで、文部科学省のほか内閣官房からも大学にお金が出るというのはあまり感心しません。梶山大臣は「空き店舗の活用を図った企業を優遇する」「地域再生法改正案」(196閣法7号)、「規制のサンドボックスを導入する」「国家戦略特区法改正案」(196閣法 号=今月中旬提出予定)「第8次地方分権一括法案」(196閣法 号=今週にも提出予定)の審議もお願いしました。政権交代後でも、野党はこの委員会で厳しく法案審査していれば、森友・加計問題は起こりえなかったわけです。今国会も法案が多いようですから、徹底的に厳しくやってほしいと願いします。本当に素晴らしい規制改革は全国一律恒久的にやりましょう。

【衆議院法務委員会 同日】

 上川陽子法相の所信表明演説がありました。まず、「閣議で初めて再犯防止推進計画をつくりました」と強調。閣議決定というのは正直、インターネットなどで知りにくいのですが、法務省としてはこの再犯防止推進計画をもとに、刑事局・矯正局の仕事を中期的に組み立てていきたいようです。上川大臣は、認知症対策で、法テラスを活用した、高齢者の地方ソーシャルワーカーというしくみを推進したいとしました。「民法成年18歳法案」(196閣法 号=ずれ込みながらも来週にも提出予定)の審議を依頼。外国人の受け入れ、日系四世の受け入れ、無戸籍児対策、難民認定、刑務所老朽化対策にも取り組むと表明しました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 伊東良孝委員長は、昨年の閉会中審査で「きょうは、180分で、10人が質問(1人当たり18分)しました!」と野党分裂を嘆きました。

 伊東委員長と同期の自民党、斎藤健農林水産大臣の所信表明がありました。農相は「所得の向上を実現した」と強調し、「引き続き、流通構造の合理化をめざす」「JA改革5年計画の3年目だ」としました。減反廃止では、「ことしからコメ政策が変わります。全国ベースでの需給見通しの情報を公開します」としました。


【衆議院安全保障委員会 同日】

 小野寺五典防衛大臣は「所信表明に先立ち、AD64Hの墜落をお詫びします」としました。今年末の中期防衛力整備計画改定では「現在の防衛大綱よりも厳しい情勢となっており、専守防衛の延長戦にある国民の安全のための中期防を整備する」と語りました。法案は、「防衛省設置法及び自衛隊法改正案」(196閣法25号)の審議をお願いしました。続いて、河野太郎外相が国際情勢を説明しました。これを見ると、たしかに外相の国会出席は多いのですが、全閣僚出席の本会議や委員会が無駄だとする河野さんの意見はまったく理解できません。

●参議院では11委員会中3委員会で所信表明終わる

 参議院では、11ある省別委員会(第一種常任委員会)のうち、3つで所信聴取が終わりました。参議院は議員は1つしか第1種常任委員会に所属できないので、11委員会が一斉に開かれて所信を聞くことがありますので、11のうち3つというのは、嵐の前の静けさかも。


【参議院内閣委員会 同日】

 委員長ポストは野党に割り振られていますが、迅速に所信表明を聞き終えました。

【参議院総務委員会 同日】

 野田聖子総務大臣の所信表明演説を聴きました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 河野太郎外相と小野寺五典防衛相が所信表明。この後、民進党の藤田幸久さんが委員派遣の報告をしました。「沖縄辺野古崎沖を視察し、米軍基地の再編で意見交換をした。有意義だった」としました。

【参議院財政金融委員会 同日】

 設定されていましたが、取りやめとなりました

【参議院議院運営委員会 同日】

 「黒田東彦日銀総裁再任案」を審議しました。

【衆議院情報監視審査会   同日】

  秘密保護法の行政文書のチェック。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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