[写真]国会を背に黄昏を見つめる筆者・宮崎信行、きのう2018年3月6日、宮崎信行撮影。
●森友文書改竄は、国会の危機
「財務省の森友文書野党PT改竄提出疑惑」が浮上して、国会は衆参とも空転2日目になりました。
そもそも「ねつ造か?」と言われて、国民の誰もが、財務省のねつ造だろう、厚労省の裁量労働調査もねつ造だろう、と思ってしまうところが、以前とは違うという感じです。ただし、「内閣総辞職しろ」「麻生太郎財務大臣辞任しろ」という前に、国会の危機です。
辻元清美・最大野党国会対策委員長が野党6党をまとめて、森山裕・与党国対委員長に申し入れています。
岡田克也代表も、前日の記者会見で「立法府と行政府の問題ですから、与党の皆さんにも、一緒になって事実解明についてしっかりと力を合わせて努力してほしい」と語りました。
●※法案の審議も遅れだすも、国民生活への影響は皆無か
政府・与党国対は、議運に、年度内に20本の法案を成立させたほしいとしていますが、このうち16本が審議入りしていません(2本は吊るしがおりたまま趣旨説明延期)。今年度は残り17営業日。そのうち参議院第一種常任委員会の定例日は残り7日となりました。このため、20本の法案(※こめじるし法案、日切れ法案)の成立が危ぶまれる状況に入りつつあります。ただ、私が改めて精査したら、「子ども子育て」「公害被害者」の法案も、国と企業、国と独法のお金の流れの法案なので、国民生活への影響はほぼ皆無だと思われます。なので、野党は徹底的に止めてもよいのではないでしょうか。
【衆議院 平成30年2018年3月7日(水)】
きのうの午後3時頃から空転。空転国会2日目に入りました。
【参議院議院運営委員会 同日】
予算委員会は空転していますが、議運は当初の予定通り、参考人2人を招いて、全会派出席で定刻通り開かれました。
日銀副総裁に、「若田部昌澄さん新任案」及び、「雨宮正佳さん新任案」を審議しました。
若田部さんは所信表明で「私は経済学史を専攻しており、過去の経済危機とマクロ経済の対応を研究してきた」と語りました。雨宮さんは「私は日銀入行以来、キャリアの半分近く、過去20年間にわたりデフレ脱却に向けた日銀の政策立案に身を捧げてきた」と述べました。
事実は小説より奇なりという感じの所信でした。若田部さんは「元学習院大学教授の岩田規久男現副総裁と協調してきた」とし「デフレからの完全な脱却よりも前に、出口戦略をするべきではない」「日銀と政府は協力すべきだ」とも語りました。
早稲田大学政治経済学部教授は、年収が1500万円前後で、欲しい本は年200万円程度なら全部買ってもらえ、私学共済ではなく厚生年金加入、70歳定年と、過重労働とはいえ、私学では異例の恵まれた地位が保証されています。しかし、日銀副総裁になれば、年収2500万円が5年間とジャンプアップします。日銀の給料は税金ではなく自分で刷っていますから、厚遇を批判してもどうにもなりません。若田部候補は落ち着いていた風情でしたが、しっかりチャンスをつかんで、知見をいかしてほしいところです。
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(C)2018年、宮崎信行。
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