[写真]法案が1本も審議入りしないまま前半国会が終わった経産省、東京・霞が関、3年前の2015年、筆者・宮崎信行撮影。
年度末の参議院本会議で日切れ法8本が成立し、前半国会が終了しました。150日間の通常国会は、残り82日間となりました。政府の日切れ指定法案は11本が後半国会に持ち越し。権力の絶頂にある、内閣官房と経済産業省は1本の法案も成立しないまま、前半国会終了。「国家戦略特区法改正案」「PFI法改正案」など、21世紀小泉・安倍自民党を象徴する構造改革継続の法案がすべて後半国会に持ち越し。構造改革見直し国会の予兆が出てきました。
【参議院本会議 平成30年2018年3月30日(金)】
日切れ法8本が成立。例年に比べれば少ないくらいです。
「東日本大震災被災者のための法テラス特例法3年延長法」(196衆法8号)。参議院本会議場だけにある押しボタン式投票システムで採決。投票総数240、賛成240、反対0の全会一致で可決し、成立しました。この採決のさいちゅうに、次第書きと投票システムを見比べている事務総長が議長に「全会一致ではありません」とささやき「何言ってんの」と語るシーンがありました。前日は職員と議員の不倫が報じられた参議院事務局。新年度入りをきっかけに気を引き締めてほしいところです。
「改正関税定率法」(196閣法13号)は、先の特別国会から唯一継続審査となっていた「改正保険業法」(195閣法4号)の緊急上程とあわせて一括して議題になりました。採決は投票総数240、賛成240、反対0の全会一致で、両法律とも成立しました。改正関税定率法は関税表改定とあわせて金の密輸の罰金を1000万円へと引き上げる条項も入っています。この条項だけ公布後10日後に施行することになっています。法律の通則は公布後20日後なんですが、なんで10日後か不思議なところです。
「改正健康被害補償法」(196閣法6号)は、239、239、0の全会一致で成立しました。
「水産加工業施設改良資金融通臨時措置法の5年延長法」(196閣法15号)は、240、240、0の全会一致で成立しました。
「改正在外公館・位置・給与法」(196閣法19号)は、239、221、18の賛成多数で可決し、成立しました。
「道路法及び道路財特法を改正する法律」(196閣法3号)は、239、225、14の賛成多数で可決し、成立。
「改正子ども子育て支援法」(196閣法6号)は、239、217、22の賛成多数で可決し、成立。
「平成30年度NHK予算」は、239、239、0の全会一致で両院承認。
【衆議院本会議 同日】
「生活保護法及び生活困窮者自立支援法など改正法案」(196閣法20号)が、野党6党共同対案の「子どもの生活底上げ法案」(196衆法9号)が同時に審議入りしました。政府と立憲民主党など野党6党の趣旨説明と代表質問がありました。
【参議院財政金融委員会 同日】
午前10時頃から「保険業法を改正して小規模共済を5年延長する法案」(195閣法4号)を審議し、採決の結果、全会一致で可決すべしと決まりました。これを本会議に緊急上程。午後1時頃から開かれた本会議で可決・成立しました。
【参議院災害対策特別委員会 同日】
大臣の所信表明がありました。
【衆議院内閣委員会 同日】
一般質疑があり、公文書管理などが話し合われました。
【衆議院法務委員会 同日】
「裁判所職員定員法改正案」(196閣法10号)を審査しました。希望の党の階猛さんが討論で「判事の定員増は、経緯として過去に大量採用した判事補を判事にする身分保障の面からもやむを得ないが、3年前、平成27年の審議で上川法相に対して私が指摘した点が反映されていない」とし、判事増員による政策効果の点数が低いと指摘しました。採決の結果、希共の反対、自公立などの賛成多数で可決すべし、と決まりました。立民と希望の投票行動が分かれたのは、首班指名を除けば、初めてかもしれません。
【衆議院外務委員会 同日】
国際情勢に関する件で一般質疑がありました。
【衆議院財務金融委員会 同日】
財務省・金融庁が提出した法案の審査は完了しましたが、森友公文書改竄をめぐって一般質疑がありました。
【衆議院文部科学委員会 同日】
大臣所信に対する一般質疑がありました。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
一般質疑、とくに年金に関する集中審議がありました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
大臣所信に対する一般質疑が終了。いわゆる店開きが終わり、次回から、法案を審議できる状況になりました。
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(C)2018年、宮崎信行。
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