人事院勧告を完全実施する給与法案が衆議院の委員会で審議入りしました。金曜日のも委員会採決される公算。
法務省は「出入国管理法改正案」(197閣法1号)をめぐって、業種ごとの5年後の受け入れ人数上限見込みを計算しましたが、けさの朝日新聞2面によると、同省入国管理局の応接室をつぶして、タコ部屋にして、検察官も動員して計算したとのこと。同局には4人課長がいて、末席の課長(警備課長)は検察官の人のようです。朝日の「検察官」の表現が、先週までどのセクションに居た人かは分かりませんが、とにかく「庁昇格」を目前にした組織が混乱しているのでしょう。私が今朝、自宅周辺を散歩していたら、防衛省地方防衛局が「防衛省に就職して自衛官になろう。景気に左右されず絶対安定。40歳で年収700万円。入省資格は、32歳まで延長。転職歓迎」のポスターが自治会掲示板に張ってありました。地方防衛局がなんでこんなにひっしなのか、募集獲得が歩合なのか、最高指揮官が馬鹿過ぎて末端が困っているのかどうか、内情は分かりませんが、採用側からすれば景気が良いと自衛官が集まりにくいのは必定。内閣法制局、自民党、公明党の職員でも転職させて、充足させればいいのではないでしょうか。人事院は今夏の採用試験で未曽有の人数を合格させました。これは上述の「出入国管理庁」昇格を踏まえているようですが、景気が良い時に、合格者を増やしてしまうと、後々「魔の平成31年組」と言われやしないでしょうか。障害者雇用も一気に4000人ということですが、「公益の仕事には興味があるけれども、今の経済・生活環境には満足しているので」応募しないという人もいるようです。水道法改正案(196閣法48号、今国会では参先議)の答弁を担当していた、女性の厚労省キャリア官僚が、存在を隠していた障害がある弟に殺害される、というショッキングな事件が昨年ありましたが、正直「おれ、今なにやってんだろ」という官僚も多くいるのではないでしょうか。
【衆議院法務委員会 平成30年2018年11月14日(水)】
昨日から理事会・理事懇談会は紛糾してきましたが、本会議で議題になった「出入国管理法改正案」(197閣法1号)ではなく、「裁判官給与法改正案」(197閣法6号)と「検察官給与法改正案」(197閣法7号)が先に審議入り。法相の趣旨説明の後、与党質疑が終わりました。16日(金)に、野党質疑があり、採決される見通し。
【衆議院内閣委員会 同日】
「平成30年度人事院勧告を完全実施する、国家公務員一般職給与法改正案」(197閣法3号)と、「同特別職給与法改正案」(197閣法4号)が趣旨説明されました。宮越光寛大臣は「指定職をのぞく、一般職の俸給表を若手に厚く上げる」としました。
これに先立ち、大臣所信に対する一般質疑があり、そのあと、人事院総裁に対する一般質疑がありました。
大臣に対する質疑で、立憲会派の今井雅人さんは、片山さつき大臣が政治資金収支報告書を大量訂正した前夜、マスコミ向けにペーパー1枚を発表したものの、国会には連絡しなかったと批判しました。今井さんの質問に対して、桜田義孝・五輪推進室担当相は、「パソコンを使ったことは無い」と答弁し、「サイバーセキュリティー基本法改正案」(196閣法45号)の担当として不適当ではないかと今井さんに指摘されました。
共産党の塩川鉄也・国対委員長代理は、茂木敏充大臣と、日本リラクゼーション協会との関係を問いただしました。
【衆議院外務委員会 同日】
「日中社会保障協定の承認案」(197条約3号)が趣旨説明されました。政府は、「日欧EPA」に関する承認案(197条約1号、197条約2号)を出していましたが、197条約3号を優先しました。
外務大臣への一般質疑ですが、政府参考人は、水産庁、厚労省など各省から呼ばれ、「経済連携協定の季節」を感じさせました。
我が無所属の会の、敬愛する、玄葉光一郎さんは、「2011年12月19日の手帳を紐解いた」と玄葉・クリントン会談の当事者の立場から、沖縄・グアム基地再編問題をただしました。ただ、玄葉さんは「昼に通告した」とも語っており、玄葉先生は質問通告が遅いという批判が一部でありますから、日本を代表する政治家として、多くの方に見られている自覚をちょっとだけ高めていただきたい。維新の杉本和巳さんは「私も民主党政権にいたが、政権交代は大事だと思った」と感想を述べ、「この委員会には、岡田克也さんもいる」といちいち言及していました。「今席を外されたが」と余計なことも言及していました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「GI法、特定農林水産物の名称保護法を改正し、日欧EPAを国内実施する法案」(197閣法9号)が審議入りしました。上述の通り、外務委では日欧EPA(197条約1号)が審議されていませんが、農水委では、漁業法改正案(197閣法8号)よりも優先的に議題になりました。前日、自民党本部内で、JF全漁連が漁業法成立を見越して経済的な補償を求める大会を開き、多くの自民党議員が参加したようです。議題となる「GI法改正案」については、条約により名称変更を迫られる農産品は日本側の方が少し種別が多いようで、やや不利な感じもします。
これに先だち、大臣所信に対する一般質疑の最終日がありました。無所属の会の金子恵美さんは「今年の我が国は、多くの災害に見舞われた。吉川貴盛大臣は、就任直後から、大阪、和歌山、北海道、広島など各地を視察したと聞いている」と災害と農林水産業を問いました。福島1区の金子さんが、参衆通じて、福島以外の災害を聞くのも珍しいなあ、東日本大震災から7年経ったんだなという気もしました。
【衆議院文部科学委員会 同日】
大臣所信に対する一般質疑では、公明党の鰐淵洋子さんが「補正予算で小学校のエアコン代がついた。今後、小学校が節電しなくていいように、エアコンの電気代にも配慮してほしい」との指摘から始まり、公明党らしいなと感じました。
無所属の会の中川正春・元文部科学大臣は「外国人技能実習生の子供への日本語教育について、省は就学率を発表できない。それは、義務教育化していないからだ」とし「四日市のささがわ団地は半分以上は外国人だ」と拡充を求めました。「利益を得るのは企業だ」として、すべて税金で賄うのではなく、一定の金額を企業にも負担させるべきだとしました。これに関して、無所属の会の岡田克也代表は、メルマガで「日系人の場合のように、地方自治体にすべて任せるのではなく、国が一定の責任と負担を負わなければなりません」とし、法務省が出した数値を法案に書き込んで再提出するよう政府に求めました。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
大臣所信に関する一般質疑ですが、ここでも、「出入国管理法改正案」(197閣法1号)が話題になりました。
自民党の小林鷹之さん(二階派)は「私は自民党法務部会で、特定技能2号には厳しめに見ている。社会保障については、入国直後に高額療養費を使うことが無いように核にする必要もあるのではないか」と冒頭から法案を批判しました。上述の片山大臣といい、二階派は幹事長派閥なのになぜか傍流色を強めています。もう、竹下派・二階派・石破派で自民党を集団離党したらいいのではないでしょうか。
【衆議院議院運営委員会 同日】
【参議院議院運営委員会 同日】
会計検査院の検査官候補の所信聴取と質疑がありました。検査官候補の、岡村肇会計検査院事務総長は、「私は昭和58年の採用以来、一貫して、会計検査業務に携わってきた」と抱負を述べました。
【衆議院国土交通委員会 同日】
石井啓一大臣の所信表明がありました。「消費税の引き上げで、特に住宅購入のさらなる支援を検討する」としました。
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